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  がんとNY  作者:りずむK
エピソード3 セックス アンド ザ シティー
★ワンポイントイングリッシュ 

●one night stand = 一晩だけの関係
_________________

NYは移民の町ってことはみんな知っている。

移民それは、NYで一旗あげたい人。
移民それは、NYで勉強したい人。
移民それは、他にすることがなく、NYでお金をばら撒く人。
移民それは、会社の転勤で仕方なく、NYにいる人。
移民それは、自分の国がまずしくて、自分の国では食べられない人。
移民それは、自分の国から逃げてきた人。

一言で移民と言っても、そのバックグラウンドは様々だ。
私の場合は上記の中の、2番目と3番目かな?

父の「しっかりと自分の道を探せ」という寛大な教育方針のもとに、たっぷりと時間とお金をもらっていた。

普通なら「社会に出る」年齢だが、父は「生涯勉強」と言って、私を旅に出した。
それなのに、当面のやりたいことさえ見えないままNYに来て、「毎日をもてあます」、という「贅沢病」をわずらっていた。

私が住んでいたアッパーウエストサイドはラティーノが多かった。
ラティーノとは、メキシカン、ドミニカン、プエルトリカン、などなど、スペイン語をしゃべる茶色の人種。(日本人が黄色としたらの意味)

私のアパートのある、79STのあたりは、ほとんどのデリ(コンビニ)やビルでラティーノが働いている。

私の最初のセックスフレンド(以下セフレ)はジョージ。プエルトリカン。
背が高くて、かなり「イケメン」で、私のアパートの隣のビルで働いていた。

ラティーノの特徴としては、(かなり偏見はあるが)、仕事はかなりいい加減だけど、
女を誘うのはめちゃめちゃ一生懸命やる。
アトをついてきて、甘い言葉をひたすらかけたり、毎日のように、どこからかお花を持ってきて届けたり(←たぶん買ってない)。
どれだけふられても、かなりの不屈の闘志を見せる。

寂しかった私は、それに、負けることがしばしばあった。 
ジョージはやさしかったし、誰もいないよりは誰かいたほうが良かった。

ジョージの父もおじいちゃんも、そのまたおじいちゃんも全員ジョージという名前だった。
(ジョージザファースト、ジョージざセカンド、ジョージザサード、とか)。
私のセフレはジョージ ザ サード。(ジョージ三世)。

ジョージの家族は父の代からNYに移住して、ジョージ(父)とジョージ(子)は英語をしゃべれるけど
おじいちゃんとおばあちゃんはスペイン語しか話せなかった。

ジョージとはなぜセフレだったか?って、いうと、それ以上には付き合えないのだ。
なぜならば、よく言いがちだが、「価値観の違い」だ。

あんなに誘うのに一生懸命だったのに、そのアトは頑張れないのだ。
約束を守ったり、仕事をちゃんとしたり、昨日言ったことを覚えていたりできないのだ。

土曜に会う約束をしたのに、平気ですっぽかし、なにくわぬ顔で日曜に「Hi BABY」
とか言って現れたりする。

最初は自分の英語力に不安があったため、「私が間違えたのかな?」と思ってみたりしたが、
「ねえ、土曜に一緒に映画行くって言わなかった?」ってきくと
「ああ、ごめんね。急におやじに用をいいつけられて、、、」とか、そこで初めてあやまる。
だからと言って、電話も連絡もしないですっぽかすのはおかしい。

ごめんね、って言っているけど、キスとハグとセックスで解決できると思っている節がいなめない。
話をきいていると、「女は、花を贈ったりして持ち上げて、あとはセックスで黙らせればいい」という
ものすごく封建的な考えが見えるのだ。

超大昔の日本みたいな、「女は子を産む道具」的な考えで、女は勉強もしないでいいし
言うことをきいていろ!そうすればやさしくして、セックスで喜ばせてやる!という言い分だ。 

ああ。私、無理!
黙って言うこときけ!も無理ならば、
セックスをチカラワザで持ってこようとしているところも無理。

それでも、寂しかった私は、ジョージの次にも、そのまた次にも沢山のラティーノとつきあった。

NYでの出会いの場の多くは「ホームパーティー」だ。

普通日本では「全く知らない人の誕生日会に行く」とか、めったに無いことだが、
NYでは、沢山の留学生、沢山の単身赴任者、沢山の移民がいて、寂しい人間が山ほどいるから
「ホームパーティ」が頻繁にひらかれる。
そして、そのほとんどが、「友達の友達の友達のそのまた知り合い(ほとんど接点無し)」
でも誘われたし、足を運ぶことも珍しくなかった。 

最初は友達のいなかった私も、縁もゆかりも無いパーティーに行って、友達ができ、
だんだんとその輪を広げていったのだ。

しかし、そのころの私がパーティーで出会うのは、「新しいセフレ」ばかりだった。
いや、セフレにもならないような、ワンナイトスタンドばかりだった。
同じように寂しく、同じように目的が見つけられず、ただNYに住み、寂しさとむなしさを誰かに埋めてもらおうとする人間。

私自身がそうであるから、同類ばかりがよってきた。

最初の3ヶ月は、パーティーとセフレと寂しさとむなしさと焦りで過ぎていった。


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