表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夜光虫

作者: インジュン

1.

己が蒼白の示す

渺眇たる沈殿、

その無謬に、

波のあわいで

震える夜光虫よ。

汝らがそがひに、

かの不滅は来たるぞ。

かはいかなるものの

業により象られ得たか。


2.

このいと暗き夜に、

寂寥に震へるか弱き

光を編みつつゆく、

汝ら、魂を言祝ぐもの。

あわいにて微睡み給へ。

あゝ、古の貝に眠りし

旋律が、我をかいいだき、

あやしつける……。


3.

天を妬み、傲慢なる大洋の、

双翼の限りに、その蒼、

損なわれぬ美に、我が魂を

波間の煉獄に、連れ去るもの、

天のいと高きとき、潜むは何処。


ルシフェリンとは、ルシフェラーゼによって酸化されて発光する物質の総称であり、生物発光の源であります。そしてルシフェラーゼの語源は、かの堕天使の名でもある、ルシファーだとききます。

わたしは、海とルシファーを取り扱った詩を、フェデリコ・ガルシーア・ロルカの作品(題名は忘れてしまったけれど)以外は見たことがありませんでしたので、3.はこのスペイン詩人の言葉を用いることとしました。

夜光虫、そして揺れる光と心に茫洋と顕れる海、その不安と深さ、それらが伝われば幸いであります。

それでは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] いい夜ですね。沈鬱な波を感じます。 [一言] 仄かな光は反射ではなく、弱くとも己の光。なぜにルシフェリンの燐光するかを、遂にわたしたちは分かりはしないだろう。それは意志により光り、沈み、浮…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ