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にゃんこ
o メイドさん+幼女とご主人様
ど-122. 最近思う事がある、それは…



「最近思うのだが…」


「はい、如何致しましたか、旦那様?」


「余りにも話題を投げっ放しすぎる気がするのだが?」


「…申し訳ございません。もう少々言葉に修飾を付けて頂きませんといくら優秀な私とは言え理解が出来かねます。旦那様ご自身が常に籠もられている妄想の中ではそれでよろしいのでしょうが、ヒトに伝える際にはそれでは多大に言葉が足りていないと苦言を申し上げさせていただきます」


「たかが言葉が足りなかったくらいで凄いモノ言いだな、お前」


「御褒め頂くほどの事ではございません」


「…いっっっつもだけど、どうしてこれで褒められたってとるのかが甚だ不思議だな」


「少々場を和ますための冗談ではありませんか。旦那様でもありますまいに、このような事で本気で褒められたと思ってなどはおりませんとも」


「それで場が和んだ事が今まで一度たりともあっただろうか、と過去を振り返ってみたい」


「ただの一度たりとも御座いません」


「即答で言い返してきやがったな。それを自覚しているのならもう少しどうにかしたらどうなんだよ、おい?」


「出来かねます。それを旦那様がお望みでいらっしゃいますので」


「望んでないから切に俺の平穏を返せって言ってみる」


「それで旦那様、いったい何の話題が投げっ放しなのでしょうか?」


「主にこう言った事がそうだって言いたいのだが…つか都合の悪いところは無視するのね、お前」


「そんな、旦那様の事を無視するなどと言う非道な行為、行うどころか私には考えつきもしません。敢えてお応えするまでもないと判断したまでの事でございます」


「ならどこがどう言うまでもないのか説明してみろ」


「既にご理解なさっている事を再度説明するのは気が進みませんが、旦那様がお望みであると言うのならば。平穏を返せも何も、日々は至って平穏そのものではございませんか。それ以上に何をお求めになると言うのでしょうか、旦那様は」


「いや、平穏って言えば平穏だけどな。俺の心の平穏とは何故か程遠い気がするのだが?」


「適度な刺激、適度な平穏。まだ満ちておられないので?」


「……適度って言うのは外敵もいない筈のこの館で三日に一度は命の危険を感じるような事か?」


「男性の方は冒険を好むとも言いますし。旦那様はご自身を危険に晒すのがお好きですね?」


「命の危険の八割がお前の所為だって事、自覚していますか!?」


「残り二割、つまり十五日に一度の命の危険は旦那様ご自身の所為であると言う事になりますか」


「……」


「大変スリリングに富んだ生活かと存じ上げます?」


「……まあ、それはそれとして」


「はい」


「毎度毎度どうにも主旨が余所にずれてしまうのだが、とにかく話を戻そう」


「都合が悪くなれば話題を転換するのは流石は旦那様と申し上げる他ございませんが、ここは旦那様の為を想い目をつむりましょう」


「全然瞑ってませんけどね」


「瞑りました。それで旦那様、話題を投げっ放しと言う事でしたが、どのような意味なのでしょうか?」


「なんだかいつもいつも会話の途中で話題を投げ出して終わってる気がするんだよ。何か途中で強制終了している、みたいな?」


「……旦那様」


「何だ、そんな神妙そうな…って相変わらず無表情だが。とにかく、どうしたんだ?」


「僭越ながら申し上げさせて頂きたくございます」


「ああ、良いぞ。言ってみ?」


「その話題が途中で終わると言う事ですが、それは恐れながら旦那様がその段階で気を失っておられるからだと進言いたします」


「……――あぁ、なるほどね」


「旦那様は気が弱いですから、ちょっとしたショックで気を失ってしまわれるのですね?」


「無茶苦茶お前の所為だけどな。それと俺は別に気は弱くないぞ。思い起こせば、気を失う理由は誰かさんが強制的に俺の気を失わせてるからだ」


「それは大変な事にございます、旦那様。まさかこの館内に旦那様に仇なそうとする輩が存在するとは。至急探し出し何らかの処置を施さねばなりません。旦那様、その輩は一体どなたなのですか?」


「俺は今の言葉を本気で言ってるお前が心底凄いと思う。つかお前の事だ、お前だ、お前」


「旦那様は御冗談がお好きですね?私も冗談が好きです」


「…今の言葉は『二人とも冗談が好きなんですね、お揃いです』の意味で取ればいいのか、それともお前のさっきの言葉と迫真の演技が冗談だった、と言う意味で取ればいいのか、どっちだ?」


「敢えて申し上げるとするならば前者ですね」


「つまりさっきの言葉は心底本気だったと?」


「旦那様、どうぞなんなりと私めに処罰をお与え下さいます様」


「……それで最終的に得をするのは誰なのかを考えてみよう」


「当然、旦那様ですか?」


「なら一つ確認だ。お前に対して俺がする処罰って果してお前にとって“罰”になってるのか?」


「何を今更な事を仰います」


「いいから、言ってみろ」


「旦那様から与えられるものならば苦痛、困難、何であろうとも私にとって至福である事に相違ございません。旦那様は少々特異な趣向がお好きな方ですから、果たして私の身体が持つのかどうかが懸念事項ではありますいが」


「悦ばれるのは罰になってないと言っておこう。あとな、誤解しか招かないような嘘を堂々と言うな」


「ふふふ、旦那様は非常に照れ屋でございます」


「…その言葉には敢えてノーコメントで。で、だ。どんな処罰にしてもお前懲りないし、悦んでるし、後で俺は益々酷い目に遭うしで俺にとっては良い事が一つもないのですが?」


「旦那様も男性ですし、危険がお好きです?」


「まだそれを引き摺る…!」


「引き摺るも何も、旦那様は喜んでおります」


「断言か!?遂にお前が断言するのか、俺の事なのにっ!?」


「心配には及びません。旦那様の事でしたら全てにおいて十二分に理解しておりますので」


「だから理解してるって言うのならもう少し気遣いってものが…」


「それでは、いつもどおりに――」


「って、おま、何を」


「――眠っていただきます?」


「それはいつもどおりじゃなぶふぅっっっ?!?!?!?!?」


「……少々加減を、いえ。しかし旦那様?旦那様のお心を理解しているからこそ、私は気遣いなどと言う不要なものを行っていないのですよ?旦那様でしたらその程度の事、お聞きにならずとも既に知っておられるのでしょう?」



深い意味はありません。そしてそれが真実。

旦那様の今日の格言
「う、ぐ、ぐ…」

メイドさんの今日の戯言
「お休みなさいませ」


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