第1話
親父の怪しいつぶやきなど露知らず、耕太が期待に胸を膨らませのんびりとした電車の旅を終え、自分がこれから住む街にたどり着いた頃にはもう日は暮れかけ、きれいな夕焼けが駅のホームから見えていた。
「着いた〜」
駅のホームでこりかたまった肩をまわしながら耕太が言った。
「半日くらい電車の中にいたからな〜、さて確かマンションまでは親父の地図どうりに行けば10分くらいで着くって話だったけど」
鞄のサイドポケットから折り畳まれた紙を取りだし駅を出た。
〜10分後〜
耕太は10階建ての真新しいマンションの前に立っていた。
親父の地図がメチャクチャで道に迷って美少女に助けてもらったり、曲がり角で勝気な女の子とぶつかって言い争うこともなく、本当に何もなく目的地に到着した・・・・べつに期待していたわけじゃないないけどさ、ちょっとくらい夢見てもいいじゃない!!
「さて、まずは管理人さんに挨拶かな?」
耕太は身なりを正しマンションに足を踏み入れると入ってすぐのオートロックから管理人室の番号を探しインターホンを鳴らした、すると・・
「なんじゃいっワレェ!!」
ヤクザまがいな返事が返ってきた
「・・・・・・・・・・」
あまりのことにしばし絶句
しかしそんなことをしている間にもインターホンからは
「オウ、何かしゃべらんかコラァ!いたずらかぁオイ、いたずらならゆるさへんでぇ!そこで待っとれクソガキィ!」
とかいう物騒な言葉が聞こえていた
その言葉で我に返った耕太がインターホンに向かって必死で話す
「・・・っあの、今日ここに越してくることになってた岸崎です」
その言葉を聞いてインターホンが沈黙する
あれ俺なんか変なこといったかな?
耕太が不安を感じ始めた頃にやっと向こうから声が聞こえた
「・・・・・・あぁ、岸崎のかいな」
落ち着いて聞くとその声は女性のように聞こえた
「はっはい、今日からお世話になります!」
耕太は先ほどのことを思ってインターホンの前で頭まで下げて挨拶をした
「挨拶はいらん、あんたの部屋は303号室や、鍵は部屋に置いてあるさかい早くいきいや」
先ほどまでの感じとうってかわったような落ち着いた雰囲気で話す彼女に耕太もいくらか緊張を解いて挨拶をする
「はい、ありがとうございます、今日からよろしくお願いします、あっあとでそちらにちゃんと挨拶にいきますので・・・」
「挨拶はいらん言うたやろこのボケ!さっさといけ!」
その言葉に耕太は泣きそうになりながらダッシュで部屋へと向かった後ろからは
「絶対くるんやないで〜!」
という声が聞こえていた
三階までの階段を一気に駆け上り息をついた
「ふぅ〜何だったんだあの管理人」
耕太は管理人に言われた303号室の前まで歩きドアノブに手をかけた
「俺こんなところでほんとにやっていけるのかなぁ、いやだめだ俺はこっちで頑張るんだ、いやでも・・・」
とか何とか言いながらドアをあけ、中に入った
「おぉ、親父の言ってた通りいい部屋じゃ・・・・・」
耕太の言葉と動きはそこでフリーズした
なぜかって?
そりゃあ自分の部屋であるはずの場所に裸の美少女がいたら誰だってフリーズするさ!
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