ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
二章
第二章~Chapter 2~魔獣
 五限目。
 残る授業はあと一つとなっていた。そんな中気分を晴らそうと、佐々神(ささがみ)は窓の外を眺めていた。佐々神の席からは少し遠いが、それでも十分に眺められる距離である。
 だが、佐々神の気分は晴れることはない。それどころか、さっきより嫌な予感が増していた。「何かが起こる」そんな気がしてならなかった。
 休み時間まで残りわずか五分となった時、廊下から女子生徒らしき悲鳴が聞こえてきた。
「きゃああぁぁあぁぁぁぁぁあああ」
 廊下側の扉に近い数名のクラスメイトは慌てて扉から顔を出して覗いた。
「うあぁあああああ」顔を出して覗いていた男子生徒は、慌てて窓側の方へ走り出した。
 それを見た国語教師が「どうした? 席に着け!」と怒鳴った。だが、全く聞こえてないのか必死で逃げている。
 クラスメイト達は徐々に慌て始め、席に着いているものは数名となっていた。
 逃げていた男子生徒がちょうど教室の真ん中あたりにさしかかると、扉から悲鳴の正体が現れた。
 黒いライオンに紫色の(たてがみ)が生えた生き物……そう、『魔物』だ。扉から現れたそれを見るなり、クラスメイト達は慌てふためき教室中を駆け回った。
 それを見た国語教師は教室から飛び出した。佐々神は教師のその行動に失望したがクラスメイト達はそんなことを考えてる余裕はない。教師に続いて次々と教室を飛び出していった。
「りょ、亮平(りょうへい)君。早く逃げようよ」
 気が付くと佐々神と(あずさ)、二人だけになっていた。
「お前は逃げないのか?」
「亮平君がまだ残ってたし……」
 梓は心配してくれていたらしい。あの教師も見習ってほしものだ。
 佐々神はようやく「嫌な予感」の正体に感ずいた。
「はぁ、ホントこれだけは当たるんだよな」
 自嘲気味に言う。
 梓には聞こえなかったのか、小走りで近づいてくる。気が付くと、『魔物』は一〇体を超える数で迫っていた。
 だが、佐々神は席に着いていた。理由は特にない。ただ、気が付くと『魔物』が大量にいた。それだけだった。
「はぁあ。いつの間に魔獣なんか増えやがって」
 佐々神は『魔物』のことを『魔獣』と呼んだ。梓は気にしていないようだがこれには大きな違いがある。
 そこで、ようやく佐々神は立ち上がった。
「おい。俺の後ろで隠れてろ」
 梓は素直にそれに従った。
 佐々神は隠れたことを確認すると、鞄から黒い光沢のあるビー玉大の石が付いたペンダントのようなものを取り出した。
 佐々神が軽く握りしめる。すると、それは日常生活では決して見ることのないような光量で輝き始めた。徐々にその光は二つの黒い拳銃(ハンドガン)へと変わっていった。その黒い拳銃(ハンドガン)銃把(グリップ)のところに、左の銃には赤の、右の銃には青の丸い宝石のようなものが埋まっていた。その宝石のような物の直径はちょうど五〇〇ミリリットルペットボトルの底くらいの大きさだ。
 佐々神はその二つの拳銃(ハンドガン)を交互に打ち、機関銃(マシンガン)を連射しているかのような速度で打ち始めた。そこから発射される弾丸は普通の弾ではなく、光弾(こうだん)であった。
 佐々神は、次々と現れる魔獣の額に光弾を撃ち込んで消滅させていく。左右同時に魔獣が飛びかかってくるが、眉ひとつ動かさずに的確に額に打ち込む。
 倒してもキリがないと感じた佐々神は、片手で左手に持っていた赤い珠の付いた拳銃(ハンドガン)銃身(バレル)を曲げて、銃把(グリップ)と一直線になるよう棒状に変形させた。
 今度はそれの弾倉(マガジン)の部分を右手に持っていた青い珠の付いた拳銃(ハンドガン)銃身(バレル)に刺した。すると、散弾銃(ショットガン)のような形になった。
 佐々神はそれを構えた。二つの銃が銃が一つになると銃身(バレル)が光り輝き、次の瞬間、大きな銃声と共に光量が増した光弾が魔獣の群れ目がけて発射された。
小説家になろう 勝手にランキング
web拍手


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。