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短編

乙女ゲームらしき世界に転生してたみたい。

作者:芽実
最近の乙女ゲーム転生は読んでて楽しい。と、いうわけで波に乗ってみた。
ふと、気が付いた。
「私、家を出るわ!」
「何を言ってるんだ!」
「あら、誰か出ないといけないのならルルカお姉様じゃなくて私が出るわ」
そう口にしてふと、気がついた。
「そうだな、その方がって、そんなわけあるか! マコト!」
父の声もどこかしら遠くに聞こえながら私は襲ってきた膨大なる情報に目眩をおこしそうになる。
あれ?これってもしかして「前世の記憶」ってやつじゃない??

この世界に生を受けてからはや11年。
いつの間にか風評被害が凄まじい我が家。
やれ、悪女だの。やれ、偉そうだの。やれ、うちの住人は性格が悪いだの。
出るわ出るわ。根拠のない発言。
国立魔術学園に通っているある意味強烈な印象の姉がどうやらやらかしたらしく風当たりが強い。市井まで広がる噂である。
何をやらかしたのかはさっぱりだ。そして責任をとる!と叫ぶ姉とそれを宥める父の会話を聞きながらふと気がついた。私前世でも人間だったと。そしてここゲームの世界と類似してる、と。



ご紹介遅れました、私、マコト・エオトワーズ。
エオトワーズ公爵家の末の娘でございます。
公爵家。そう、公爵家だと!?
頭を抱えたくなったのはその重すぎる責からではない。末っ子の私は適度な家に嫁ぐくらいだ。って、そうじゃない。



私のハマっていたゲーム、ファンタジー乙女ゲームなのだが。そのゲームの悪役が公爵家令嬢だったのだ。
詰まる所姉である。

しかし疑問だ。姉はあのゲームのようなヤンデレ気質でもないし。好きな人だって別にいる。それになにより嫌がらせなどみみっちいことをするような人ではない。
気に入らなければ実力行使だ。権力行使ではない。
実 力 行 使、だ。
気に入らなければおそらく、講義などのタイミングでその人と組んでボロボロのボロ雑巾になるまで高笑いしながらやるタイプの人である。
断言できる。


そして、時期的に冬。来年、いや、今度の春から姉のいる学校に行くことになっている私であるが。物語は姉が14の時の話だった気がする。あれ?姉は明日15になる。私もそろそろ12になる。ちなみに学園は12歳からなので、私は今度の春から学園にいかなくてはならない。学園は12歳から17歳までの6年間
物語、終わっていないでしょうか?


「マコト!」
「なぁに?ルルカお姉様」
3番目の姉であるルルカ・エオトワーズ。
彼女か件の悪役である。ちなみに我が家子沢山で私には姉が3人兄が5人いる。
「あんたはまたそんな貧相な服着て!どこに行くつもりなの!行ってみなさい!」
話し合いから数日、私は市井に降りることを頻繁にするようになっていた。
「あら、ギルドよ?」
「ギルドですって!?」
「だって、ルルカお姉様」
伏目がちに言うとウッと姉の声が聞こえた。このまま押し勝ってしまえ。
そして自由を手にいれるのだ。
あい らぶ ふりーだーむ!

「お姉様、最近の我が家の評判存じております? お姉様が影からこそこそなんてそんなみみっちいことをするようなお方でないのは知っています。おおかた、お姉様のファンの方か、お姉様の自称友人の方が勝手にやったのでしょうが。どういうわけか全ての悪はルルカ・エオトワーズと噂されておりますの。そしてそれが悔しい! これを機に我が家の力は一気に落ちますわ。それでしたら一層の事ギルドでお仕事をして名をあげておうちに貢献しようかと思った所存ですわ」
姉はいつの間にか涙目になっていた。
「だって、勝手に誤解されたんだもん! しょうがないじゃん! そうよ! 私なんもしてないわよ! 大体あんな、いえ、あのような女の子にもその取り巻きにも興味ないわよ! 嫉妬!? なにそれ!私はセバスチャン一筋よ!!」
齢30のセバスチャンに求愛し続ける15歳、あ、まだ14歳だ。
「ですから、名を上げようと」
「そんなの、私の責任だから私が!」
「お姉様」
年上なのにまったく年上らしくない姉ににっこり笑う。
「お姉様、お姉様は明日で15。あと2年で貴族の令嬢なら結婚適齢期に足を踏み入れますわ」
翻訳をすると、とっととセバスチャンを落として結婚しやがれ、なのだが姉は目を輝かした。
しっかりと意味を受け取ってくれたようで何よりだ。
「私、がんばるわ!」
その決意を胸に姉はセバスチャンに突撃をかましに行った。
そんな姉の背をみて思う。
さて。私は私でギルドでがんばろうと思う。
せっかくの転生だ。
終わってしまった乙女ゲームなんて興味がない。
家族のため、と、あとは好奇心のために! とスキップしながら進んでいく。



私の前世でした乙女ゲームはこれ限りであとはRPGが主だった。そのため、私は知らない。まさか、ゲームで人気が出て小説が出ていたことを。ゲームも小説も続編が出ていたことを。

知らないまま優雅にスキップをしながら最近通いつめているギルドに向かうのだった。
そして続かない笑

勢いで書いてみた。

以下登場人物説明

◼︎マコト・エオトワーズ
エオトワーズ家の9番目の子供。
兄が5人、姉が3人いる。
ルルカとは仲良し。
乙女ゲームが終わってから転生に気がついたお間抜けさん。
最近はマコ、という名前でギルドに通っている。前世で乙女ゲームよりもRPGが好きだったため、やっほいとか思っている。

◼︎ルルカ・エオトワーズ
エオトワーズ家6番目の子供。
兄が3人。姉が2人。弟が2人。妹が1人。
マコトが大好き。
そして執事のセバスチャンが大好き。そのうち夜這いをかけるつもりである。
いつの間にか悪役になっていた。あれれ?
なんかしたっけ?と首を傾げている間に噂は広がる広がる。

◼︎セバスチャン
エオトワーズ家の執事。齢30。
ルルカが小さい時からアタックされている。
そしてルルカがどういうわけかセバスチャンの好みの女性に仕上がっているのをみてドキドキ。マコトには「紫の上計画?」と最近首を傾げられる。なんでだ。

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