主人公は植物人間(9/18)縦書き表示RDF


なんなんだ、こいつら。いらつくんだが。
主人公は植物人間
作:坂月和闇



#9.いらつく


あたしはもう、死んでる。
俺はまだ、死んでない。
歩んできた時間、
片方はもう止まって、片方はまだ動いてる。

出会いは偶然、だった。
同じ世界にいられる時間は、あと少し。

だけど、あと少しだからこそ…

2人は手を取り合い、ゆっくりと歩き出す。

この楽しい時間を、少しでも長くするために・・・





「なーに、いらつくことしてんだお前ら。」
「!?」
「お前らの勝手な行動で、こっちは迷惑してんのによ。全くよー。・・人間は自分のことしか考えてないからいかんぜ。」

さっき抜けてきた路地裏の方から、声がした。

上から叱りつけるような、威圧感のある声。
そのあまりにも強い声に、2人は少し気押されながら、後ろを振り返った。
「転落畤 羽遊と・・蟹山 絵眠だな?歴史干渉、の実行犯で・・捕縛する。」
「な・・なに!?」
空気が、変わった。
そこにいたのは、霊を導くもの。生きていては決して見ることの出来ない、
空想上の種族。

天使だった。

後ろの羽は飾り・・?
いや、違う。羽の脈動を感じる。やっぱり天使だ。
「歴史干渉・・?どういうことだ!」
「霊が人間世界に影響を与えることだ。利婚炉 廡類の逮捕によって・・ほんの少しだが、未来は変わる。そしてそれはいつか、大きなズレになる。」

全く困ったもんだ、とでもいいたそうな顔で、
そいつは座っていた――なぜそんな所にあったかは分からないが――山積みの段ボールの上から立ち上がった。

どうやら俺たちがやったことは、タブーだったらしい。
利用規約をみずになんかに登録して、
実は〜だったんですよ、って言われてるみたいだ。
「いよいよ天使の登場かよ・・ってか天使って、悪口ばっか吐くようなやつなのか?」
別に罪人よばわりされること、したわけでもないし。
とりあえずタメ口で話しかけてみる羽遊。
「天使にだって情はあるさ。機械的な天使が人を導くことができるか?できねぇだろ?」
普通に返された。・・そりゃそうだけど。
やっぱ童話とかとイメージが違いすぎる。
それでも天使かお前は。
そう言いたくなったが、やめといた方が良さそうだ。

さっきから絵眠が、何も言ってないからだ。

俺より遥かに、絵眠の方がこの世界に詳しい。その絵眠が何も言わず、ただじっと前を見据えてあいつをにらんでいるのだ。
恐らくこれ以上の言葉はなにかを引き起こす。
それを、羽遊は悟った。


もう少し更新頻度が増やせればいいなあと思っています。











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう