プロローグ
「ジリリリリリリリリリリリリリ〜!」
と、今時珍しいベル型の目覚まし時計のけたたましい音で
「俺」こと「岸崎耕太」(きしざき こうた)は目を覚ました
「んぁ・・朝か」
目をこすりながら立ち上がり服を着替え始める
着替えながら自分の部屋を見回すとそこは昨日までおいてあったタンスや机、コンポやなんかの家具がいっさい無い、それを見てあらためて自分が今日この家を出ることを実感する。
俺は今年からこの町から離れたところにある吉野浦高校にむこうで一人暮らしをしながら通うことになっている、荷物はもう向こうに送ってあるためここにはもうほとんど何も残っていない。
コンコン
俺がそんなことを考えながら着替えをすませ、残った服なんかを鞄に詰め込んでいる時に部屋の扉がノックされ親父が部屋に入ってきた。
親父は35歳で会社の部長を任されるほどの腕利きで年収にして会社員の平均収入の軽く3倍は稼いでいる、母さんは5年前に他界してしまっているのだが、まぁその辺の話はまた後ほどに。
「準備はできているな、そろそろ行くぞ」
「あぁ、分かった」
親父の言葉に俺はそう答え鞄をとって立ち上がった。
駅に向かう親父の車の中で親父から向こうの話を聞きながら俺は柄にもなくワクワクしていた、何しろ一人暮らしだそれに親父によるとこれから俺が住むところは一昨年作られたばかりのまだ新しいマンションでバス、トイレ付きの3LDKというすばらしい部屋だそうだ、これで期待せずにいられようか。
そんな風に期待に胸を膨らませていると駅に着いた。
「じゃあ、親父元気でな〜」
と軽く言ってみると
「あぁおまえも元気でな、風邪とかひかないようにしろよ、ちゃんと野菜とかもたべるんだぞ」
いかにも親らしい言葉が返ってきた
「子供じゃないんだから・・・・じゃあそろそろ行くかな」
鞄を持ち列車にむかう
「寂しくなったら帰ってきてもいいんだからな〜」
なんて親父が言って手を振っていたのでこちらも手を振りかえしながら「ハイハイ」と軽く言って列車に乗り込んだ、ちょうどその時アナウンスが鳴り響き列車が動き出した。
「まぁ・・・寂しいなんてことはあり得ないけどな」
と電車の去ったホームで父が意味深なことを呟いていたことを耕太は知る由もなかった
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