harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜(33/151)縦書き表示RDF



敵は殿中にあり!…別に電柱でも構わない。

harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜
作:nyao



ACT XX. スヘミア-2


「さて、と」


お姉ちゃんはどこにいるのかな〜?


「お久しぶりで御座います、スヘミア様」


「………」


「スヘミア様、如何なされましたか?」


「っ!?」


戦線離脱っ、戦略的撤退!!


「遅いですね」


「“点睛”!!」


――イエス、マスター


「っ、…今のは点睛の力、ですか。命令系統への割り込みとは相変わらず厄介な力ですね」


「それを一分の隙もなくキャンセルして初めから何事もなかった様にしてるお姉ちゃんの方が何倍も厄介だよっ!!」


――申し訳ありません、マスター


「ゃ、別に“点睛”の所為じゃないよ。あれはお姉ちゃんがちょっとばかり異常なのっ」


ああ、もう、それにしても折角お姉ちゃんをびっくりさせようと思って探してたのに…どうしてわたしよりも先にお姉ちゃんが私を見付けられちゃうのかな?


しかもわたしの方がびっくりさせられちゃうし〜


「私が異常ですか?異な事を仰られます。スヘミア様の方が余程特異な方だと思われますが。それと改めましてスヘミア様、お久しぶりで御座います。お体の具合は如何でしょうか?」


「むっ、むぅ〜、何それお姉ちゃん、その言い方じゃわたしがまるでお婆ちゃんみたいじゃないっ」


「通常の方々よりはお年を召していらっしゃる事は確かではないでしょうか?それとスヘミア様、これで三度目になりますが、お久しぶりで御座います。久しく見ないうちに礼儀をお忘れされてしまいましたか?」


「っ!!」


――マ、マスター…


点睛が震えてる、てかその気持ち分かるよ、うん。いや、今晒されてるのは私なんだけどねっ


「ひっ、久しぶりですお姉ちゃん。うん、わたしは相変わらず元気いっぱい夢いっぱい、猪突猛進の一本槍だよっっ」


「そうですか。それは何よりでございます」


「そそ、そう言うお姉ちゃんはどうかな、元気だった?」


「はい、それはもう。大変に頼りのあられない旦那様の世話をいたしていれば日々が瞬く間に過ぎて言ってしまうのは自明の理というものではないでしょうか」


「そうなんだ。つまりいつもどおりって事だね」


「はい」


ほんの少しだけ笑うお姉ちゃん。でもすごく嬉しそうだ。


付き合いがどっぷりってくらい深くないと分からないけど、お姉ちゃんは本当の本当にレム兄様の事が大好きだ。わたしや、灼眼のあの子が悔しくて嫉妬しちゃうくらいに、とっても大切にしている。その割には普段の扱いが相当酷いけど、多分お姉ちゃんなりの愛情表現なんだと思う、いや多分…そうじゃないかなぁ、ってちょっと希望的観測で。


だからレム兄様と一緒にゆったりと過ごせてたのがとっても幸せなんだろうって思う。


私の…ううん、私たちの幸せはきっとお姉ちゃんが幸せでいてくれること、これだと思うから。


「それでスヘミア様、此度はいかようなご用件がおありになり、こちらへと参ったのでしょうか。不躾ながら申し上げますが不都合がなければお聞かせ願いたいのですが?」


「あ、うん。えっとね、それはぁ…」


い、言えないよ。最近“白日”ってのを知った私がどうせなら盛大にパーティ開きたいなぁなんて思ってレム兄様に相談したら、ついでだからお姉ちゃんを労ってあげようって話になったなんて。


…だって、内緒なんだもん。私だって少しはお姉ちゃんをびっくりさせてみたいよ。


……それとレム兄様に向けてる楽しそうな表情の一割でいいから私にも向けてほしい、てのは望みすぎなのかなぁ?


「そうですか。いいえ、スヘミア様。言いにくい事でしたらおっしゃって下さらなくても結構でございます。スヘミア様や……旦那様にも隠し事の一つでもしたい時もあるのでしょう。それを敢えて聞き出そうとは思いませんので」


う、わぁ…レム兄様ってばお姉ちゃんにばれてるよ。いや、それとも他の子達かな?どっちにしろ旗色悪いなぁ。お姉ちゃんも口ではいいよ、って言ってても珍しく表情に『話して欲しい』て出てるもん。


…でも、ごめんね、お姉ちゃん。


もう少しの辛抱だから我慢してね。


下に散らばっている子、灼眼のあの子とかどこかに偵察に出てる処理部の子達とかにしらみ潰しで連絡しておいたから、きっと“白日”の日には皆がそろって、お姉ちゃんをねぎらって挙げられるはずだから。…灼眼のあの子は無理かもしれない、というよりも多分無理だろうけど。ここまで辿り着けないだろうしね。


「…ごめん、お姉ちゃん」


「いえ、スヘミア様がお謝りになられる事はありません。それよりもスヘミア様、本日はありがとうございました」


「??私何かした?」


「護衛部の方々のお相手をしていただきました」


ああ、そっか。あれかぁ。お姉ちゃんの相手をする前のちょっとした準備運動のつもりだったんだけどなー。


「でも今はいい子が何人かいるみたいだね」


「はい。出来の良いお方が今は少々ですが多いですね」


少しだけ誇らしげに頷くお姉ちゃん。


正直、これだけの会話だったらすっごく和やかなんだけどなぁ。実際に話している内容はとんでもないものだ。はっきりと言おう。この館で鍛えられている子たちの精度は下で一生懸命頑張ってる人たちの比じゃない。


具体的に例を出せば間違いなく護衛部長はギルドランクのSクラス。ちなみにSクラスが最強で、その上にあるのはワールドランキング(…最近知ったんだけどこの世界最強ランキング?ってどうにもレム兄様が一口噛んでるっぽいんだよねぇ?)の中に入ってる必要があるEXクラスだけ。ちなみに私はEXクラスだ。点睛の魔女、て二つ名がある。


下っ端の子達でもBクラスくらいはあると思う。Bクラスってのはあれだね、野党盗賊なんかを簡単に捕まえられちゃうくらいのレベル。


だから……実はここの護衛部ってお姉ちゃんを抜かしても一国分くらいの兵力持ってるんだよねぇ。以前私も似たことしようとしたけど失敗しちゃったし。こういうところでお姉ちゃんとの差を思い知らされちゃう。…とは言っても比べる事自体が間違ってるのかもしれないけどね。


「それでスヘミア様は此度の来訪はどのくらい滞在なされるおつもりですか?」


「ん〜ちょっと分からないや。気が向けばすぐにでもふらっと出ていっちゃうかもしれないし、居心地がよくってついつい長居しちゃうかもしれない」


「そうですか。判りました。ではスヘミア様、取り敢えずですがご滞在なされている間、護衛部の皆様に少々手ほどきをお願いしたいのですがいかがでしょうか?」


「うん、いいよ」


二つ返事でオーケーだ。


てよりもお姉ちゃんに頼まれる間でもなく私も元からそのつもりだったしね。


あの…たしかサカラとかいった子、結構揉み甲斐がありそうで楽しみにしてるんだ。昔やってた教える側の血が騒いできたって感じかな?


「それよりもお姉ちゃん、もう一度、今度は正面から相手してくれるかな?」


そうじゃないとここに来た一つの意味がなくなっちゃう。


私だって日々成長してるんだから、お姉ちゃんに追いつくために、以前よりも強くなってるって事をちゃんとお姉ちゃんにアピールしておきたい。


「ええ、分かりましたスヘミア様。では僭越ながら、私がお相手いたしましょう」


お姉ちゃんの様子に変わりはない、普段通りだ。


でも…それでもやっぱり勝てる気が全然しない。


――流石お姉ちゃん。


「じゃ、点睛スヘミア――行くよ?」


「はい。どうぞ」


「っ!!」








「ふぁ。……っ、あははっ」


もう本当に、おかしいや。全然、通用しない。でも…ま、いっかって思えちゃうのはきっと。


「スヘミア様、またお強くなられましたね?」


「全然、敵わなかったけどね」


「大丈夫です、スヘミア様はまだまだ強くなれます」


「うん、お姉ちゃんにそう言ってもらえると私としても心強いよ」


こうやってお姉ちゃんに今膝枕で介抱してもらえてるからかな?


う〜ん、何かもう全部がどうでもよくなってきちゃう感じだよ…。


少しだけ、眠っちゃおうかな?


「ね、お姉ちゃん」


「はい、なんですかスヘミア様」


「ちょっとだけ、このまま寝ちゃってもいいかな?」


「…おやすみなさいませ、スヘミア様。どうか良い夢を」


「うん、ありが…と……」


きもち、いいや…



本メイドさんは名前が一々定まらないので、特定の人は『お姉さま』『お姉ちゃん』などの尊称で呼ぶようになっております。ご了承ください。

前回の続きですが。
ちなみに、メイドさんはスヘミアさんよりも圧倒的に強いです。

あと、戦闘パートって入れた方がいいのでしょうか?
正直この文体で戦闘を書けと言うのは無理がある気がするのは自分だけか?













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