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VAN 〜crazy golems story〜
作:黒田猫男



 36話 2人の苦悩





『この屋敷は二人一組で進んでもらいます。』
『道は二つあります。二十歳以上は右の道へそれ以下は左の道へお進みください。』
『それでは、ごゆるりとお楽しみくださいませ。』




最初の看板に書いてあった指令どおりとりあえず僕と歌姫、先生と社長で別れ、進むことになった。この暗闇と空想の化け物の徘徊し、本物の危険人物がいる中ではみんなで一塊になってたほうが危険が少ないと思うんだけども、僕意外は犯人探しよりもアトラクションのほうが楽しみみたいだ。
特に歌姫はお化け屋敷とかそういうものには目がないらしく、僕の隣で鼻息を荒くしている。ぶっちゃけ絶対アイドルになんか見えな――――


「ねぇ、狂人さん。」

(!?)

「な・・・・な、何?どうしたの?」

(ぼ、僕の考えていることを察したなんて・・・ことはないよね?先生じゃあるまいし。)

考えてることが考えてることだったので、感づかれたのかとあせりつつ隣を見るとさっきまでの明るさはどこに行ったのか、沈んだ顔の歌姫がいた。その顔を見たとたん、その場の空気がガラッと変わった気がした。


もともとの部屋の暗さのせいか、沈んだ顔をした歌姫のせいか、僕は言葉を飲み込んだ。
僕自身、少し心を落ち着けて話を聞いてみることにして、ゆっくりと息を吐いた。


すると、下を見たまま動かない歌姫がぽつぽつとしゃべり始めた。



「例えば、・・・例えば何ですけどね、もし自分が親に捨てられたとしたら、どう思います?」



・・・親??・・・・・。・・・・・・・捨てられる。・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



(ははは・・・。それを、僕に聞くのかぁ・・・。)


(親、か・・・。)


僕の両親・・・・・・・・・・・・。

あの日・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



幽霊屋敷の薄暗い天井を仰ぎ見ながら、あの事件が起こってからの両親、あの態度、それを反芻した。




二人とももともと気持ちの弱い人たちだったから、僕って言う頭のおかしい存在に強く言うことなんてなくて、事件後はただただ、よそよそしくなっていってた。そのころは僕のことに関していろいろとマスコミ関係がかぎつけてて、二人ともノイローゼになってたのを覚えている。

事件から10日ほどたったころだったかな、学校から帰ってきたら、いつも家に迎え入れてくれた母さん、仕事から帰ってるはずの父さんがいなくなってて、一つの手紙がおいてあった。

内容は出て行くことへの謝罪とこれからの生活費に関すること。



それだけだった。




すぅっと自分の記憶の中から今この場に舞い戻る。

(僕は・・・・うん、捨てられた、んだよね・・・・。)

僕が置かれたこの事実を、改めて理解して、それまでの両親のいた日々の楽しさを思い返していた。そして、その後の苦しさも。





「えっと・・・聞いてます?」

気がつくと歌姫が僕の顔を少し不思議そうな目で覗き込んでいた。

「・・・・・え?あ、・・・ごめん。・・・・・・・・・ちょっと・・・・・トリップしてた。」

「えっと、ですから、例えば何ですけどね。・・・・・親に勘当されたりしたらどう思います?」

さっきと同じような質問、それについてどうしても意見が聞きたいらしい。ここは・・深読みはやめておく、べきかな。


・・・う〜ん・・・・・・・。
どうだろう。・・・・・今まで考えてたことを記憶の箱から出してきて、頭の中で整理してみた。そしてそれらを考えながら、言葉をつむぐ。



「僕なら・・・・・うん。まず、何で勘当されたのか、何で捨てられたのか、考えるね。」

「う、・・・・・・で、でもその理由が仕方のないものだったら、どうします?」


少し顔をしかめながら歌姫が続きを催促した。
そう、僕が捨てられたのも仕方のない理由。・・・・・・僕が、壊れてるから。

「仕方のないものだったら、か。・・・・・うん。僕は、あきらめるよ。両親を、あきらめる。」

僕自身が認めてしまえば、それでおしまい。生活はできた、生きていくことはできた。


(でも。)



「でも、僕は、できることなら・・・・・・・・もっと、ずっと、・・・・一緒にいたいと思うよ、二人と。・・・だって、・・・・・・世界でたった二人の、両親だからね。・・・大切にしたいと思うのは、当然だよ。」


歌姫はすっ、と顔を正面のほうにそむけて、ため息をついた。僕の言葉に何か思うことでもあったんだろうか、と考えてみたけども顔を見ることすらかなわないので感情が読み取れない。




「そういうものですか・・・。いえ、そうですね、・・・・そういうものですよね・・・。」


あははは・・・・・とから笑い。僕にはその顔は少し悲しげに見えた




パンッと乾いた音がしたので横を見てみると、歌姫が自分の頬を自分で両方から張っていたようだ。気持ちの切り替えってやつなんだろう。

っはは、・・・そうだな、僕も見習っとこう。



「よぉし!!!じゃあ、お化け屋敷、楽しみましょう!!!!!」

お〜っとその気合に乗って僕も笑いながら二人で先に進むことにした。


さっきまでの暗い話を、忘れたふりして。







・・・謎の悲鳴が上がるまで、あと15分。・・・・いや、僕や歌姫の悲鳴じゃあないぞ?





…どうしましょう。


最近、話がめっちゃ説明不足です。やばい。訳わかんねーって言われること必須かもしれません。

改善しときますかー。…頑張ります。











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