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嫉妬とは怖いものです。
掛け声とともに拳を振るうメイドさん…。
o メイドさんとご主人様
ど-75. ただの嫉妬心です


「ぐふっ」


「軽い嫉妬ですのでお気になさらぬよう、旦那様」


「…ふふ、そうか、嫉妬か。それなら許すしかないよな」


「ええ」


「って事で許すはずがあるか―!!」


「なんとお心の狭い旦那様でしょう」


「何でそこで然も俺が悪いんです、俺の器量の問題ですってような言い方をされないといけないんだよ?」


「いえ、決してそのような意図は御座いません」


「あるよっ、思いっきりあるからさ、それっ」


「私は単に純然たる事実を述べているだけで御座います」


「お前っていつもそれだよね?つか俺はそこまで酷いのか?人間失格か??」


「旦那様としてのみ合格で御座います。よかったですね、旦那様?」


「よくないよっ。それってその他は全部失格って意味だよな?つか旦那様として合格って一体何なんだよ!?」


「それを私に仰れと?旦那様とは本当に酷いお方で御座いますね」


「…え、それって酷いの?今の言葉の中のどこに酷い要因があったんだよ?いや、それよりもそもそも俺が非難されるより先に俺としてはお前を避難したいのですよ」


「えい」


「ぐふぅ!?」


「軽い嫉妬で御座います。余りお気になさらぬよう、旦那様」


「そうか、嫉妬か。ふふふ、それなら仕方ない……て、んなわけあるかー。今の会話中どこに嫉妬できるような流れがあったよ!?」


「流石の旦那様でもお気づきになられましたか。少々の驚きで御座います」


「気づくよ、それくらい!?」


「旦那様、実に遺憾ではございますが申し上げさせていただきます。そのように喚いてばかりおられますと旦那様の人としての程度が知られてしまいますよ?」


「お前、誰のせいで俺がこんなに怒鳴ってるのか、分かってる?いや解ってて言ってるよな、お前?」


「はい、それは勿論でございます。私は私の言動全てに旦那様の存在価値とは致命的なまでに正反対の、確固たる自信を持っておりますので」


「つまりそれはあれか、お前は俺の喚くみじめな姿を見て愉しんでると、そう言うわけだな?そうなんだな??」


「そんなわけあろうはずがございませんとも。……ふふっ」


「笑ったー!?」


「旦那様は私が笑う事がおかしいと?」


「おかしいよ!?今この時に言えば十分すぎるほどにおかしいよ!?」


「……そうですか」


「何でそこで落ち込んだ、みたいになってるのかがいまいち分からんが。いつも無表情のお前がこんなタイミングで微笑んでたりしたら絶対に裏があるって思うつーの」


「ふふっ」


「……」


「ふふっ」


「……いや、さ。一応言っておくが、笑えてないから。さっきからずっと無表情のままだから。そして非常に怖いから。何考えてるんだお前、って感じだから」


「旦那様の事を考えておりました」


「…それを別のタイミングか、もしくは他の奴らから聞けば少しは胸高鳴ったりするんだろうなー、って思ったりするよ。はぁ、どこか他人事だな、俺」


「教育、もとい調教が進んでいる証拠で御座います」


「もうどうでもいいってか、結局のところあれだよな、俺が喚かなけりゃ全てが丸く収まるんだよな、これ」


「ならお試しになられてみますか、旦那様?」


「おう。もうお前の思い通りには――」


「えいっ!!」


「ぶぇっ!!!!!!!!!!!!」


「……空を飛ぶ、旦那様」






「痛ぇよこのヤロッ!!」


「……旦那様はやはり旦那様である、と」



本日の一口メモ〜

メイドさんのお茶目っぷりです。それ以外のタイは御座いません。

メイドさんの秘密七つ道具(不定期掲載)
『黒刀』
どんな奴でも呪いの刃でイチコロさっ。でも今は旦那様一筋かもねっ?


旦那様の今日の格言
「俺は誰だ?ご主人様だ!」

メイドさんの今日の戯言
「空を飛ぶ、旦那様」


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