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泡沫の大地の詩 [バージョン1]
作:スピリットQ



<序  章>歴代の覇王たち


 群雄割拠のはなはだしい時代-------

諸侯たちの覇権争いの中、勇猛果敢に駆け抜けたセティーエン・ジリオス・スモンジェルダンは、
数々の熾烈しれつな戦いで敵を一網打尽に叩き潰し、数ある領土を挙中に治め、
ヘブル島全土を統一、セッツェン帝国を建国した。
 その辣腕ぶりは、まさに時代を駆け抜ける猛者もさであったという。
彼の没後も、帝胤ていいんのそのまた後裔こうえいらによって皇帝の座は護られ続け、
この世の栄華をセティーエンの血は果てることなく極め続けるのである。
 だが、セッツェン大帝国の始祖・セティーエンが頭角を現してから数七百年が過ぎた頃に、それはおこる。

セッツェンがスモンジェルダン家の、第二十二代皇帝ベッガードと、
従兄弟のプロツェロワーツェス家のモアニークル公爵が、政治に対しての意見の食い違いが要因で内戦が勃発。
 その頃、ベイツァと呼ばれていた東方の辺境は、プロツェロワーツェス家の領地であり、
その守備を彼らが担っていたのだが、その砦に本陣を構え、
モアニークル公(モアニークル・シッカ・プロツェロワーツェス)自らが名にある『シッカ』を国名とし、
シッカ国王を名乗って新王国を興す。

 初代シッカ国王ことモアニークルは、自らを『第一の雄鹿アグナヒ』と銘打ち、
赤布に金糸で縫い付けた雄鹿の旗をかかげて立ち上がった。
 その雄鹿は、プロツェロワーツェス家の紋章で、雄雄しい頭角が特徴的であった。
貴族たちも、スモンジェルダン派かプロツェロワーツェス派かのどちらか側に付き、
両家の戦いの火蓋は切って落とされた。
 しかし勝敗は有耶無耶のまま終わりを告げ、
しばらくセッツェン帝国はそのまま国を二分した状態でいた。

 その後、一旦終息したかに見えた戦いであったが、
第八の雄鹿アグナヒ・ジャクリス二世の時代、再び両家の争いはおこる。
 今度は、近隣諸国をも巻き込んでの大戦であった。
その戦いの間際、プロツェロワーツェス家に味方していたリーゲル公国が、
 シッカの北東に位置するセッツェン派一味が立て籠もる修道院を撃破、所有地ごと略奪した。
リーゲル一族の領土は、元々シャスデル海峡を越えたアウバン大陸にあったが、
周辺国に占領され続け、その領土は年々狭められるという不遇な境遇に陥っていた。
 わらにもすがる思いで強敵セッツェンの修道院のある領土に目をつけ戦いを挑んだが、
放棄されたか神に味方されたか勝利を掴み取った。
 後に、修道院を立て替え、リーゲル一族もそこに住むこととなる。


 そして、第十一の雄鹿アグナヒの現今-------


第十一代国王アンモスは、北海のユーラ・アパシート海域に無数に散らばる諸島国、
西のイマ島とダーツ島との協約を、先代第十の雄鹿で父王アニクスが結んだのを機に、
あらゆる国に同盟を呼びかけた。
 それは長きに渡る無意味な争いに終止符を打つために、和平を誓い合い助け合うことを結束し、
何よりも戦いを終えてほしいという切なる願いからだった。
 誠実な彼の思いは実を結び、結果的に、実に十七ヶ国と同盟を契ることに成功するのである。
世に言う『雄鹿アグナヒ同盟』であった。
 

--------だがそこに、千年帝国・セッツェンの姿を垣間見ることはできなかった……。



…序章ほど面倒で読みにくいものはないですね(笑)。
二十代前半に書いた、初の長編小説です。











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