ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。

…珍しく、

o メイドさんとご主人様
ど-58. 甘いものって何ですか?

「あー」


「旦那様、珍しくご機嫌なご様子ですが何かございましたか?」


「いや、特に何もないんだが、平和っていいなーって満喫中だ」


「そうですか。最近は地上の方での争いも鳴りを潜めておりますし、何より平和な事は確かに喜ばしい事でございますね。……それで旦那様、本音はどのような事でございましょうか?」


「待て、お前は俺を疑ってかかるのか?」


「疑うなど、とんでもございません。私はたただ単に真実を申し上げただけでございます。確かに平和は喜ばしい事ではありますが、今の旦那様のお浮かべになられている表情はそのような理由によるものではないと看破したまでの事です。それで旦那様、その理由を私に言うと何か不都合な事でもあるのでしょうか?」


「……いや、ないない。そもそも看破って俺はもともと平和を――」


「旦那様?」


「済みません嘘吐いてました許して下さいお願いします」


「旦那様がそう仰られるでしたら。そもそも私は怒ってなどおりませんし許すもないもありません。旦那様が虚言をお吐きになられるのは常々の事ですので、一つ一つを気にしているわけにはいかないのです」


「……俺、いつ嘘なんて吐いてたっけ?」


「常々、と申し上げました。それで旦那様、話題転化も宜しいですが、そろそろ本当の理由をお話いだたけませんでしょうか?」


「…実は、だな――」


「ちなみにそこで不必要な溜めは要りません。ですので――さっさと吐きなさい」


「ちょっと前にシャルアが試作のお菓子を届けてくれましたそれだけです!!」


「…それだけですか。特に旦那様が意味もなく隠ぺいする必要もない事だと思われますが、何ゆえ無駄な努力をなさっていたのかをお訊ねしても宜しいでしょうか?」


「…へ?怒らないのか?」


「何故私がそのような事で怒らねばならないのでしょう?それにシャルア様が試作用の菓子を旦那様にお届けになられた件は既に聞き及んでいた事でもございますし」


「なんだ。びくびくしてて損したじゃないか」


「私としては何故旦那様がそこまで懼れておられたのか分からないのですが?」


「いや、お前って結構そう言う事に厳しいじゃないか。……それに甘いもの好きだし。後でネチネチ責めてくるしさ」


「旦那様?」


「いや何でもない。それよりも怒ってないならそれでいいんだ。ああ、それでいい」


「そうですか。……それで旦那様、シャルア様の試作用の菓子のお味はいかがでしたか?」


「ん、ああ。美味かったぞ。でも見た事ないやつだったな。あれってシャルアの自作か?今度聞いてみるか」


「いえ、その必要は御座いません。そうですね、あれは確かにシャルア様のご自作なさったものでございます」


「って、どうしてそれをお前が知ってるんだよ?」


「いえ、ですので先ほどからシャルア様の試作なされた菓子、と私は申し上げておりますでしょう。それならば試作でなはない菓子は一体どうなったのか、とは旦那様はお考えになられませんか?」


「……」


「……」


「…お前かっ!?」


「はい。いったい何の事でございましょうか、旦那様?」


「とぼけるなっ。お前か、やっぱりお前のなのかっ!?折角、お菓子を作って貰えて、『ようやく俺の魅力に気づいてきたな、ふっ』と一人で感慨に耽っていた俺はならどうなるんだよ!!!」


「お一人で?悦に浸ってらっしゃったので?」


「ぁ、しま…」


「――旦那様」


「………な、何でしょう?」


「お悔やみ申し上げます」


「いらねぇよ!!しかもその余裕ぶった態度がムカつくな、おい!!」


「勝者の微笑み、とでも敢えて申し上げておきましょうか」


「ぐわあああああああ、ム・カ・つ・く〜っ!!!!」


「それでは旦那様、微笑ましいご耽もほどほどにして置かれるのが宜しいかと。現実と妄想とで判断がおつきになれらない旦那様には少々難しい課題かとは存じ上げますが」


「うがぁぁぁぁぁぁ。出てけっ!!くそっ、くそっ、くそ〜〜!!!」


「はい、では私はこれにて失礼させていただきます、旦那様。…………しかし、シャルア様にも困ったものですね。試作、などと嘘をお吐きになられるなど。そのような嘘を吐くくらいならば私と共作したと、素直に申し上げれば宜しいものを」



本日の一口メモ〜

人物紹介
シャルア
料理部の女の子。レムの事は結構慕っている!?らしい???

何故か久しぶりに人物紹介。今までに新しい登場人物がいたような気も…いやいや気のせいですネ?

旦那様の今日の格言
「確認は怠るな」

メイドさんの今日の戯言
「独りよがりの旦那様は非常にお恥ずかしかったご様子」

かうんとだぅん〜…忘れてた
・・・2


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。