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・・・・・・四人目?
o 女の子とご主人様と神狩りと
 CC. 四人目
「よし、ゴミハゲ」

「……貴様」



豪華な造りの部屋。その中央には無駄に偉そうに腕を組んだ男が一人堂々と。そしてその向かいにはこれまた豪華なイスに座った、額に青筋立てたハゲオヤジ(断定)が。

お互い向かい合っていた。



男を連行してきたはずの少女は、男の発言を聞くなり口元を押さえて打つ無ている最中である。当然、笑いをこらえている。



「先ずはお前の感想だ。ヒトとして終わっている、諦めろ」

「……おい、この男は何だ、ヤシュハ」



「ぷっ……――は、いえ。言われた通りに性犯罪者を連行してきただけですが!」



「ああ、あの例の……それがこの男か?」

「黙れ、ゴミクズ。耳が腐る」

「……おい、ヤシュハ! その男の口を閉じさせろッ!!」

「むしろ貴様が閉じろ、息が臭いぞ、ゴミハゲ」

「な、……く、……この、……!!」



ハゲオヤジ(断定)が顔を真っ赤にさせて何か言おうとするが、余りの怒りの為か声がでないようだった。

ちなみに少女、ヤシュハはそっぽを向いて……必死に笑いをこらえている最中である。



「そしてさらに言おう。お前みたいなのがこの子みたいな可愛い子の上司とか、世界的に間違ってる。むしろ俺に寄こせ」

「……な、成程。た、確かにこの男ッ、男はッ!! 件の犯罪者の様だな」

「何を言うか。お前の方が生きてる犯罪者だと俺は思うぞ」



「――ぷ」



「ヤシュハ!! 何が可笑しいッ!?」

「怒鳴り散らして見苦しい。そんななりだから攻めて仕事は出来るんだろうと一抹の期待を抱いてやった事もなかったが、その程度の沸点しか持ってない様じゃそこが知れるな、おい」

「……貴様も、先程から随分と舐めきった口を聞いてくれるな」

「お前も怒っているようだが、俺も怒っていると言うのを忘れるな。アルアとの貴重な一時を邪魔されて、俺は相当おかんむりだぞ?」

「そんなことは知るかっ!!」

「――何だとっ、このハゲオヤジッ!! アルアの可愛さを知らないとか、既に罪だぞ、罪!!」

「だっ、誰がハゲオヤジだこの若造がッ!! 貴様だって俺くらいの年になれば、」

「……ハッ」

「いっ……一々態度のムカつく若造めッ!!」

「若造はどっちだ。俺が世間の厳しさと言うモノを毛根の髄まで叩き込んでやろうか?」

「おまっ、――お前に分かってたまるかッ、妻から、子供から俺がどんな目で見られているのかッ!! 貴様なんかに『お父さん、臭い』と言われた俺の気持ちが分かるかぁぁぁぁ!!!!」

「――」

「妻からは冷たい目で見られ、娘からはさげずまれ、これでも俺は家族の為に一生懸命働いているんだぞっ、いるんだぞッ!!」

「……よし、前言を撤回しよう。マイ、フレンド」

「……なん、だと。何を今更……」

「ふっ、野郎なんて知るか、とか思った時期もありました。ええ、ありましたとも。だが苦しんでいる同志を見捨ている程俺は非常なヤツではないのだっ」

「ど、同志……だと?」

「うんうん、分かる、分かるよ、その気持ちー。何もしてないのに周りが俺の事を冷たい目で見るとか、まるでゴミみたいな目で見るとか、視界に入れるのもイヤそうにするとかさっ」

「――!!」



目を見開いてハゲオヤジ(断定?)が椅子から立ち上がる。お腹がぽよんっ、と揺れた。


「マイ・フレンド!」

「貴様っ、性犯罪者と言うからどんな卑劣漢かと思えば、中々話が分かっていそうな好青年ではないかっ!」

「いや、おっさん――同志も話が分かりそうじゃないか。いや、お互い辛い人生送ってきたんだなっ、言わずとも分かってるさっ!」

「何を言うっ。お前の方こそ、歩んできた道のりの辛さがその身からにじみ出ているようだぞっ」

「ふっ、よせやい。照れるじゃねえか」

「謙遜するな。うむ、その様子だと性犯罪と言うのもどうせ冤罪か何かなのだろう? いや、言わずとも分かっているとも、同志よ」

「分かってくれるか!」

「その辛さ、分かるともっ!!」



固い握手を交わす男と男――



「え、何、コレ?」



……と、そのすぐ傍で展開に憑いていけていない少女が一人。



「いや、ハハハ、近年にしては中々見所がありそうな若者ではないかっ」

「なになに、同志の方こそ、中々ミドルなおっさんしてるぜっ」

「いや、俺はこれでも自分の身なりは十分心得ているつもりだ。世辞は止せ」

「世辞じゃないとも。男ってのは心だ、魂だ、外見じゃないんだぜ? それが女には分からないんだ」

「――!! そうだな、その通りだ、男は外見じゃない、その魂の在り方だ! ハハハ、やはりお前、中々分かっているじゃないか!!」

「そんな事、あるぜ!」





何か肩を抱き合って意気投合しているっぽい二人の男を眺めていて……ヤシュハはふと、とあることを思い出した。



「ぁ、そう言えば……ちょっと良いですか、ハゲ」



「「ハゲって言うな!!」」



何故か関係ない男の方も声をそろえて、声を上げ――、当然それに着いていけていないヤシュハは全開で引きながら、思い出した事を口にした。




「いや、思い出したんだけど」

「思い出した? 何をだ?」

「いや、うん。そう言えばコッコが昨日、御店先で口説かれてて……口説いてたのがその男だったような気が……何となく思い出したんだけど」

「――ナニ?」



「ん? コッコって言うと、ああ、あのカフェで働いてるコッコの事? ふっ、そんなことも、」



男がハゲオヤジ(?)の肩を抱きながら、朗らかに思い出話をしようと、





「――きぃぃぃぃぃぃさっまぁぁぁぁぁぁぁぁ、娘をっ、娘をどうする気だッ、この性犯罪者がッ!!」



「な、急に何をする、マイフレンド!?」

「誰がマイフレンドだっ、同志だ、勝手に頭にウジでもわかしていろ、この性犯罪者風情がっ、貴様なんぞに、貴様なんぞにコッコはは渡さんぞッ!!!!」



「や、ちょ、待、おち、少し落ち着――」

実に簡単に同志の間に亀裂が入りました。






「だから、コレ、何なの?」



やはり目の前の展開に憑いていけていない、ヤシュハだった。


何故だろう? 何でいつの間にオヤジさんとの語りあいの場に?
不思議な事もあるモノです。


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