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時間差攻撃。
o メイドさんとご主人様
ど-39. 進歩



「ぐすっ」


「旦那様、いかがなされたのですか?」


「いや、な。飯がうまいなと思って」


「それは…」


「なんだ、その意味ありげな沈黙は。気になるじゃないか」


「いえ。別段、旦那様のお耳に入れるような大した事ではありませんので」


「そうか?お前が言い渋る時って大抵手遅れの場合だからなぁ…」


「……あー」


「だからなんだよ、その意味深な態度は。…と、それにしても今日はファイが食事当番じゃないんだな」


「…どういう意味でしょう?」


「いや、見栄えだって普通だったし、味だって悪くない。久しぶりにまともな飯が食え――」


「旦那様?」


「い、一応、聞く。これ、誰、作った?」


「ファイ様です。それにしても安心いたしました」


「なにが、だ…?」


「いえ、旦那様の味覚が本格的に駄目になってきたのではないかと危惧していたのですが、どうやらその心配は無用のようでした。申し訳ありません、次回以降は万全を期すべく旦那様にお召し上がりいただく前に私が責任を持って味見をさせていただく事とします」


「……」


「旦那様?」


「ぐぼっ!?」


「旦那様、大丈夫…ではなさそうですが、まあいつもの事ですね」


「じ、時間差攻撃かよ」


「では、お膳は引き取らせていただきます」


「言う事、それだけ、かっ」


「それでは旦那様、くれぐれも遅れを出さないよう、不貞寝などせずにしっかりと仕事に励んでいただくようお願いいたします」


「…」


「旦那様?…返事がありませんね。では、私の方もやらなければいけない事がありますので、これにて失礼させていただきます………と、そのままではお風邪をひかれます故、どうかご自愛を。毛布です」


「――」
本日の一口メモ〜

進歩します。永遠に進歩し続けます。そして旦那様の平穏は訪れません(笑)。

旦那様の今日の格言
「見た目が全てじゃない、大切なのは中身だ」

メイドさんの今日の戯言
「そしてころりと騙される」



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