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le freak 作者:やましたよしのぶ
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001-

001

泣いているのは誰だ?

泣いているのは僕だ。

どうして泣いているのだろう?

こないだお茶をこぼしてしまったのは君のせいかもしれない。

あと一歩のところだったのに、、


君の気分を良くするにはどうしたらいいかな?
僕の気分を良くするにはどうしたらいいかな?

いままでそれに気づかずに、

私は長い間、君に振り回されていた。


002

私は小さい頃無口な少年だった。

両親も無口だったからしょうがないかもしれない。

けど、無口は損だ。


僕はピアノを習っていた。

僕は案外良い成績を取っていた。

そしていつもなにかに追い立てられていた。

ある日、追いつこうとする努力をやめた。


これは僕の少年時代の話だ

いまでも、時々夢を見る。象徴的に。


003

ちいさい悲しげな子猫を見るのはせつない。しかし、

ちいさく、愛らしく、素直に愛情を求める子猫と遊ぶ。

これも結構せつない。どうしてだろう?

なんにせよ、癒される。


004

小さな嘘。

誰も、最初はそんなつもりじゃなくって、ものすごく
単純に、軽い気持ちだったんだけど、、

それは、私につまらない単純労働を何年も義務付け、
どこにもいけない恋愛を何度も繰り返させた。

せっかく整備した広大な農園を自ら破壊していく、、

それはそのうちに巨大な爆弾を自ら製作する為に、私に
膨大な量の科学入門書やら、なにやら押し付ける。

だけど、それでゼロになるわけではない
より強固な軍隊が生まれるだけだ。ゴールの前で11人が
攻めもせずに、ひたすらじっと耐え抜くサッカーチームみたいだ。
もちろんそんなチームをだれも応援したりはしない。

そしてある日、その小さな嘘がどんな話だったかも忘れてしまう。


005

自分を信じなさい。

私はこの言葉を呪文のごとく唱える。


006

どこかに魔女が住んでいる。

現代の魔女は、普通の人となにもかわらない生活をしている。

自分が魔女であることをだれにも言ったりしない。面倒なのだ。


秘密を告白するには十分な注意が必要だ。


一人の魔女はちょっとしたお金持ちと結婚し
双子の娘と4人で仲良く暮らしている。ねこもいる。
娘達も魔女なので、なかなか子育てに苦労している。

旦那はやさしい人だ。そして魔女になってみたいと思うのだが
そんなに簡単ではない。別に強く望んでいない。


一人の魔女はあるロックバンドのボーカリストとして
生計を立てている。何人かのファンは、、、彼女は
魔女ではないか?と騒いでいる。確かに彼女にはそんな雰囲気がある。
まあ、そりゃそうなんだけど、、、

まだ独身だ。なにか近寄り難い雰囲気もある。


自分だけが持つ、ある特殊ななにかを、わかりやすい
目に見える形で持っている人がいる。

ものすごくいりくんでいて理解しにくい、
特殊ななにかをつかめそうでつかめない人もいる。
ものすごくいろいろな感情が複雑に絡んでいる。


特殊な自己の存在にまったく気づかない人もいる。
特殊な誰かを批判する人もいる。


なにはともあれ。


秘密を告白するのはとても勇気がいることだ。
みんな一緒だ。


007

魔女が、その魔女的ななにかに悩まされる以外に
生きていくのはかなり簡単だ。

その特殊性を現在、市民権をきちんと得ている特殊性
に変換すればいいだけの話だ。人はそれを才能と呼ぶ。

もう一人の魔女はその道ではかなり有名なヒプノセラピスト
として生計をたてている。彼女に会いに多くの人が
訪れ、かなり忙しい生活を余儀なくされているが、
もちろん、弟子になにひとつ教えられない。

「職業間違えたんじゃないの?」と他の魔女から
よくからかわれるけど、彼女なりに満足しているみたいだ。


008

昔、なにしてもいらいらして、親切な友人が懸命に
そのいらいらを解きほぐそうと努力したけど、結局
なにをしても無駄だったということがあった。

いったい何が原因でそうなったのかわからないけど、
私はそれを見えるものすべてにぶつけた。
なにもかもがとても歪んでいて、くだらない俗物で
本来あるべき(と自分が思っている)誠実さが理不尽な
なにかに容赦なく破壊され、私の同意もなにもなく
私は巻き込まれていると思っていた。どこにもいけない。

外にぶつけても無駄だと悟った頃、私は街を転々とした。
いろいろな出会いがあった。今、その人たちに
とても感謝している。嫌なこともあったけど、良い思い出だ。
今、どこでなにをしてるのかさっぱりわからないけど
元気でいて欲しい、何人かは、それでちゃんと生きていけるのか
心配になるような人ばかりだけど、、、

009

私は仕事はちゃんとやる人だ。遅刻もしないし、与えられた
仕事はいつも上司の期待以上にこなしていた。だけどそれだけだ。

頭の中ではいつも違うことを考えていた。私なりの
ベストな仕事をイメージしていた。若い頃、私はたくさんの
提案を上司にぶつけてみたが、ことごとく却下された過去の経験が
そうさせてるのだと思う。

イメージ通りに会社が動くこともあった。

しかし、なにはともあれ、私はある時期がくると会社を去り、
その街を去った。同じ事を繰り返すとわかっていても
何度かそのサイクルを繰り返した。

010

一人の元同僚は青森県出身の男だった。
いつもおどおどしていて、お金にだらしがなく
上司に余計な仕事を文句もいえずに押し付けられ
私にささやかな愚痴をこぼしながら仕事をしていた。

いつもわずかなお金に苦悩し、ひきつった笑顔で
私にお金を借りに来た。たった500円だ。

「今日は自分も持ってないんだよ、銀行にいかなきゃ、、」

ある日、私は明らかな嘘でその悲願を断った。
彼はひきつった笑顔のままその場を去った。
彼は他の人に借りた500円を返せず、
その人が腹をたてて、しつこく請求してきたのだ。

次の日に彼は無言で会社を去った。
何人かの同僚達は貸したお金を返さずに消えた彼に対して怒っていた。
どれもわずかな金額だった。でも、なんだかお金を返さない彼に対して
怒っているというより、なにか違う事に対して怒っている
みたいだった。彼はなにかのキーワードとして存在していた。

何日か過ぎるとそれが笑い話となり、そしてみんな
忘れていった。噂によると今、彼は名古屋にいるらしいが
おそらくまた同じ苦悩を抱えてなんとかやっているんだと思う。
なんというか救いようのないところが多くあるけど
基本的には親切な男だった。元気でいて欲しい。

そういう私もなかなかお金に関しては、人の事とやかく
言える資格なんてない。まったくない、話すのも嫌になるくらい
私もなかなかの貧乏人だった。一冊の本をかけそうな位だ。

誰もそんな本は読みたくなんかないと思う。開くのも嫌だと思う。
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