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第1話
誰かを残していくのは、どんな気持ちなのだろう。

親、兄弟、友達・・・・・・人間は様々な繋がりがある。

それらを繋ぐ輪が途切れたとき、途切れなくとも自分達では一生手の届かない場所に行ってしまった時、周りの人は、そして当事者はどう思うか。

残していく側は。
そして残される側の気持ちは・・・・。







新暦75年 ミッドチルダ臨海第8空港近隣


廃ビルの屋上に一人の青年がいた。
目を閉じ腕を組んで手摺りに寄りかかっている・・・・名前は高町雫。
彼が何故こんな所にいるのかと言うと今日この場所で魔導師ランク昇級試験が行われる事になっているからなのだ。
雫は目を開けて、腕に付けている腕時計で時間を確認すると寄りかかるのをやめて懐から長方形のカードを取り出すと小さく呟いた。

「・・・龍鱗、set up」

その言葉と共に雫は光に包まれ、1秒にも満たない時間でその光は消え去った。
雫を見ると、通常の服装から変わって式服を着ていて背中側の腰に二刀の刀が左右に分けて十字に交差するように腰に差されている。刀を差しているので分かるように雫は剣術を嗜んでいて、名を「御神流」。正式名称は「永久不動八門一派・御神真刀流、小太刀二刀術」である。
そして雫の差し方は御神の剣士の中で最も使われている差し方で「十字差し」という。

準備万端で待っていると、突然空中にモニターが現れそこには一人の少女が映っていた。

「おはようございます。さて魔導師試験受験者の高町雫さんですよね?」

「はい!」

「確認しますね、高町雫二等陸士。所有している魔導師ランクは陸戦Cランク、本日受験するのは陸戦魔導師Bランクへの昇格試験で間違いありませんね?」

「はい、間違いありません」

「それと本日の試験官を務めますのは、私、リインフォースⅡ(ツヴァイ)空曹長です。よろしくですよ~」

「宜しくお願いします」

雫はリイン曹長に敬礼した後、試験の簡単な説明を受けた。
試験内容は結構簡単で、各所に設置されたポイントターゲットを破壊し、制限時間内にゴールすることだった。

「そしてですね、高町さんと同じように陸戦魔導師Bランクへの昇格試験の受験者が二名いらっしゃいます。その方達と合流して3人でゴールを目指してもらいたいです。合流地点はここ、間違えないようにしてくださいね?以上で説明は終わりですが、何か質問はありますか?」

雫は手を顎に当て考える仕草をすると、ありませんと答えた。

「それでは、スタートまでもう少し。ゴール地点で会いましょう、ですよ~」

軽くウインクしてからモニターは消えた。
雫は試験官のあまりの軽さに驚きながらも開始の合図を待った。
しばらくすると空中にカウントダウンライトが映し出される。
ライトが一つ消え、黄色に変わりライトの二つ目が消え赤くなる。
カウントダウンと共に体勢を低くして足に力を込めた。
そして最後のライトも消え、開始の合図と同時に走り出した。



八神はやてside



試験の様子をフェイト執務官と八神捜査官がへリの中で見ていた。

「お、さっそく始まってるなぁ。リインもちゃんと試験官してる」

「はやて、ドア全開だと危ないよ。モニターでも見られるんだから」

「は~い」

一緒にヘリに乗っているフェイトに言われてはやてはドアを閉めて席に着いてモニターを見る。

「この二人がはやてが見つけた子達だね」

「うん。二人ともなかなか伸び代のありそうなええ素材やよ」

「そして・・・・・・雫・・」

「そうや。昔から可愛い年下の弟って感じだけど、あんまり変わってないな?」

「そうだね」

はやてとフェイトは楽しそうに雫が映っている映像を見ていた。
フェイトは視線を2人の少女達に移し感心していた。

「この2人なかなかいいチームワークだね」

「せやね。だけど、難関はまだまだ続くよ」

はやてとフェイトちゃんはモニターを見ながら呟く。
そして、はやてはモニターのパネルを押す。

「特にこれが出てくると受験生の半分が脱落することになる最終関門……大型オートスフィア」

「今の三人の技術スキルだと普通なら防御も回避も難しい中距離自動攻撃型の狙撃スフィア」

「どうやって倒すか知恵と勇気の見せどころや」

2人は互いに軽く笑みを浮かべるとモニターに視線を戻した。


高町雫side


雫は建物内の大量のオートスフィアの攻撃を避けながら一機一機確実に潰していた。
倒し忘れがないか確認すると、少しでも時間を短縮するため窓ガラスを破って地上へ着地した。
合流場所へ向かうとまだ来ていないのか、自分と同じ受験者2名の姿は無かった。
その場に座る事無く立って2人の到着を待っていると、遠くから急いでこちらに向かっているのを目視で確認した。
(1人はローラーブレードを履いた青い髪の女性でいかにも活発そうな女性。手に付けているものからすると接近戦が得意みたい。もう1人はオレンジ色の髪をした女性で、こちらは銃型デバイス、遠距離型って感じなのかな?)
そう考えながら2人の到着を待った。

「すいません、遅れました。どれくらい待ちましたか??」

オレンジ色の髪の女性が謝ると雫は答えた。

「大丈夫です。自分も今来た所ですから」

「ねぇねぇ、もしかして高町雫さん??」

隣の青い髪の女性が質問してきた。

「そうですが・・・・貴方は確かスバル・ナカジマ二等陸士と、隣がティアナ・ランスター二等陸士ですよね?」

「私達のことを知っているんですか?」

「知ってますよ、2人とも訓練校では有名でしたし、首席で卒業していますから。それよりも時間があまり無いのでゴールへ向かいながら話しましょう」

2人は頷くと走り出した。
雫はリンカーコアはあるがバリアジャケットや念話くらいしか使えないと話すととても驚かれた。
それから3人は二重になった高速道路の下部でオートスフィアと交戦したが、ティアナが躓いて足首を負傷してしまった。
自分を置いて2人でゴールしろと言われたがそんな事出来るわけがなく、雫は無理矢理ティアナを抱え次の場所、最終関門……大型オートスフィアへと向かった。
ティアナをオートスフィアに狙い撃ちされない位置に置いてくるとスバルと雫はスフィアが撃てない反対側のビルにいた。

「(2人とも準備はいい?)」

「(うん)」「(大丈夫です)」

その返事を聞くとティアナはフェイクシルエットでスフィアをティアナ側へ攻撃を集中させた。

「じゃあ行くよ!」「はい!」

「いっけぇ!! ウイングロード!!」

スバル作り出したウイングロードで巨大スフィアのいるフロアにたどり着くとすぐにスフィアは2人を攻撃し始めた。
それを避けながらスバルは大型スフィアに殴りつけた。スフィアが展開しているバリアはなかなか硬かったが、スバルはバリアを破壊した。

雫は抜刀の構えを取った。

 ー御神流奥義之壱『虎切』ー

御神流、抜刀術型の奥義。鞘走りを使用し、高速で放つ事が出来る。
雫は神速と共に虎切を使用し刀を鞘に納めるとスバルを抱えて道路側へ窓をぶち破り飛び出した。その瞬間さっき居た中で爆発音とともに破った窓から煙が出ていた。
ティアナは作戦が成功した事に喜んでいるみたいだったが、スバルは雫のさっきの攻撃が自分には見えなく驚いているようだ。

「よいしょっと…」

「いたっ!ちょっとスバル!もう少し優しくしなさいよ!」

「ご、ごめん。ティア…」

大型オートスフィアの撃破後スバルと二人でティアを迎えにきている。
スバルがティアをおぶっているが何処かに足が当たったのかティアが文句を言う。

「もう時間がありません、急ぎましょう」

「うん!」

3人は急いでゴール地点を目指した。

「ティア、あと何秒?」

「あと16秒!まだ、間に合う!」


そうスバルに言って最後のターゲットを破壊する。


「よーし!魔力全開!!」


グンッとスバルが思いっきりスピードを上げる。
いきなりの事で雫もティアナもびっくりしたがスバルは気にする事無く全速力を出し続けた。

「ちょっと、スバル!あんた後の事考えてるんでしょうね!」

「へ?!」

その間もグングンとゴールに近づいていく。

「ごめん、考えてなかったぁ!!」

「うそでしょ!?」

「「うわあああああ!!!」」

雫は何とか2人を止めようと試みたが、それより早くなのはがアクティブガードとホールディングネットで助けたようだった。
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