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東方二次創作です。
そういったものが嫌いな方にはオススメ出来ません。
東方よく知らない方にはあまりオススメ出来ません。

序幕 〜Daily life 〜
 
 
 
 博麗神社の巫女の朝はわりと早い。
 
 雀の声で目を覚まし、馴染みの巫女装束に袖を通して身支度を整える。
 米を炊き、お味噌汁とお新香をおかずに簡単な朝ごはんを済ませると改めて今日が始まった事を実感する、こうやって気分を切り替えるのは大切だと常日頃から霊夢は考えていた。
 
 そんな感じで巫女としての仕事が始まる、博麗神社の巫女、博麗霊夢は竹箒を片手に境内に向かった……。
 
 
 ちょっと眠かったが朝露に濡れキラキラ光る八分咲きに差し掛かった桜を見てると少し元気が出てくる、今日も頑張ろう、そう思える。
 
 
 それなりに広い境内でも半時(約1時間)程経てば掃き掃除は終わる。 今日はこのくらいにしよう、そう思い一つ伸びをする。
 
「さて、今日は何をしようかしら」
 
 ふと塩が切れそうな事を思い出す。
 
「ん~麓の村へ塩を買いにいかないとね、中途半端な時間だし昼からにしましょ」
 
 一人暮らしが続くと独り言が増える、霊夢もその例に漏れる事なく虚空に向かって話し掛けるのだった。
 
「そろそろ裏のタラの芽も食べ頃よね、後で取りにいきましょ」
 
 などと今日の予定を考え、ご機嫌だったが、ふとその視界に賽銭箱が入る……。
 軽いとは言えない足取りで賽銭箱の前に立ち、軽く揺すった。 
 賽銭箱からはチリンとも音はしない、分かってはいた、分かってはいても改めて確認すると霊夢の口から溜め息が盛大にもれる。
 
お賽銭の量は信仰のバロメーターである。
 
 そして信仰とは神社のステータスだと、霊夢は思っている。
 
 まったく自慢じゃないが、この博麗神社には参拝客はほとんど来ない。
 それは霊夢にとって最大の悩みだった、どちらかと言うと信仰云々よりもお賽銭が入っていないと言う事実が誰に負けた訳でも無いのに負けた気がして気に入らないと言うのが本音だった……。
 
 最近、神奈子の分社を建ててから、“参拝客がまったく来ない”から“参拝客がほとんど来ない”に進歩した、雀の涙とは言え多少は喜びたいがプライドのせいか素直には喜べなかったりする、でも信仰は信仰、お賽銭はお賽銭と、心の健康のためにそう思うようにしていた。
 
 
「は~……」
 
 霊夢が本日二回目の溜め息をついた時、そんな霊夢に上空から声をかける者がいた。
 
「賽銭箱に溜め息をかけると、賽銭が増えるのか?」
 
 見上げるとそこには箒に股がり空を飛び、ニヤニヤと笑う少女がいた。
 少女の名は霧雨魔理沙、大きな黒いトンガリ帽子に、黒のドレスタイプのワンピースに白いエプロン、長い癖のある金髪に金細工のような金色の瞳、少女は俗に言い“魔法使い”だ。
 
 
「……増えるわよ」
  
 眉に皺を寄せてそう言うが、勿論、増えるはずはない、それでもそう言ってしまうのは霊夢の性格なのだろう。
 
「溜め息をついても、幸せが溜め息と一緒に逃げるだけだぜ」
 
「私の幸せは余ってるから、賽銭箱に分けてあげてるのよ」
 
「そんな事が出来るのか、そいつは知らなかったぜ」
 
 そう言うと堪えるようにクックッと笑い出す、霊夢はからかわれるのが腹立たしくはあったが、いつもの事だし気にしない、そのうち仕返ししてやろうと思うのだった。
 
「魔理沙、見上げるのも首が痛いわ、いい加減降りてきなさい」
 
「はいはい……よっと」
  
 そう言い少女はゆっくりと高度下げ、慣れた動きでフワリと着地する。
 
「ところで魔理沙、今日は何しに来たのよ」
 
「ん~……、いつもと違う華麗な着地に気付いて欲しかったんだがな」
 
 そう言って魔理沙は唇を尖らせる。
 
「はぁ?何が違うのよ?」
 
「いつもはビュンと飛んで、スタッと着地するんだが、今日はフワッと着地したんだぜ」
 
 魔理沙は無駄に自信ありげに無駄の無い扁平な胸をそらせる。

「何よそれ?」
 
「この前パチュリーに借りた本に、箒から優雅に華麗に着地するのが魔術の腕の見せ所って書いてあったんだぜ」
 
「ふ~ん、そうなの」
 
「そうなんだぜ」
  
 魔理沙はそう言い、更に無駄の無い胸を反らせる。
 
「もしかして、それを見せに来たの?」
 
「そうだぜ」
 
「……魔理沙……暇なの?」
 
「そうとも言うぜ」
 
 
「はぁ~……」
 
 霊夢は本日三回目の溜め息をつく。
 
「どうした霊夢、悩み事でもあるのか?」
 
「はいはい、今から裏にタラの芽を取りに行くから手伝いなさい」
 
 流石に呆れてきた、今日の予定の軌道修正をする。
 
「構わないぜ」
 
「ザルを取ってくるから魔理沙は先に行ってて」
 
「わかった、先に行ってるぜ」
 
 すると魔理沙はフワリと箒に股がると、ヒューっと神社を飛び越えの奥へと消えて行った。 霊夢はそれを目で追い、どうせ直ぐにそんな事忘れるだろう、魔理沙は単純だし……とちょっと失礼な事を思う。
 魔理沙が視界からいなくなると、気分を切り替え取ったタラの芽をどうやって食べようか思案する。
 
「お味噌汁に入れるのもいいけど、やっぱり天麩羅よね、ん~ふ~ん♪ 楽しみ~♪」
 
 鼻歌まじりに足取り軽く台所へと向かう、色気より食い気、霊夢も余り人に言えないくらいには単純だった。
 
 
 
 二人分のザルを用意し、さて一頑張りするかと思ったその時、神社に爆発音が響く。
 
「なっ何? 何事よ!?」
 
 更に続く爆発音、嫌な予感がする、ざわざわする気持ちを抑え、霊夢は爆発音の元へとザルを片手に駆け出した。
 
 
 
 
 裏山の空を飛び交う、カラフルな光弾や拡散する幾重もの空気の鎌を見て、霊夢は今年の花火大会が楽しみだわ~、と現実逃避をする。
 
勿論、花火ではない。
 
 
 
 
 
 
「ん~! 激写ですね。
見出しはこうです!
『霧雨魔理沙! 博麗神社のタラの芽を盗む! 友情を隠れ蓑にした、霧雨魔理沙の黒い思惑を暴け!!』
うん、良い記事になりそうです」
 
「まったく失礼な話だぜ、私はまだ盗んでないぜ!」
 
 
「わかりました。
今から盗むのですね? ささ! どうぞどうぞ、景気良く盗んじゃって下さい。
綺麗に撮ってあげますから」
 
 
霊夢は頭痛と軽い目眩を覚えた……。
 
 神社の裏で景気良く弾幕を展開し、ヒュンヒュンと飛び回るのは魔理沙ともう一人、いや、もう一匹の鴉天狗だった。
 
 短く揃えた黒髪に頭襟を被り、白いシャツと黒いミニスカートに一本歯下駄、カメラ片手に余裕綽々、葉団扇を振り空気の鎌で魔理沙お得意の星形弾幕を次々と相殺している。
 
 
「ちょっと! アホ魔理沙にアーパー天狗! 人ん家の裏で弾幕らないでよ! 他所でやんなさい!他所で!」
  
 そんな霊夢の叫びも弾幕ごっこに夢中の二人には、さっぱり届かない、こめかみをヒクつかせながら、今日はいい日になると思ったのに……と一人ごちる、怒りの堤防は決壊寸前だ。
 
「我慢……我慢よ霊夢、私は楽園の素敵な巫女よ」
 
 そう自分に言い聞かせる、とりあえず結界で二人の弾幕を潰して止めよう、背中から玉串を取り出そうとする。
 
 
 金だらいを頭にぶつけた様な突然の音と頭部への衝撃、霊夢の視界が反転し、それに続く後頭部への衝撃。
 流れ玉が額を直撃、そのまま仰向けに倒れ後頭部を強か打ったのだ。
 
「痛い……痛いわ……とっても痛いわ……」
  
 弾けるように起き上がり、普通の人間の力では不可能な動きをみせる。
 
 巫女服の裾がはためき、袖が舞い上がる、スペルカードを取り出しスペルを唱えるとスペルカードは白煙をあげ燃え上がった。
 
「……頭きたわ……」
 
 霊夢の指先が光る軌跡を残し空を斬り、印を結ぶ、そして玉ぐしを魔理沙と天狗の間の空間に向け術を発動させた。
 
 けりを着けようと距離を詰める魔理沙と天狗の間に濃く張り巡らされた弾幕が一瞬で消滅する。
 
「あ?」
「おや?」
 
 二人が謎の現象を不審に思った瞬間、半間弱(約50m弱)ほど離れていな二人の距離が突然0になる。
 
ゴスッ……。
 
 急な出来事に二人は対応できる訳はなく、自慢のスピードもそのままにお互い激突、墜落した。
 
 
「ふん」
 
 あの二人には罰として妖怪の山から、ありったけのタラの芽を採らせよう、そしてタラの芽の天麩羅をつまみに今夜は夜桜でも楽しもう、霊夢はそう思うのだった。
 気持ちがすっきりすれば、もう次の事を考える、霊夢は気分の切り替えが早い、影で頭が春、と呼ばれる由縁である。
 
「よし、墜落した二人を見付けてタラの芽を採らせたら、麓にに塩を買いにいかないと、忙しい忙しい」
 
 霊夢はザルを片手に揚々と裏山に入っていった。
 
「ひゃっ」
  
 機嫌のなおったのも束の間、ぬかるみに足を取られ派手に転ぶ、今日はどうやら厄日のようだ。
 
「いたたたた~、お尻打ったー、も~……、最近雨降ってないのに、何でぬかるんでるのよ!」
 
 苦言吐き、立ち上がり泥だらけになった服を叩く、随分と情けない恰好になった自分に今日4度目のため息をつく。
 
そこで、周りの不自然に気付いた。
 
「山が……水浸しね……」
 
 最初は日陰とコケなんかのせいで水がずっと残ってたのだろう、そう思っていた、山の光の差さない所では別に珍しい事ではない。
 
 でも、最近雨は降ってないはずだ。
 
明らかにおかしい、水の量と範囲が広すぎる。
 
「ん~……、昨日の夜中にでも雨降ったのかしら、まっ……そんなところでしょ」
 
 霊夢は若干の引っ掛かりを覚えたが、深く考えない事にした、頭が春、あくまで能天気なのだ。
 
 ただ、その引っ掛かりが、これから起こる異変の前触れである事は今の霊夢には知るよしもない事だった。
 
 
 
 
 
はい
そんな感じの東方水竜宮です。
東方っぽくしたいのですが、なかなか難しいものです。
わりと行き当たりばったりなので、こんな展開とかどうよ?
なんて意見をもらえたら執筆燃料になるかもしれません。
ちなみに
魔理沙と射命丸に向かって使った霊夢の術、あれなんだよ
訳わかんねぇよ
と言う意見もあるかと思いますが
それは次回の話という事で…


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