第3話
部屋番号 303号室
入居者 岸崎耕太&星村咲妃
そう書いてある表札の前でフリーズしていた二人だったが、今回も先に目覚めたのは耕太だった
「・・・な、なんだこれは」
その声で咲妃となのった少女も現実へと戻ってきた
「・・何で私の名前の隣にあんたの名前が書いてあんのよ」
と耕太へ疑問の声を投げかけるが
「俺だってしらねぇよ、誰だか知らないが余計な装飾までしていきやがって」
「そうだね」
耕太が返事をすると咲妃はその表札を見て少し顔を赤らめてうなずいた
二人の名前が書いてあった表札はご丁寧にもたくさんのハートマークで装飾してあった
まるで新婚の夫婦が住み始める新居のような表札になっていた
「・・・・・・・」
そのとても恥ずかしい表札を前に二人はまた言葉を失ってしまった
なんだか気まずい空気が流れる中、咲妃が口を開いた
「ねぇ、なんかお互い変なことになってるみたいだしとりあえず管理人さんのとこ行ってみない?」
頬を少し赤く染め視線を外しながらのその言葉に耕太は
「そう・・・だな、ここにいてもどうしようもないもんな」
と頷いた、耕太の心の中ではこの状況を何とかしなくてはという感情とあの管理人に会いに行くのは気が引けるという感情がせめぎ合っていたのだがその辺は黙っておく。
二人はエレベーターに乗り込み1階のボタンを押した。
エレベーターの中でも気まずい空気が流れていたがその空気に耐えきれなくなった耕太が口を開いたが
「「あのさ」」
二人の声が重なった
「「あっ」」
「さきにどうぞ」
と耕太が言うが
「ううん、そっちからどうぞ」
と返された、ここは遠慮するといつまでも続きそうだったので、耕太が口を開く
「あのさ・・さっきはゴメン、わざとじゃないから」
耕太の言葉に咲妃も顔を上げ返す
「あっいや、ううん、鍵かけてなかった私が悪かったんだし、私こそ怒鳴ったりしてゴメン」
「いや、あれは俺が全部悪かった」
「そんなことない私が・・」
「いや俺が」
私が・・
俺が・・
いや・・
でも・・
やっぱり・・・
なんて言い合ってるうちに1階につきエレベーターの扉が開いた。
二人は言い合いをやめまたも気まずい雰囲気を漂わせながら管理人さんの部屋へと向かった
1階の一番端にあった管理人室を見つけ耕太はドアの脇に備え付けてあるインターホンを押した
ピンポーン♪
そんなインターホンの音に続いて部屋の中から人が動く音が聞こえドアが開いた
「だれや〜」
と出てきたのは女性だった見た目は20代前半くらいだろうか、Tシャツにホットパンツという何とも露出の高い格好をしているせいでその整ったプロポーションが必要以上に強調されている、スラッとのびた美しくきれいな足に、しまったウエスト、大きくふくらんだ胸元、まるでモデルのような体つきの女性だった、顔もとても綺麗で整った作りをしていて街ですれ違えば思わず振り返ってしまいそうな美人だった、軽く染めているのだろうセミロングの茶髪もその容姿にあっていた。
隣に立っている少女もかなりの美人なのだが、彼女はあくまで「可愛い」であって、大人の魅力を振りまく彼女とは違っていて、耕太は声もなく彼女に見とれてしまった。
ぽけーっと立つ耕太を見て部屋から出てきた女性は眉間にしわを寄せた
「おまえかぁ、来んでええっちゅーたやろぉ」
その関西弁と声でやっとこの女性がこのマンションの監理人だと理解した耕太があわてて口を開く
「いや、挨拶とかじゃなくてちょっと困ったことがありまして・・」
耕太がそういうとその女性は首を傾げて考え込む仕草をした
「困ったこと?なんや?あの部屋になんか問題でもあったんか?」
「いっいえ部屋には何の問題も無かったんですが、あのなぜか彼女と俺の部屋が一緒になってるんですけど・・」
と隣に立っている少女の方を指しながらそういった
その言葉に監理人は疑問の表情を浮かべてさらに首をひねっていた
「それに何の問題があるんや?あんたらは一緒の部屋でええはずやろ?」
その言葉に耕太と咲妃は
「はっ?」
と声をそろえた
その反応に監理人の女性は驚きの表情を浮かべ
「もしかして自分らの親からなにもきかされてないんか?」
と聞いてきたので二人は素直にただ頷いた
「マジかぁ〜、ったくあんのボケども」
女性は「アチャー」といった感じで手を額に当ててそんなことを言っていた
その動作を不思議に思った咲妃が声をかける
「あのぉ〜、一体どうなってるんですか?」
「じつはな・・・」
女性は二人の方に向き直り真剣な顔でこう言った
「あんたらは二人で一緒の部屋にすむことになっとる」
時が止まったような気がした・・・
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