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朝日ヶ丘三丁目
作:春野天使



初めまして @


『ボクは野良猫です。二歳ちょっとの黒猫の雄です。名前はクロと呼ばれていました』
 あ〜腹減った……。
 ボクは丸二日間、水以外何も口にしていない。……死にそうだぁ。本当に死ぬかもしれないなぁ。まだこの世に産まれて二年ちょっとしか経っていないのに。
 ボクはフラフラしながら、土手の上を歩く。自慢の黒い毛並みが泥だらけにになって台無しだ。昨日は一日雨が降ったからね。
 三日前まで、ボクがよく行く公園に、顔なじみのおじさんが餌を持ってきてくれていた。でも、そのおじさんが急に来なくなってしまったんだ。公園に住み、薄汚れた服を着た小太りのおじさん。彼はきっとホームレスだったんだと思う。
 どこに行ったのかなぁ? あのおじさん。住む家と仕事が見つかったんだろうか? それなら良いけどね。そうだね、おじさんにとっては……。
 けど、ボクにとっては良くない。子猫の時公園に捨てられて、ずっとあのおじさんに餌をもらっていたから、ボクにとっては親ネコを失ったようなもの……。
 ネコ年齢にしたら、そろそろ大人だけど、まだまだ幼気な黒猫だよ。おじさん、ボクを置いていくなんて、酷いよぉ。ウウウ……。
 人間だったら泣くとこだろう。でも、ボクは猫だから泣けないんだよね。や、泣いてる場合じゃない。何とか食べ物を見つけなくちゃ。
 ボクは今にも倒れそうになりながら、土手を歩いていく。こうなったら、次のご主人様を探さなければ! キュルルル……。ボクのお腹が大きく鳴る。
 とその時、どこかから何とも言えない美味しそうな匂いが漂ってきて、ボクの鼻先をくすぐった。香ばしくて甘みを帯びた匂いは、空きっ腹を大いに刺激する。ボクの口からタラタラとヨダレが滴り落ちそうになる。
 お御馳走はどこ? どこ? ボクは辺りをキョロキョロと見渡す。
 あっ、あった! ボクは匂いの正体を見つけた。土手の草むらの中に、白い紙包みが無造作に置かれている。ボクは最後の力を振り絞り、紙包み目指して突進した。




家族を中心にしたホームドラマが書きたくなって、執筆を始めました。連載ですが、一話〜三話以内の完結の物語にする予定です。
連載の両立は上手く出来るでしょうか?……(^^;)こちらはのんびりと更新する予定です。宜しくお願いします。











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