400
近所のコンビニでちょっとした買い物をした男は、お会計にレジで400円を支払った。その後、立ち寄った喫茶店で400円のアイスコーヒーを飲み帰宅。男が自宅で腰に付けた万歩計を確認すると、丁度歩数は400歩であった。
それからも何かと、男は400という数字に縁があった。恋人と遊びに行った遊園地のアトラクションは400人が並ぶ400分待ちで、時速400キロの速度を誇る最新型の新幹線で観に行ったコンサートの座席は400番だった。
因みに、これは男の知る由もない事だが、男は作者が書く400作目の掌編の登場人物である。