harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜(22/151)縦書き表示RDF



前話までのあらすじ
:奴隷たちにひどい扱いを受けていたご主人様ことレムくん。「旦那様」そこへ一人の救世主が現れた。
レムくんは感涙を流して彼女を受け入れる――それがさらなる茨への道とも知らずに…

harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜
作:nyao



ど-15. 温度差




「旦那様」


「…何だ?」


「温かいです」


「俺はあついぞ、色々な意味でな」


「そうですか」


「ああ」


「………」


「……なぁ?」


「何でしょうか、旦那様?」


「一つ、聞いていいか?」


「はい、何なりと」


「どうしてこんな事になってるんだ?」


「…それは、何を指して仰っておられるのでしょうか?」


「今の状況全てに対して、だ」


「では、僭越ながら説明させていただきます。先ず珍しく私の精神をかき乱しております旦那様と密閉空間における二人きりと言う状況ですが、これは旦那様が愚かしくも私を驚かそうなどと策を弄しました結果この館の底辺へと私が道連れに致しました。これは旦那様の方が状況を把握していらっしゃるのではないでしょうか?」


「ああ、確かに……だからせめて二人っきりの状況でその竦み上がるような視線は止めてくれ。良心にぐさぐさと刺さる」


「次に、現状を確認出来ない以上これはあくまで私の推測になりますが先の爆発、そして私たちの周囲に満ちてきました発火性の液体は清掃部のカヌーヌ様が台所でのお仕事の最中に上機嫌で鼻歌を歌い不注意の結果足元にありました着火剤を足を滑らせて大量に零して、その上で着火剤を多量に含んだ布が料理部のマレー様が調理中に起こしました爆発により入った亀裂に落ち、ここに至ったのではないかと思われます」


「実に具体的な言葉だな」


「お褒めに与り光栄にございます。こういったものは経験が物を言いますので」


「俺は皮肉を言ったんだ……まあ、過程は如何あれ似たような状況であの布着れが落ちてきたのは確かだしな。詳細は良いとして、次は?」


「はい、次ですが、これは恐らく被服部のササラーサ様が休憩中いつも行っている焚き火の最中に料理部のファイ様が芋を持ち互いに同意の下おやつを食そうと致しましたした所、ファイ様を日頃から悩ませております彼女の潜在魔力が火の調整に際しまして爆発を起こし、その余波が結果としてあの布に火花を散せたものと思われます」


「てか、ファイの料理下手の理由ってあいつの潜在魔力の所為だったのか。それで火力が安定しないからああまで酷い料理ができるのか?」


「いいえ、それは違います、旦那様。ファイ様の料理ベタは最早芸術の域まで達しております。あれは潜在魔力が如何こう以前に相性と才能の問題ではないかと私は睨んでおります」


「それは気の毒としか言いようがないが…まあ、なるほど。それで今の状況があるわけだな。……どうして俺と一緒に閉じ込められてるはずのお前がここまで詳細に説明できるのかが甚だ疑問だけどな」


「世界万物を愛して已まない私にはこれくらいの事はできて当然、で御座います。……いえ、勿論私が一番愛しているのは他ならない旦那様で間違いございませんが」


「ありがとよ、その如何にも取ってつけたような言い方。有り難くて涙が出るね」


「旦那様、そう言うときは身体で笑って、心で泣いて、が基本かと存じ上げますが?」


「や、意味違うからさ」


「そうですか」


「何でお前がそこまで落ち込んでるのか俺は理解したくないからしないが、そろそろ冗談じゃなくなってきたな。マジで熱いぞ。それになんだか息も苦しくなってきたような…?」


「旦那様、私、これまで旦那様のお傍で暮らせました事、大変嬉しく思います。旦那様とお会いできたあの日の事はいまだ忘れず私の胸の内に刻み込まれております」


「その今生の別れとでも言いたそうな言葉は何だ、と俺は問いたい。正直現状でその言葉はしゃれにならんから止めろ」


「いえ、たとえ今生が別れだと致しましても生が巡る限り私のこの想いに偽りはございません」


「こんなときにそんな台詞を聞いても俺は全然嬉しくもないが……で、本気で如何する?密閉空間な上に火まであるとなると非常にやばいんだが…?つかさっきから汗諾々」


「ではこちらを使いましょう」


「こちらってその壁が何…は?」


「旦那様の愚かしくも微笑ましい企みなど全くの無意味であると言う証明で御座いましょうか?恐らくは旦那様でさえも一目見て分かりますとおり、こちらはいざと言うときのための隠し通路で御座います」


「……んなものあるなら初めから言えよ。俺は助けが来るまでここから出られないとばかり思っていたぞ。んで助けが来る頃には俺たちは黒こげ、と」


「それでは、旦那様。私のみお先に失礼させていただきます」


「って、何をちょい待っ――」


「さて、流石に消火しませんといけません、処理部の方々をお呼びして来ましょうか。旦那様はそれまでお仕置きです。私を驚かそうとした事、これでも怒っておりますので。ええ、本当に少々胸が鳴りましたので。………まあ、旦那様でしたらあの火の中でも後少々生き延びる事は可能で御座いましょう。ですが念の為に医療部の方々もお呼びしておきますか」





「くそっ、出せこのやろ!!うわっ、熱っ!?火が…火がっ!!マジで出して、出してくださいよ!!!何で、さっきあいつ開いてたのにどうして俺だと開かないのさ、この隠し扉!?」




本日の一口メモ〜

『十二使徒』について
基本的には神一柱につき四人の使徒がいる。そして神様の特性に合わせて能力も種類も異なる。ちなみに使徒中で最強は『燎原りょうげん』。
…ふ、ふ、ふ。これだけ言っても意味解らないだろうよ、そうだろうさ!どうせ作者もよく分かってないよ悪いか!?

メイドさんは館の構造を熟知しております。旦那様の知らない秘密のお部屋などもあったりなかったり。謎は深まるばかり。


現実を受け止めるのって辛いよね。特にこの小説の主人公みたいな立場だとなおさら…ね?

作品を読んでどう思っているのかを知ってみたくなってきた今日この頃。『面白かった』もしくは『面白くなかった』の“お”の一文字でもいいから欲しいかも……あれ、どっちも同じ“お”一文字だよ?
……まあいいか。











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