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ちょっと休憩

o メイドさんとご主人様
7. どれいとおひるね
「……(こくり、こくり)」


「はははっ、お腹がいっぱいになったら眠くなったか。……でもな、」


「……(こくり、こくり、ぱたん)」


「何でどうして俺じゃなくってサリアの肩を借りて寝てますかっ!?レアリアならまだ分かるよ?不満はありまくりだけど、分かるよ??でもね、会って早々のサリアの方が俺より懐かれてるって、これどうよっ!?」


「ふふっ、アルちゃん可愛いね」


「でしょ?…それとあんた、ちょっとうるさいわよ。アルが起きるじゃない」


「な、なんですかこの差別化は?」


「別に差別じゃないわよ。それに何か言うべきことがあるならアルに直接問いただしたら?もっとも出来たら、の話だけどね」


「ぐ、ぐ、ぐぅ…」


「まあまあ。レム兄もいじけないの。そんな過敏に反応してるからアルちゃんもきっと怖がってるんだよ」


「そ、そうか?そうなのか??」


「うん。たぶん、だけど…」


「なら俺がもっとクールに、冷静冷徹に接すれば全て上手くいくのか?」


「「……」」


「二人とも、お願いですから何か言って下さいよ!?」


「……ごめん、レム兄」


「レム、少しは現実を見ましょう。貴方には無理だわ」


「ぉ、お前たちは間違っている!絶対、俺を見る目が正しくないっ!」


「…だからもう少し静かにしなさいって。本当にアルが起きちゃうじゃない」


「す、済まん」


「…で、こうしてひとつ落ち着いたところで詳しい話を聞きましょうか」


「詳しい話?」


「サリアとの関係よ。ちっちゃい頃にちょっと遊んだって言うけど、ほら、馴れ初めとかあるじゃない?」


「えっと、その…言っちゃっていいのかな、レム兄?」


「ああ、いいぞ」


「うん。あ、でも私もレアリアさんとレム兄がであった経緯とか知りたいかな?」


「…まぁ、気は進まないけど、いいわよ」


「?」


「………しかし二人とも」


「「な、何?」」


「俺の関係が気になる、…それはズバリ嫉妬だなっ!!」


「「……」」


「な、何か言って下さい?」


「「それはないから」」


「………ぐすっ」




「で、私とレム兄の会った時の事ですよね?」


「ええ、そうよ」


「本当に、あれは忘れもしませんよ。レム兄ってば空から降ってきたんですよ。信じられます?」


「――は?…空から?」


「はい。空からひゅー……ぐしゃ、ですよ」


「ぐ、ぐしゃって…」


「あれは絶対にトラウマになりますって。私その頃本当に小さな子供だったんでから。私が今だに真っ赤なラクトマが食べられないのってあれのせいだと思うんですよ。すっぱいとか、味が嫌いとか、そんなのじゃないんですよ!!」


「そ、そうね」


「…と、済みません。ちょっと脱線しちゃいました」


「いや、別にいいけど、いまいち信じられないって言うか、現実味がないと言うか…」


「ですよね?私だって自分で喋っててそう思いますもん。でも当時の事、そうですね――」




◇◆◇




「うーん、今日は何して遊ぼうかなー……て、あれ?何だろ、落ちて――」


「あああああああああああああああああああがべしっ!?」


「……」


「――」


「……」


「――」


「…うぇっ」


「――…さ、流石に死ぬかと思った。あのやろ、何の前触れもなく突き落としやがって……、…、あ、いや、前触れはあった、のか?」


「ひ、ひ、ひ、」


「…ん?おぉ、ヒトがいたか。悪い、驚かせたか?」


「ひゃわふあひぇあ?!>☆<!?abzea−−」


「お、おい…?」


「…きゅぅ」


「……き、気を失わせてしまった。そりゃ、空から人が落ちてきて、終いにはぐしゃってなれば気絶の一つや二つ、するよな。…うわ、俺ってば血まみれじゃないか」


「――」


「おーい、大丈夫か?…って、大丈夫なわけないか。しかし、……こんな時に限って周りに人がいねぇ。仕方ない、俺が看るか」




◇◆◇




「と、言う事があってな。んで、見知らぬ男に介抱されて目を覚ましたサリアは瞬く間にその男に惚れこんでしまい、幾年も涙で枕を濡らしたって訳だ」


「いきなり割り込んで来るんじゃないわよ」


「う〜ん、レム兄の言う事、確かに部分的に間違ってないところもあるけど…」


「つまりは幾年も涙で枕をぬらしていた、と」


「「いや、それはないから」」


「……、少しくらい、夢を見たっていいじゃない」


「確かにレム兄が気絶した私を介抱してくれたけど…私が目を覚ましたと同時に今度はレム兄が倒れちゃって。結局、私が気絶してたのは半日ほどだったけど、私はレム兄の看病を半月ほどしてたんだよ?」


「なんだ、結局そんなオチなんじゃない」


「オチ言うな。それとサリアも、微妙に過去を改ざんしてるじゃない。俺はサーシャ――お前の母親に看病された覚えはあるけどお前の看病を受けた記憶はないんだけどなぁ?つか、粥ひっくり返したり炭食わせようとしてきたり、しまいには熱湯を頭からぶっかけられたりしたはずだけどな、怪我人であった俺にっ」


「…あはは、あの時は私だって真剣だったんだよ。レム兄が死んじゃったらどうしようって」


「の、わりにその所為で完治が遅れたけどな」


「でもその分レム兄は私と仲良くなれたんだから結果オーライだよ。…だよ?」


「まあそう言う事にして置いてやろう」


「流石レム兄。やっさしー」


「ふふふ、そうだろそうだろ。惚れてしまいそうだろ?」


「流石レム兄。…その妄想癖、直した方がいいよ?」


「…嗚呼、ソウダネ」


「ふーん、なるほど。そんな事があったのね。大体理解したわ。サリアが実はドジっ子だった事とか、サリアとこいつの力関係とか」


「当然、俺の方が――」


「それでレアリアさんはレム兄とどんな関係なんですか?」


「あー、こいつと私の関係?」


「そうです。私とレム兄との馴れ初めを離したんですから、レアリアさんも教えてくれますよねっ?」


「な、なんでそんなに乗り気なのか知らないけど……こいつとの馴れ初め、ねぇ…?」


「ふふっ、サリア、聞いて驚け。山賊に襲われていた所を颯爽と助けた俺の雄姿にレアリアが惚れこんでだな、今では主人と奴隷の関係だ」


「…そっか。レム兄、遂に奴隷になっちゃんたんだね」


「違うわ。それと遂にって、遂にって何だっ。奴隷はこいつだ、レアリアだ。そして俺が当然ご主人様だ」


「それでレアリアさん、本当のところは?」


「俺の事まるで信用してない!?」


「一応、山賊に襲われてたところを助けてもらったのは本当ね。それと忌々しい事に私がこいつの奴隷って事も本当だわ」


「…レム兄、遂に犯罪者になっちゃったんだね」


「お前はっ…サリア、俺の事をいったいどんな目で見てるんだ?」


「え?だって、これ」


「何だ、この紙?…結構古いな」


「……五年以上前のものだからね。手配書だよ」


「手配書?」


「えー何々、『この者、幼女誘拐の疑いがある者也。十分に注意されたし』…あんたの手配書じゃない。それも賞金が……子供のお小遣い程度もついてないわね。逆にこの低さの賞金がかかってる事自体が驚きだわ」


「うがー、冤罪だぁ!!!」


「「煩い。アル(ちゃん)が起きちゃうでしょっ」」


「……世間が冷たい」


「いつもの事でしょ」


「いつもの事だよね?」


「………、あぁ、アル。お前だけだよ。俺に優しくしてくれるのは」


「……(ぱちっ)」


「あ、アル。起しちゃった?」


「……」


「アルちゃん?」


「……(ふらぁ…)」


ゴツッ


「うごっ!?ア、アル、どうしてだ…?」


「決まったわね」


「うん、見事にレム兄のお腹に頭突きが決まったね」


「……」


「って、あら、また寝てる。やっぱりまだ眠かったのね」


「うぅ、アルまで。世界に、優しさはないのか…?」


「…レム兄」


「…さ、サリア」


「でもこれっていつもの事だよね?」


「世界に俺に対する優しさはない!!」


「煩いのよっ、またアルが起きるでしょ」




「…済みません」



レムくんとサリアさんの出逢いでした。
ちなみにレムを突き落としたのは当然、あの人です。
他意はございません。


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