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故郷が恋しいよぅ。

【人物紹介?】
シャルマーサ・・・料理部長。珍味を使った料理や創作料理が好き。料理狂とも言う。(ど-79で名前だけ、一度出た)
キリル・・・料理部副部長。ツィートルに目がない娘っ子らしい。

ツィートル・・・イカっぽい生物。
o メイドさん vs ご主人様
ど-353. さて、帰ろうか
「んー……、なあ?」


「はい、如何いたしましたか、旦那様」


「いや、そう言えば館の方が放りっぱなしだったなーとかって思ってな。久しぶりに戻って、奴隷たちの顔でも見てくるか」


「奴隷、ではなく“隷属の刻印”を刻まれた方々、で御座います。くれぐれもお間違えのないよう、旦那様」


「お前も大概しつこいなー」


「旦那様の方こそ、果していつになれば正しく仰ってくださるのですか?」


「いや、だって奴隷は奴隷だろう? それを態々“隷属の刻印”の~、なんて凝った言い方しなくてもいいだろ」


「ですが事実は事実です」


「つーか、事実って言ったら世間的には奴隷って身分の方が認められてるんだから、そっちの方が正しいだろ?」


「……嘆かわしいとは正にこの事ではありませんか」


「そこまで嘆かれる事でもなぁ……」


「しかし旦那様、館の方へ戻るのは良いお考えと思います。旦那様にしては非常に珍しく、恐らく明日は大量の槍が天より降ってくると言う奇天烈な天気が原因で大量の死者もしくは怪我人が出てしまうという大惨事になってしまうのは悲しい事では御座いますが」


「いや、普通に降らないだろ、槍とか」


「以前、旦那様が素晴らしい事を仰った際には天から大量のツィートルが降ってきて大惨事になりました」


「……あぁ、そう言えばそんな事もあったよな。あれは酷かった」


「はい。流石海の悪魔と呼ばれているだけの事はあり、皆さまが酷くパニックになられてしまい、私も危うく下剋上をなしてしまう所でした」


「ソレは絶対ワザとだろ、お前」


「取り敢えず私も混乱しておりました、と嘘をついて旦那様の疑惑を避けておく事に致します」


「つまりお前があの時、『旦那様危ないっ』とかほざいて、何か密集してたツィートルの群れの中に俺を突きとばしやがったのはやっぱりワザとだった、と言う訳だな?」


「そうなります」


「はははっ、あの時はシャルマーサとかキリルとかが目の色変えて凄い事になってたからな。『乱獲じゃー!!!』とか性格まで変わってたし」


「ツィートルは珍しい食材で御座いますし、キリル様は旦那様に続きましてツィートルがお好きですからね」


「その俺に続いて、って言うのが俺がツィートルを好きなのか、キリルが俺の事を好きなのか、どっちなのか判断に迷うな」


「そこは旦那様の御想像にお任せします」


「なら、キリルは俺の事が一番大好きで、ツィートルも好物って事にしておこう、うん」


「食物と同列ですか、流石は旦那様」


「……いや、一応俺の方が上な。たぶん、だけど」


「どちらにしろ大差は御座いませんが」


「良いんだよ、細かいところは曖昧で」


「それで旦那様がご納得されているのであれば、私が言う事は御座いませんが」


「って、そう言えばあの『ツィートル事件』の事、つい曖昧なままで済ませてたけど……お前の所為で俺があのあとどれだけ酷い目にあった事かっ!!」


「ツィートル独特の臭いが染みついて皆様方にしばらく避けられておりましたね?」


「……あの、俺を見るなり全員が鼻を押さえて避けてくんだぜ? 思い出しただけでも胸が痛くなってくるぜ」


「ちなみにあの時私が旦那様を避けていたのは旦那様を影から見守るのが楽しかったからと言う他には特に取り立てた理由は御座いません」


「そうかぁ、なーにかお前にも避けられてるな、とかってあの時はすっげぇ虚しくなってたりした訳だが、そんな愉快な理由があったわけか」


「はい。あの時の旦那様は思わず駆けつけて抱きしめたくなってしまうほどに素晴らしいお姿で御座いました」


「……出来るならその抱きつくとかを、思うだけじゃなくてあの時実行して欲しかったけどな。……何か一人ぼっちで寂しかったし」


「では次の機会にはそういたしましょう」


「ゃ、次の機会とかは本気で要らないから。つかあんなこと二度もあって堪るか」


「あの原因はスヘミア様のペットのミドガルドが酔っ払って大暴れしたことによる竜巻が原因でしたね、確か」


「ああ。んで、スヘミアの奴にはもう絶対にミーちゃんには酒を飲ませるなって厳命してあるから大丈夫なはずだ」


「……折角食費が浮きましたのに」


「食費よりも深刻な問題だったんだよっ!」


「そうですね。確かに旦那様にとっては……夢はハーレムなどと妄言なさっている旦那様が、姿を見かけるなり女性たちから避けられる様は実に見事な光景に御座いました。……旦那様、実は狙っているのではありませんか?」


「狙ってねぇよ!? つかその原因はお前のせいだってついさっき言っただろうがっ!!」


「いえ。臭いが取れるまで部屋に閉じこもっていればよいモノを、態々出歩いておられたので、きゃーきゃーと女性たちに避けられるのを楽しんでおられるのかと」


「そう言う事はもっと早く指摘しようねっ!? ……今さら遅すぎるが」


「これは申し訳ございません。私とした事が、当然承知しておりましたとも」


「だろうね、お前の事だからそうなんだろうな」


「はい」


「……ま、過ぎた事にあれこれいっても仕方ない訳だ。今は先だけを見て話を進めよう」


「無駄に前向きなのも考えものだとは思いませんか、旦那様?」


「無駄に前向きだったらな。ちなみに俺の場合は無駄ってわけじゃないからな?」


「そうで御座いますね。私も別段、旦那様の事を申し上げていたわけでは御座いませんので余り深読みなさいませぬよう」


「ああ、分かってる」


「なら、よかったです」


「……んじゃ、久々にあいつらの顔と、ついでに仕事具合も見に館の方に帰るとするか」


「はい。――旦那様も、溜まっている仕事をこなしましょうね?」


「……あれ? いや、俺はちゃんと自分の分はしてた、だろ?」


「いえ、あれと館にたまっている作業とは全く別物なので、実に愉快なほどに旦那様のお仕事が溜まっている事でしょう」


「……やっぱり行くの止めようかなー、俺」


「さて、では参ると致しましょうか、旦那様っ」


「いや、ちょ、もう少し考えるから俺は、って、引っ張るな、このっ、てめ、何が楽しいかこのヤロ――!」




「――皆様、旦那様の御帰りを心よりお待ちしているのですよ。ですので、一刻も早く皆様に旦那様をお見せしなければ……私だけが卑怯すぎるではありませんか」
と、言う訳で久しぶりに館の住人で新しい女の子の名前を出してみた。理由とかはありませんけど。気がついたら出てただけです。


あの娘に聞く!~あなたにとってのレム君は?~
-一人目【アメリアの場合】-
「……レム? んー、掴みどころのない女誑しのバカ、かしらね。好きか嫌いかと言われればそれは好きだけど、恋してるかって? ――それはないわね、絶対」

補足:『アメリア・ヒン・アトラビ』元王女様。登場話、ど-14とかそのあたり。


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