留守電
200文字小説コンテスト応募作。200文字作品1作目。
ようやく帰った。すぐに眠りたい。
病院に急行した私を置き去って、彼女はどこかへ消えた。突然の事故。
部屋の照明も点けずにソファへ倒れこんだ。
ぐったり横たわると、視界にチカチカ光るものが映る。
一件の留守電が記録されていた。
再生。
「もしもし」
――消えた彼女の声が電話から流れた。膝から崩れる。
「駅前でコロッケ買って帰るね。すきでしょ、あそこの」
君が帰れば、それだけでよかった。
ショウキョ シマスカ ▲スル ▼シナイ
拙作をお読みいただき、ありがとうございました。