第3章〜夕焼けの刻〜
もういや!!
どうして、遊び道具にこんなこといわれなきゃいけないの!!
私は心の中で叫ぶ。
そのまま早足で歩いてく。
私はまっすぐと家に帰ろうとはしなかった。
そのまま帰りたくはなかった。
どうしてもよって行きたい場所があったのだ。
自然に足が動いていく。
考えることがあると、答えを求めて行ってしまう。
もう答えが帰ってこないことを知っているのに・・・
私は目的の場所を見つけた。
それまで淡々としていた足取りが急に早くなる。
ここは私のたったひとつの安らぎの場所だった。
たどりついた場所は墓だった。
風が吹く。
人がいない静かな場所。
まさに墓というのにふさわしい場所だった。
私はやかんに水を入れて歩いていく。
もう私の目には一点しかむいていなかった。
そこに向かって歩いていく。
今度はゆっくりと、やかんの水がこぼれないように。
前だけを向いて・・・
私は立ち止まった。
無言で石碑の前に座り込む。
やかんの水をかけてから、目を閉じていった。
お母さん・・・
ただ、そう思い今日あったことを話していく。
頭の中には、お母さんの優しい顔が浮かんでいた。
私は立ち上がった。
「またきます。お母さん。」
そうつぶやくと私はまた来た道に帰っていった。
しかしその足は不意に止まった。
私の目線の先には見たことのある背中があった。
その背中は、間違いなく遊び道具の背中だった。
私は遊び道具から陰になっているところに隠れていた。
どうしてだか分からない、自分でも。
体が勝手に動いていったのだ。
不意に遊び道具がしゃべりだす。
楽しそうに。
私はその内容を口にして漠然となった。
話の内容が終わらないうちに走り出す。
その内容は私にとっては信じられないことだった。 |