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効きます、効きます
o メイドさんとご主人様
ど-72. 効能


「はぁ…茶がうまい」


「ティトゥスの葉を用いた二年物の紅茶でございます。効能はリラックス、疲労回復、滋養強壮、猪突猛進でございます」


「はふぅ〜そうか……、?…ちょっと待て」


「はい、なんでございましょうか、旦那様?」


「猪突猛進って何だよ一体」


「その名の通りでございますが、何か問題でも?」


「いや、問題つーか、猪突猛進に効くってどんなだよ?」


「なるほど、そのような意味でございましたか」


「ああ。で、一体どんな効能があるってんだよ?」


「はい。ひとつの物事に集中できなくなる、思考力が弱くなる、等……俗に言われている催眠状態とでも呼ぶべき状態に陥る程度でしょうか」


「それ、程度じゃなくねぇ!?」


「そこからは私の腕の見せどころでございますね、旦那様?」


「…。吐きだせ、俺。今すぐ吐き出すんだ、根性だ、根性。今こそ不可能を可能とする時だ、そうだろ、俺!!」


「旦那様が…輝いておられます!旦那様、非常に無駄な努力のほど、尽力を賭して頑張ってくださいます様」


「…やっぱりむりだー」


「で、ございましょうね。無駄な徒労の程、御苦労さまでございました、旦那様」


「お、おお、お前は俺をどうするつもりだ!?」


「どうする、とはどのような意味でございましょう旦那様?いえ、私としましては旦那様にお寛ぎいただければと、それ以外の事は…――…」


「おいっ、何か言えよ。つかそこで黙るの?黙っちゃいますの!?」


「いえ、そのような事は御座いませんとも」


「…もう遅いって。それを俺にどう信じろと?」


「そんな、旦那様は私の事を信じて下さらないので!?」


「いや、俺も信じたいつーか、できる事なら、ね?でもさ、そう思うならお前、少しは自分の行動改めてみようよ、ね?」


「なるほど、確かに改善の余地がございます。申し訳ございませんでした、旦那様」


「そうか。分かってくれたか」


「では旦那様におきましてはごゆるりとお休みいただく様」


「何故に!?てか分かってない!?」


「ほ〜うら、旦那様は眠くなーる、眠くなーる」


「う、ぐ…ね、眠ってたまる、かっ」


「と、軽く冗談を申し上げてみましたが、お楽しみいただけたでしょうか、旦那様」


「って、えぇぇぇ!?!?」


「何を驚いておられるのですか、旦那様。そもそも猪突猛進に効くなど少々思考を重ねてみれば直ぐにでも嘘と判別できるようなものではございませんか。まさか本気でご理解しておられなかったので?」


「……何を仰る。そんな事あるわけないじゃないか。今までのはあくまでお前の冗談に合わせていただけだ。当然だろ?」


「ええ、そうでございますね、旦那様。私としましては旦那様を少々でも疑ってしまった事が深く悔やまれます」


「いいっての、そんな事」


「寛大な旦那様の処置に感謝いたします。感謝ついでに一つ、申し上げたい事があるのですが、よろしいでしょうか?」


「ん、なんだよ?」


「ティトゥスの葉を用いた茶には確かに猪突猛進に対する効能などは御座いませんが――」


「いやちょっと待て、何か嫌な感じが…」


「発症される症状としては間違っておりません?」


「いや待てよおいっ!!」


「何でございましょうか、寛大な旦那様?」


「いやそれとこれとは違うから」


「心配には及びません」


「何が!?」


「次に旦那様が目を覚まされたときですが、」


「ふ、ぐっ…ね、ねむ……、…――」


「これらの事を覚えてなどおりませんから……と、既にお聴きではございませんでしたか」


「……」


「元より心配には及びませんとも。私は、旦那様に尽くすのみで御座います故に。ごゆるりと、心安らかにご休息の程、そして良い夢を――私の、旦那様?」


本日の一口メモ〜

ティトゥスの葉……別に麻薬の効果とかはない。
ただほんのちょっぴりふわふわするだけ、気持ちよくなるだけ。……滋養強壮、軽い睡眠効果のある薬とお考えください。


旦那様の今日の格言
「吶喊だー!!」

メイドさんの今日の戯言
「…ヒト型弾幕 (ボソッと)」


何故かいつの間にか百米。…万米?
まあまあ、まだまだ72回目ですから。


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