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日々のんびりと

アル・・・本名アルーシア。口のきけない奴隷の女の子。
o メイドさん+幼女とご主人様
14. どれいとおさんぽ
「平和だなぁ。なあ、アルー?」


「……」


「…平和だよなぁ、サリア?」


「レム兄!忙しいんだから詰まらない事で話しかけないでよっ」


「……平和だよな、マレ――」


「話しかけないで下さい」


「………平和だよなぁ、レアリア?」


「ってか、あんたも働けぇ!!!」


「さて、ちょっと出かけようか。アル、一緒に散歩に行こうな?」


「……」


「ちょ、待ちなさ――」


「レアリアさん!レム兄なんかに構ってないで、ほら、五番テーブル!!」


「大体どうして私が給仕の真似事なんか…」


「レアリアさん、その料理は十二番のお客へです。五番はこちら」


「…あぁもうっ。これもそれも全部、レムの所為よ!!」


「うん、その通りだね」


「間違ってはいません」





「平和ですね、サーシャ?」


「そうね…って、あなたも出来れば手伝ってほしいんだけど、ミリアレム」


「私は一客よ?」


「…そうね」


「冗談です。手伝いますよ」


「ありがと、それじゃあ三番テーブルの皿を下げて来てくれる?」


「はい、分かりました」


◇◇◇


「ふぅ、一仕事した後ののんびりした一時ってのは気分がいいなぁ」


「………」


「何?別に何もしてないだろうって?は、は、は、それが素人の勘違いというものなんだぜ、アル?俺はもはや街を救った英雄と言っても過言じゃない」


「………」


「…突っ込みの一つも欲しいなぁ。いやごめん、それと今のは嘘です」


「………」


「さて、と。それじゃ仕切り直すとしまして、どこか行きたいところでもあるか?…出来ればあのときみたいに山賊もどきの根城とか、そう言う危険がいっぱいっぽいところ以外でお願いしたのですが」


「………」


「って、そう言えば久しぶりに二人っきりに戻ったよな。いやー最近何か色々とあった気もするけど、やっぱりこうして二人でのんびりできる時間ってのは良いよなぁ?」


「………」


「微妙に嫌そうな雰囲気なのは俺の気の所為だと思っておくことにする。いや、多分日頃の被害妄想からくる俺の全くの勘違いなんだろうけど、さ」


「………」


「さて、それじゃこれからどうするかね。行き当たりばったりってのも好きだけど、やっぱ打てる手は打っておいた方が無難だよなぁ」


「………」


「っと、わけ分からない事ばっかり言ってて悪いな。ん〜、そうだな。それじゃちょっとお勉強でもしてみるか?」


「………」


「反応がまるでないから嫌がってるのかどうかも分からないな。まあいい、ここは肯定したって事で、これからレアリアが向かうって言ってるアルカッタについてちょいとしてみようか」


「………」


「アルカッタってのは北の軍事大国って事で世間一般じゃ知られてるな。あぁ、とは言っても別に軍隊使って幅を利かせてる、とかどこかを侵略してる、とかじゃなくてあれは…まぁあの国の風土みたいなもんだな」


「………」


「風土って言われても判らないか。ん〜、あそこの国の人間は強い奴が一番って考えでなぁ。別に乱暴者って感じじゃないんだけど、お互いに強さ競い合って如何に強くなれるか切磋琢磨してる内に気づいたら世界有数の軍事力を誇るようになってた、みたいな感じかな?」


「………」


「ああ、だからってわけじゃないけどあそこの国のヒトは真っ直ぐで気持ちがいい奴ばっかりだぞ。基本的に筋の通らない事が嫌い、んで気が強くて潔いんだ。その筆頭が――…やっぱりまぁ、リリアンだな」


「………」


「どんな奴かって?」


「………」


「ん〜、一言で言えばお転婆お姫さまって奴だな。結構わがままだし、その癖わがままを通すだけの実力と実績のある、非常に困った奴だな。そういえばそのリリアンが捕まった〜、とか話があった気もするな」


「………」


「って、こんな話ばっかりでもアルには詰まらないか?」


「………」


「…うーむ、心無しさっきより機嫌が悪そうな気もするけど、これも気のせい、かなぁ?良く分からん」


「………」


「ま、いいか。しっかし、いい加減反応が何もないと単に独り言呟いてる危ない奴っぽくて嫌なんですけど?」


「………」


「いや、それを今のアルに期待するのは酷ってものか。……そうなのか?」


「………」


「取り敢えずそうしておこう。ちゃんと俺の声は届いてるし気持ちも伝わってるけど、どう返していいか分からない、もしくは自分の気持ちを伝える術をまだよく分かってない。…別に俺に答えるのも嫌、とかそう言う事じゃ、ないよな?」


「………」


「…少しホッとしてしまった。こういうときだけ反応があったらかなり嫌だからなぁ」


「………」


「そういやアル、これ、食べるか?」


「………(ひしっ)」


「相変わらず飴とか、菓子みたいな甘いものには目がないなぁ。迷わず飛びついてくるか」


「………(ころころ、ころころ)」


「でもな、アル。一応忠告しておくけど甘いものばっかり食べてちゃダメだぞ?太るからな?」


「………(ころころ、ころころ)」


「それとな、いくら甘いものくれるからって知らないヒトには付いて行っちゃダメだからな?これだけはちゃんと覚えておいてくれよ?」


「………(ころころ、ころころ)」


「やっぱり反応がない。これじゃ分かってるのか分かってないのかが全然分からんな」


「………(ころころ、ころころ)」


「でも本当にこれだけは頼むぞ?」


「………(じー)」


「って、どうした?どこか行きたいところでも見つかった――」


「………(じー)」


「――成程ね。あの匂いに釣られたか」


「………(じー)」


「はいはい、分かりましたよ、おひめさま。俺も小腹が空いてきたところだしな。ちょっとあそこのケーキが美味しそうなお店で一休みしましょうか?」


「………」


「…ふむ。皮肉にも反応がないと言ってる方は空しいなぁ。ま、いいや」


「………」


「おう、遠慮せずに食べてくれていいからな。レアリアが稼いでくれたお金がちゃんとあるからそっちの方は心配しなくてもいいぞー?」


「………」


「あぁ、大丈夫大丈夫。何と言ってもレアリアのお金は俺の金も同じだからな」


「………」


「まぁ、後が怖い気がしないでもないが。大丈夫、大丈夫。ほら、だって俺ってばレアリアのご主人様なわけだろ?ご主人様に尽くすのは奴隷として当然の事じゃね?」


「………」


「って事をアルに言っても仕方ないか。てか今そんな事を気にしても仕方ないしな」


「………」


「それじゃ、ちょぴっと優雅な夕時のティータイムと参りましょうか。全エスコートは俺にお任せあれ」


「………」


「アルーシア嬢、お手を拝借」


「………(こくん)」



久しぶり?にゆっくりとした時間。
でも相変わらずレムくんはアルーシアに相手にされていない様子?
さてはて、本心ではどうなのか?ですね。


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