大切な夢縦書き表示RDF


基本的、平和と新蘭です★
大切な夢
作:麻衣


「すまんけど、和葉。俺、あの姉ちゃんの事好きなんや」


・・・え?何ゆうてん、平次・・。あの姉ちゃんって・・蘭ちゃんのこと?

「だから、もうお前とは一緒におれへん」


・・・そんな・・嫌や!何ゆうてんの、平次!?そんなん嘘やろ!?

「ほなな。和葉。いい男みつけれよ。俺は蘭と頑張るよって」


嫌や・・。嘘やろ、平次!?何でよりによって蘭ちゃんなん!?


嫌や!行かんとって・・、平次。行かんとって!!



「和葉ちゃん!!大丈夫!?和葉ちゃん!」


ピピピ・・ピピピ・・ 目覚ましのアラーム音と同時に蘭が叫んだ。

「・・・んっ・・蘭・・ちゃん。え・・蘭ちゃん!?」

「良かったあ。和葉ちゃん、今すっごいうなされてて・・。」


和葉はベッドから起き上がった。


何で蘭ちゃんがおるん!?


ああ・・そうや。今蘭ちゃんたちと沖縄に旅行に来てたんや。

それにしても・・今の夢何やったんやろ?


平次が・・蘭ちゃんのこと・・。


和葉はそう思いながら蘭の顔をまじまじとみつめた。


「・・?どうかした?和葉ちゃん。」

「なっ、なんでもあらへんよっ!」


和葉はバッと毛布にくるまった。蘭は心配そうな顔をしていたが和葉は見てないフリをした。



・・・あかん。今、蘭ちゃんと顔あわせられへん。


正直、イライラする・・・。

何やったんやろ?あの夢・・・。


和葉がそう思っている時、コンコンとノック音が聞こえた。

「はい」

蘭がガチャッとドアをあける。


「蘭たち支度できたか?」

「あっ、新一!まだできてないの。何か和葉ちゃん具合悪そうで・・。」

新一と蘭の会話。それに平次がわりこんだ。


「なんや、和葉?具合わるいのか?」

平次は毛布にくるまっている和葉に問いかける。


「べっ、別に悪くないっ!支度するで、外におって!」

和葉が大声でさけんだ。



・・今、一番イラつく張本人や・・。何であんな夢みたんやろ?

平次が蘭ちゃん好きになるなんて、ありえないやん。

蘭ちゃんには工藤君がおるのに。

そんなん、あるわけない。


和葉はたちあがり、蘭に笑顔で言った。


「あっ、ただ変な夢みただけやから気にしんとってな!大丈夫やから!」

「うん!わかった。大丈夫ならいいけど・・。今日は水族館いくんだって!」

「ほんまにぃ!?めっちゃ楽しみやわぁ〜!!」



あんな夢、忘れてしまお!ただの夢や!!

和葉はそういいきかせながら、支度をおえて外にでた。

「あっ、和葉ちゃん。大丈夫?」

新一が心配そうにきいた。

「あっ、大丈夫!変な夢みただけやから!」

「どぉ〜せブクブク太る夢でもみたんとちゃうか?」


バコッ


和葉は平次の頭をたたいて「さっ、いこっ!蘭ちゃん!」と言った。


・・工藤君は平次と違って優しいなぁ・・。

蘭ちゃんがうらやましいわ・・。


和葉はそう思いながら笑っている蘭をみた。


数十分後――


「わぁ〜!!綺麗やわぁ!」

和葉たちは水族館の中の水槽をみていた。

「あっ!向こうに熱帯魚があるよ!!」

蘭が和葉に笑顔で言った。

「相変わらず子供っぽいな、蘭」

新一が蘭をからかう。

「べっ、別にいいじゃない!」

新一と蘭がじゃれあっているのをみて、和葉は笑った。


・・今思えば、馬鹿らしいわ。あんな夢。

そう和葉が思っていた時、後ろから蘭を呼ぶ声がきこえた。


「姉ちゃん!ちょっといいか?」

平次が蘭にゆっくりと言った。


・・・平次!?

なっ、何で蘭ちゃんを呼ぶん!?

「えっ・・うん。」

蘭は戸惑いながら、平次のほうへいき、2人でどこかに歩いて消えた。


・・・嘘やろ?

あの夢・・本当やってん?

2人でどっかいくとか・・ありえんやん。

「くっ、工藤くん!!」

和葉が新一の方を向くと、新一もかなり動揺していた。


「なっ、何の話だよ・・?」

「・・・おかしいよなあ!?何で・・」

和葉がそう言いかけていた時、蘭が走って戻ってきた。

「ごめんね!話してて!!」

和葉は蘭にゆっくりと聞いた。


「なっ、何の話してたん?」

蘭は一瞬ビクッとなったが笑顔で言った。

「内緒!!ごめんね、和葉ちゃん!」

「内緒って・・。」

蘭はそういうと、平次とアイコンタクトをした。


・・・なんなん?

2人して・・。


『俺、あの姉ちゃんの事好きなんや』

和葉の中で平次の夢のなかの言葉がこだまする。


・・ないない!!

・・・絶対ない。


和葉はそういいきかせた。

新一は蘭のあとから歩いてきた平次にといかける。

「お・い!お前蘭と何はなしてたんだよ?」

「あの姉ちゃんからきいてないんか?」

「はぁ?」

「内緒や!内緒!!」

平次は笑顔でそう言った。

和葉はその様子をみて、かなりイライラしていた。


・・・なんやのん?

蘭ちゃんかてあたしの気持ち知ってるくせに・・。

2人して内緒の話とか・・。


そしてホテルに帰る頃、雰囲気は最悪だった。


平次と蘭の2人はまだこそこそと話をしていた。

それをみていた新一がブツブツいいながら、和葉の隣に並んだ。


「・・何なんだろうな、あの2人・・。」

新一は後ろをみながらイラつく声で和葉に言った。

「・・うん。いつもあんなに仲良うないのに、なんか今日おかしいよな・・。」

和葉は沈んだ声で言った。


・・あの夢本当やったのかもしれん。

平次、全然あたしの気持ち気づいてくれへんし・・。

蘭ちゃんかて工藤くんがおるのになんなん?

2人して最低や・・。


数十分後―

四人はホテルにつき、ロビーで鍵を渡された。


平次たちとまたおちあう約束をし、和葉たちは部屋の鍵をあけた。

黙っている和葉をみかね、蘭は笑顔で言った。


「和葉ちゃん!次有名なレストランでご飯食べるんだって!」

「・・・そうなんや。蘭ちゃん・・先いっとって?あたし色々準備しなかんくて」

蘭の言葉をさえぎるように和葉は冷たく言った。

蘭は少しうつむきながら「わかった」と言った。


・・あかん。自分・・めっちゃ嫌な人になっとる。

こんなつもりじゃないねん。

ただ・・蘭ちゃんと平次の何かわからん話に嫉妬しとるだけやねん・・。


和葉は自分にイラだった。

そして部屋にはいりため息をつく。

「はあ。もう・・なんなん」

・・楽しいはずの旅行が・・台無しや。

蘭がいったのを確認して、和葉はノロノロと支度をして、部屋をでた。


「ねえねえ!君一人?」

誰かによびとめられ、和葉はゆっくりと顔をあげた。

「・・・一人やけど・・何?」

イライラしながらいう和葉に向かって話しかけた2人の男。

「どっかあそびにいかない?俺たち彼女いなくてさ!旅行に沖縄きたら君みたいなかわいいこ

いてラッキーだよ!」

・・きしょ。

あたしによってくる男は・・みんなこんなもんやん。

・・いいことない。

和葉は無視して通り過ぎようとした。

ガシッ

・・え?

しかし男2人は和葉の手をひき笑顔でいった。

「おれたちどっか遊びにいくけど、いこうよ!もちろんおごり!」

「・・あんたら・・いいかげんにしんとその手へしおるで」

和葉は冷静な顔で手をふりはらった。

男たちは少しビクッとなった。

「和葉、俺あの姉ちゃんが好きなんや」

ふと和葉の頭にこの言葉がよぎった。

・・・え

そして2人で仲良く話をしている姿が目に鮮明によみがえった。

・・・平次かて・・。

和葉はそう思い、一言「・・あそびにいく」とつぶやいた。

「ほんと〜?やりい!じゃあいこいこ♪」

2人の男は顔がパッと明るくなり、笑顔で和葉の手をつれて、平次たちがまっている方向と逆

の方向に歩き出した。


・・あたしが悪いんやない。

和葉はそう思い、つられるがままに外にでた。


「おそいね〜。。和葉ちゃん」

そのころ3人はこない和葉をまっていた。

「先いってくれっていったんだろ?」

「うん・・。少し心配だからみてくる!」

そう走りだそうとした蘭を平次は大声でよびとめた。

「ちょおまて!俺がいくわ」

「え・・。」

蘭は振り向いた。平次は「まっとってくれ」と蘭と和葉の部屋に走り出した。


その頃――

「どこいきたい?」

つられるがままに和葉は男たちと沖縄の街にくりだしていた。

「・・・どこでも」

和葉は平次と蘭のことが頭から離れなかった。

「じゃあ!・・・ここいこうよ」

「え・・」

和葉は目の前にあるきらびやかなイルミネーションを見上げた。

「・・ちょっ・・ここって・・」

「・・そう。ラブホテルだよ」

ニヤニヤと2人の男は和葉の両手をつかんだ。和葉が叫んだ。

「なっなにかんがえとるん!?あそびにいくって・・あっ・・」

ドスッと鈍い音がきこえ、一人の男が和葉の腹をなぐった。

・・・ああ。

あたしこのままやられて終わりなんや。

・・バチがあたったな。・・平次ごめんな?

薄れていく意識のなかで和葉はそう思った。

ドサッ 倒れた和葉をかかえ、2人はゆっくりと歩き出した。その時――

「お前らあ!!!和葉つれてなにするきや!!!」

大声で平次が叫んだ。息ぎれをして汗ダラダラの平次がそこにいた。

「はあ?お前誰だよ。このこは俺らがみつけた獲物なんだよ!」

そうハハッと笑う男たちに平次は殴りかかった。

「・・っいってえ!」


「和葉をはなせ!!おまえら和葉になんかしたんやないやろおなあ!」


そう叫び、倒れている和葉をそよに平次と男たちは殴りあいになった。

ボゴッ

「・・っえ。お前なんなんだよ・・」

顔が傷だらけになった男たちはボソッとおびえた声でつぶやいた。

「・・・俺はただのこいつが好きな男や!!」

平次はそう叫ぶと、男たちはつばをはきながら「こんな女いらねーよ」とどこかにいった。

「・・っ・・はあ・・はあ・・」

平次は息ぎれをしながら和葉をみて「・・世話のやける女・・」とつぶやいた。

そして和葉をおんぶして、ゆっくりホテルへ歩いた。


「・・・ん」

ゆっくりと和葉が目をあけた。

・・気持ちいい・・。ここ・・どこやろ・・。

「おう!和葉、目ェさめたか?」

「・・・え・・平次!?」

和葉はびっくりして大声でいった。

「お前いきなりどっかにいきやがって!案の定変なヤツにほいほいついってってこのザマ

や!」

「え・・あ!あたし変な男に殴られたんや!!」

「・・だから助けてやったんやろが!」

和葉はまわりをキョロキョロ見回しながら言った。

「・・平次が助けてくれたん?その傷・・」

「俺以外誰がおるんじゃ!ぼけ!」

和葉は傷をみながら「・・おおきに。ごめんな」と言った。

「・・お前が遅いから部屋いったらおらんかて、街に探しに行ったらお前がおったん

や・・。そもそも!なんであんな変なやつについてったんや!このぼけなす!」

和葉は平次の言葉にムカッときた。

「はあ〜?助けてくれたのはありがたいけど、そっちが蘭ちゃんとラブラブしとったやない

の!」

そう叫ぶ和葉に平次は「・・は?」と言った。

「なんか2人でこそこそしとって!あ〜いやらしい!」

そういう和葉に平次は爆笑した。

「・・あはは!お前馬鹿やろ!」

「はあ!?馬鹿やないわっ!」

「明日、何の日かゆうてみ!」

「・・・明日?」

和葉はしばらく考えて「・・もしかして」とつぶやいた。


「お前の誕生日や!!」


そういう平次に和葉は「・・うそや」といった。

「うそなわけあるかい!自分の誕生日ぐらいおぼえとけ!」

・・・それでずっと蘭ちゃんと話してたん?

ずっと色々しようとかんがえとったん?


和葉はそう思うと、涙がでた。


「へっ平次ぃ〜!!」

「・・っおっおまっ・・そんなんでなくな!」

「だってぇ〜」

・・ずっと色々悩んでた意味も、2人でこそこそしとったことも、やっとつながった。

和葉をは平次におんぶされながら泣いた。

「和葉ちゃん!!」

大声がすると、蘭と新一が心配そうにホテルから走ってきていた。

「大丈夫!?携帯に電話したけどつながらなくて!」

「ごめんなあ!色々あって・・、だけど平次が助けてくれてん!」

そう笑顔でいう和葉に蘭は微笑んだ。

「何があったんだよ?」

心配そうにいう新一に平次はゆっくり言った。

「こいつが変な男についてっとって、助けたんや!」

「心配・・かけてごめんな・・。」

そううつむく和葉に蘭が笑っていった。

「でも無事でよかった!今日はもう寝よ?明日はやいし・・。」

「えっ・・でもご飯・・」

「大丈夫!腹へってねぇから」

新一は笑っていうと、平次を「いくぞ」とひっぱった。

「・・・っ平次!ありがとうな!!」

和葉は後ろ向きのまま大声でいった。

「・・はよねろよ!」

平次はそういい、そのまま別々の部屋にはいった。

色々の支度をすませ、二人はベッドにパジャマで横になった。


「・・蘭ちゃん・・。ごめんな」

「え?なにが?」

キョトンとする蘭に「誕生日会のこと知った」とはいわず、和葉はボソッといった。

「・・なっなんか・・変な態度・・とかとっちゃって・・。」

「全然いいよ!あたしだって和葉ちゃんと新一がそんなことしてたら嫌だもん!でも、ごめん

ね?この理由はあしたわかるよ!おやすみなさい」


そういう蘭に「知ってるよ」と和葉は思った。そして笑顔でいった。

「おやすみい!」


・・・色々考えすぎやったな。

夢も・・、なんであんな夢みたかわからへんけど、大事なこと気づかせてくれた。


あたしは平次が大好きなんや。

平次がおらんと生きていけへん。

和葉はそう強く思った。


翌朝――

「和葉ちゃん!おはよ!おきて!みんな下でまってる!」

「・・ん〜」

和葉はそうおもいながらゆっくりおきあがる。

・・・なんでこんな朝はやいんやろ?

そう思いながらしぶしぶしたくして、和葉はしたにおりた。

パンパンッ

「・・・わ!!」

大きいクラッカーとともに、大きいケーキが目の前にあった。

「誕生日おめでと〜!!和葉ちゃん!!」

そう全員が叫んだ。そして新一と蘭の合同のプレゼントを渡された。

あ・・。そえば誕生日!!昨日知ったばっかやん!!

・・・忘れとったわ。

和葉は冷静なつもりだったが、思わず涙がでた。

「あっありがとうなあ〜!!ヒック・・」

そう泣いている和葉にゆっくりと近づいてくる男の姿。

・・平次?

「お前は相変わらず泣きむしやな!」

「うっうっさいわ!」

平次の言葉にさらに涙がでる和葉。


「ってかなんで俺だけ教えてもらえなかったんだよ?」

新一がふくれていった。それをすかさず蘭が笑っていった。

「新一いっても、隠せとおせない感じがするから!」

「俺は探偵だぜ?どんな秘密も守る・・」

「はいはい」

新一の話を蘭が流す。2人のやりとりを和葉は笑いながらみる。

「どお?びっくりした?」

そう笑顔にきく蘭に

「めっちゃびっくりしたわあ!ほんま感謝でいっぱいや!」

と笑っていった。

「よかった!今まで隠しててごめんね!嫌な気持ちさせちゃったこともごめんなさい。和葉ち

ゃんをびっくりさせたかったんだ!」


和葉はその気持ちだけでも嬉しかった。

「ううん!こっちこそ変な態度とかとっちゃってごめんな!」

そう笑いあう二人を平次と新一は笑いながらみていた。

「ほな!朝からやけど、ケーキくおか!」

そうケーキのところにむらがっている間、平次が和葉の耳元でつぶやいた。


「好きや」


・・・え。

今・・平次なんて・・

和葉は目をまるくした。その様子をみて平次はムシャクシャした顔でいった。


「だ〜か〜ら〜!いっぺんできいとけ!ぼけ!お前が好きやゆうてんねん!!」


そう叫ぶ平次に蘭と新一はびっくりした。

・・・嘘

嘘やろ・・?



平次があたしを好き・・?

さんざんからかわれて・・幼馴染って思われてた・・このあたしが?

「・・うっ嘘・・」

「・・嘘やない。ずっと自覚なかったけど、昨日和葉がおらくなって心底心配したんや。」


「んで、俺お前が大切なんやなって。好きなんやなって気づいた。」


そう照れながらいう平次に和葉はガバッと抱きついた。

「うっうそや〜!!これ・・っ・・絶対夢や〜!!」

「ちゃっちゃうわ!!もういわんでな!!これがお前に対するプレゼントや!」

・・・ほんとに?


それ・・ほんまなん?

和葉は大声で叫んだ。

「うちかてずっと好きやったんやで!!」


平次は笑いながら「そんなんしっとるわ」といった。


「・・なんか邪魔みたいだね」

「だな。どっかいくか!ついでにあそぼうぜ」

新一と蘭はコソコソとその場を抜け出した。


平次と和葉はずっといいあっていた。


「あの夢ほんとやなくてよかった〜!!」

「夢ぇ?」

「平次が蘭ちゃんのこと好きになる変な夢やねん!」

「・・あほか。ほれ!みてみい!」

平次が指さすほうをみてみると、手をつなぎながら笑顔で話す二人の姿。

「・・ほんまや。」


和葉は笑った。平次も笑った。


・・・ありがとな。平次。


すっごいすっごいうれしいプレゼントもらったわ!!



和葉は心のなかでつぶやいた。






はじめての短編です。そしてものすごく長いです(汗)ここまで読んでくれてありがとうございました!ぜひ感想ください。最後、展開が少しはやくなってしまったことをお詫びします(汗)













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