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今回はちょっぴりシリアス
o メイドさんとご主人様
ど-60. 『燎原』の――……



「旦那様、山脈にぶつかりました」


「随分と唐突な報告だな。で、詳細は?」


「連絡が遅れた事、申し訳ございません。詳細ですが詳しいところは未だ。判っているのは衝突したのがカティルト山脈の頂であり、また衝突による被害は軽微であると言う程度でございます」


「被害は少ないのか。ならよかった。…で、お前はどう見る?」


「どう、とは山脈に衝突した理由でしょうか?それとも衝突するまで気付けなかった理由でしょうか?」


「そうだな、正直どっちでもいいんだが…」


「ではまずは根本的原因、気付けなかった理由の方から、私的な推測ではありますが宜しいですか?」


「ああ」


「私が見たところ方向、経緯共に昨日まで問題は御座いませんでしたし、本日中の業務も滞りなく行われていたと思われます」


「取った経路なんかの不備ではない、つまりは気づかなかったんじゃなくて気付けなかった、と?」


「はい。山脈の存在は予てより判明しておりましたので、外れる経路は取っておりました。それは昨日の時点で既に私自身が確認を行っておりますので間違いございません」


「お前の勘違いと言う線は?」


「ありません」


「そうか。…ならお前は誰かが意図的にこの館を山脈にぶつけた、と。そう言いたいわけだな?」


「遺憾ながらそのように考えられます」


「なら誰が何の目的でって事になるんだが……ふんっ、これは言うまでもないか」


「旦那様のご推測の通りかと」


「お前ならこの後どう出る?」


「単独ならば既に潜入済み、組織であっても既に一部が先行し潜入、のちに陽動を行い本体が潜入、と言ったところでしょうか。真正面からの進攻はこの館の総力を考えればあり得ません。そして私がいる限り、人質を取ることの無意味さも理解している事でしょう」


「だな。と、言う事は非常に癪だが素直に待つのが得策ってわけか。どうせ目的は俺だろうしな」


「通常であれば」


「ほぉ、て事は何か策があるのか?」


「いいえ。ですが現時点で大変不快です。総員に一時避難命令を出し、即刻炙り出し駆逐する事の許可を願い出たいと思います」


「…まぁ、俺に否はないな。第一、こうして俺の領土に土足で踏み入れている事自体――てめぇは何様のつもりだ」


「全く以て、その通りですね。――『燎原』」



続く。


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