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  がんとNY  作者:りずむK
弟十二話 即効、壁にアタル
生きることに目を向け始めると、どんどんと欲が出てきた。
早く仕事をしたいし、早く社会に復帰したいし、早く「みんな」に追いつきたかった。

「みんな」っていうのは元気な人のこと。

だけど、即効で壁にぶち当たった。
まず
●中野駅まで歩けない。
 自宅から中野駅までは、通常徒歩7〜8分の距離。
 その距離を20〜30分かけて、ゆっくりと歩いてみる。 
 息があがり、足ががくがくだ。 
 これまで、数ヶ月間、家の中で「ベッドからトイレ」が最長の運動距離だったから。

そして
●体が脂肪だらけだ
 筋肉が落ちて、ぶよぶよになった体は、「自分のもの」と認めるのもいやなくらい
 別人の体系だった。(←プラス点滴生活で全身と顔がパンパンにむくんでいる)

その上
●更年期障害 
 卵巣を片方とってしまったので、生理が来なくなっていた。
 先生からも言われていたが、「一時的に生理がとまって、
 更年期障害と同じような症状が出ることが予想されますが、
 あわてずに、ゆっくり直しましょう。」とか。
 
 先生の予感は見事に的中して、更年期障害の症状が次々に出た。
 真冬だというのに、突然、大粒の汗をぽたぽた、ぽたぽたたらしはじめたかと思うと、
 次には、ぶるぶる震えだす症状をくりかえした。 

さらに
●かつらがかぶれない
 せっかくかつらをつくってもらったのだが、私はわずかに残っていた毛も剃ってしまったために、
かつらがかぶれなくなっていた。 
「かつら」は通常「髪の毛に装着する」ようにできていたから。笑。

 しかたなく 両面テープで貼り付ける手段をとったけど、↑の更年期障害のせいで、
 頭からとめどなく汗をかいたりするので、うまくない。 
 この時ばかりは、自分の思い切りの良さを後悔した。(←わずかに残った髪を剃ってしまう行為) 

などなど、などなど。

1月の末に治療を終えた私は 
「二月から仕事するね!」と息巻いていたが、
ダンスどころか、まず日常生活だ。

そのときになって、はじめて先生の言っていた
「そんなに慌てずに、ゆっくり治しましょう」の意味がわかってきた。

ゆっくりする気など、さらさらなかった私は、
●ジム通い
●エステ通い
●スタジオで一人練習

●「平和の森」(自らプロデュースするチーム)のリハーサル
をいっぺんにはじめた。

わかった!二月に社会復帰は無理!って、ことはわかったけど、
じゃあ三月でお願いします!
という勢いだ。

私は、3月末のワークショップを復帰活動の第一歩にしようと決めた。

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