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ふみぃ

アレクセ・・・護衛部副長。奴隷の女の子。部長に次いで腕が立つ。性格は大雑把。
o メイドさんとご主人様
ど-77. 紅き瞳を携えしモノ――灼耀と呼ぶ



「旦那様、旦那様っ」


「何だよ、珍しく…つか、非常にわざとらしく慌てて」


「旦那様、事件ですっ」


「あ、そう」


「……はい、事件で御座います」


「うん、分かったから。もう行っていいぞ」


「どのような事件であるのか、お聞きにならなくてよろしいので?」


「いい、てか聞きたくない。だからお前の方で独断で解決しておいてください」


「了解いたしました。では私の独断で事件の方は解決させてただきます。…宜しいですね?」


「いやちょっと待て」


「はい、何でしょうか?」


「お前一人の権限に任せるって言うのが次第に不安になってきた」


「ならば旦那様、御自らが御采配をお振りになられるので?」


「いや、それも面倒くさいつーか、お前の持ち込んだ事件には極力係り合いたくないって言うか、とにかく遠慮したい」


「ではどのようになされるおつもりで?」


「うん、だからさ、護衛部副部長…アレクセ辺りにその辺の指揮権を与えて経験を積ませてやったらどうかな、って思うわけだ」


「なるほど。旦那様の浅慮なお考え、しかと納得いたしました。ではそのように取り計らう事といたしましょう」


「ああ、頼んだ」


「はい。では私はこれで失礼させていただきますので」


「ん」


「ちなみに、今のうちに申し上げておきますが後で悔やまれたとしてもそれは旦那様の全責任で御座いますので、決して責任転嫁などなされませぬよう、くれぐれもよろしくお願い申し上げます」


「…そこまで言われると非常に気になるのだが。いや待て、それがこいつの手の口だろ?ここで俺がいつもどおりに話に乗ったりなんてしたら、どうなる事か……思う出せ、想いだすんだ、俺」


「旦那様、悩まれるのは結構でございますが、お時間の方はそう待ってはくださいません。只今申し渡されましたご命令を取り消すのでしたら今のうちなのですが…如何なされます、旦那様?」


「ちょっと待てよ」


「はい、当然しばしはお待ちいたしますとも。ですがやはりお時間の方だけは如何ともしがたい問題がありまして…」


「む……、…、よし、分かった。ならさっき言ったとおり、アレクセの奴に任せる事にする」


「はい、了解いたしました旦那様。では私はこれで失礼させていただきます」


「ああ…いや、ちょっと待て」


「…なんでございましょう」


「結局さ、事件ってのはなんだったのだ?」


「旦那様、今お聞きになられるので?」


「ああ」


「聞いてしまえば引き返す事はかないませんが、それでも…?」


「ああ、もうアレクセに任せるって決めたからな。どんな事があったとしても、俺はもう知らないからなッ」


「無責任なお方。…では申し上げさせていただきましょう。アレは本日未明の事でした――」


「や、それってもしかして長いのか?」


「では長い話を聞く程の集中力をお持ちになられない旦那様の為に簡潔に申し上げる事といたしましょう。実はですね、」


「おう」


「先日ご報告たしました、飛竜から雛が孵りまして」


「…何だ、その程度か」


「ですが旦那様?非常にかわいらしいのですよ?」


「いや、まあ、そりゃそうだろうけどさ。別にそこまで騒ぐ事でもねぇよ」


「灼耀の飛竜でも、ですか?」


「っ!!」


「では旦那様、ご命令通り、この件の全権はアレクセ様にお渡しすると言う事で。そのように伝えて参ります。では失礼――」


「まっ、………い、行きやがった。しっかし、この時期に『灼耀』だと?…ちっ、あのなんちゃって存在め、何を考えてやがるのか」



本日の一口メモ〜

「兄さん、事件です!」とか…そんな風な始まりをしてみたかった、今日この頃です。

飛竜の赤ちゃん…かわいいだろうなぁ


旦那様の今日の格言
「……」

メイドさんの今日の戯言
「時には無言こそが一番の言葉である、と旦那様はおっしゃっております」


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