被害者がもめていた理由
私は、須和に会いに来た。
恒満:「アスカさん、何か用?」
アスカ:「須和さんですよね。
最近、被害者の高橋さんと酷くもめていたそうですね。」
恒満:「い、一体、何の話かな?」
コイツ、隠すつもりか・・・。
隠すんならそれでも構わないが、私を嘗めないで貰いたいね。
私に掛かれば、あんたの化けの皮を剥がすのなんて朝飯前よ。
アスカ:「須和さん、貴方が被害者と酷くもめていたのは、警察の調べで分かった事です。
警察の情報網は貴方が思ってる程甘くはありませんよ?
貴方の悪行がバレるのも時間の問題なんじゃなくて?」
そう言うと、須和は舌打ちをした。
舌打ちをしたのは良いが、須和は何も喋ってはくれなかった。
どうしても黙っていたいらしいな。
しょうがない、拓也・・・じゃなくて、アスカが教えてくれたあれをやるか・・・。
それにしてもやばいな・・・。
最近、心までアスカに染まって来ている・・・。
きっと、アスカの身体の記憶がそうさせているのだろう・・・。
私は、仕方なく奥の手を使う事にした。
アスカ:「ねえ、須和さん・・・。
貴方の秘密・・・あたしにだけ教えて下さらない?
あたし、好きなんです・・・貴方が。
あたし、貴方の事なら誰にも言いません。
だから、その・・・高橋さんともめていた理由を教えて下さい。」
正直、この手だけは使いたく無かった・・・。
だけど、アスカが言うには大抵の男はイチコロらしい。
すると、須和の態度は先ほどとはうって変わっていた。
恒満:「此処じゃまずい。
付いて来て。」
私は須和に付いて行った。
須和が案内したのは、現場付近にある公園の公衆トイレの車椅子専用の障害者用の個室だった。
中に入ると、須和は赤のボタンを押して扉を閉めた。
この扉は、内側から閉めると外側からは絶対に開かない仕組みなっている。
これで邪魔をする奴がいなくなったと言う事だ。
恒満:「これなら誰かに聞かれる心配は無いだろう・・・。
それじゃあ話すよ。」
須和は、被害者ともめていた理由を話した。
恒満:「あれはあの日の事だった・・・。
スアク(スーツアクターの略語)の高橋が俺に相談しに来たんだ。」
相談しに来た?
一体何の?
恒満:「高橋の奴・・・ハヤテの怪物役をやる自信が無いって言ってたんだ。」
自信が無い?
恒満:「だから、俺は言ってやったんだ。
『自信が無いなんらやるな、今のお前は心此処にあらずだ』って・・・。
そしたらアイツ、どうしたと思う?」
知るか!
恒満:「アイツ、いきなり突っかかって来たんだ。
そんで口論になった。」
成る程・・・。
恒満:「それで、俺の彼女が止めに入ったんだけど、高橋が突き飛ばして植物人間になっちまったんだ・・・。」
何だって!?
そんな事初耳だぞ!
恒満:「勿論、番組生命も掛かってるから、警察には言わなかった・・・。
それに、事もあまり大きくしたく無かったんだ。」
成る程、だから狩屋刑事は何も言わなかったのか。
アスカ:「それで、殺害したんですか?」
恒満:「え、俺を疑ってるの?」
アスカ:「いいえ、疑ってなどいません。
ちょっと確認したかっただけです。」
私はそう言って、部屋から出ようとした。
しかし、その行為は須和によって遮られた。
アスカ:「す、須和さん!
何するんですか!?」
恒満:「アスカちゃん、俺の事好きだって言ってくれたよね・・・。」
何言ってるのコイツ・・・。
ま、まさか!?
・・・そのまさかだった。
須和は、私を侵そうとしてきた・・・。
アスカ:「や、やめて下さい須和さん!
私には宮部 拓也って言う本命がいるんです!
こんな事されてる所を見られたら会わせる顔がありません!」
そう言って、私は渾身の力を振り絞り、須和を突き飛ばした。
須和は、その衝撃によって後に倒れた。
幸い、頭は打たなかった。
ん、待てよ。
私・・・今、宮部 拓也って言う本命がいるって言った様な・・・。
ま、良いか。
アスカ:「御免なさい・・・。」
私は須和に謝ってその場を後にした。
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