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回想  ~当たり前だった日常~

「邪魔だ!」

勢いよくお腹を蹴られ、その方向へと飛ばされる。いつものことだ。日常の一コマ。もう慣れてしまった。

「お前は邪魔だ! 目障りだ! 存在が鬱陶しい! 外見が忌々しい! その目は、その顔は見ていて不愉快だ! お前なんかとっとと死んでしまえ!」

踏まれる。踏みにじられる。雑草のように。……いや、これだったら雑草の方がまだマシだ。雑草には痛みを感じることがないからうらやましい。けど人間だ。人間という生き物なんだ。だから感じてしまう。痛みを。痛みは相変わらず慣れない。

踏まれる。踏まれる。踏まれる。踏まれる。踏まれる。踏まれる。──……

肩を。腰を。膝を。顔を。頭を。背中を。膝を。背中を。顔を。一通り身体全部の部位を。

容赦なく。必要以上に。憎悪の念をこれでもかと送りながら。

──踏まれる。踏みにじられる。

…………痛い。

「なんでお前なんかが生きているんだ! 俺はお前が嫌いだ! 憎い! 気持ちが悪い! 吐き気がする! この家にお前の居場所なんかないんだよ! この国にお前の居場所なんかないんだよ! この世界にお前の居場所なんかないんだよ! この世にお前の居場所なんかないんだよ! だからとっとと気付いて失せろ! このクソガキッ!!」

殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。──……

「くたばっちまえ! 死んでしまえ! 存在ごと滅びてしまえ! 俺はお前が──」

思い切り間を空けて、そしてその言葉は放たれた。

「大嫌いだっ!!!」

ガンッ、と鈍い音が刹那ほど辺りに響いたのと同時に今見えている視界がだんだん薄れていく──。

最後にこの眼は、この両の眼は、一人の女性を映した。

心配そうに影から見る目。

憐憫の目。

哀れみの目。

悲痛な眼。

…………。

そんな風に見るのなら。

そんな風に眺めているのなら。

そんなことしかしないのなら。

……なんで

どうして……

どうして………

どうして…………


あなたは。


僕を。

この僕を。

こんな僕を。

こんな僕だからこそ。







助けてくれなかったの………………………………………………………?







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