表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める人生改革 ~貴族編〜  作者: 桐地栄人
〜第一章〜 幼年期
21/177

第19話 魔法解禁

しばらく沈黙が続いた後、部屋にノックの音が響いた。


そしてメイドがその扉を開けるとそこにはお母様がいた。


「あ、お帰りなさい!お母様!」


「ただいま、レイン。

会いたかったですよ」


「僕もですよ」


と言って抱擁される。


(ウッ・・・・・・)

と体を硬くするが、お母様は気づかなかったようでそのまま話を続ける。


「私がいない間はどうでしたか?」


「少し外を歩いて参りました」


「はい?今何と言いました?外を歩いてきたのですか?馬車で回ったのではなくて?」


(あれ?ここに直行でもしてきたのか?お父様にお会いしてたなら絶対俺の事言ってただろうし)


そうおもい、正直に答える。


「はい!自分の足で歩いてきました」



「えっ?自分の足で歩いたのですか?侍女に抱っこしてはもらわなかったのですか?」


「はい!自分の足で歩きたかったのです」


「・・・」


そしてまた沈黙ができた。

暫くすると俺と目線を合わせるようにしゃがみ、


「いいですか、レイン。

貴方は、他の人よりも、いえ、普通の人よりも3倍速く走ることができます。

ただでさえ目立つのです」


「目立ってはいけないでしょうか?」


「いえ。

ですが悪目立ちはしてはいけません。

あまり奇妙な目で見られる貴族になってはいけませんよ」


「わかりました。気を付けます」


それからメイドの方に向き、


「いいですか?この子が大きくなるまでは外ではあまり歩かせないようにさせて下さい」


「かしこまりました、奥様」


と言って深くお辞儀した。


「ところでそちらの少女はどちら様でしょうか?」


そう言ってスクナの方を見る。


「僕が奴隷商人から買い取った奴隷です!」


「は?・・・」


今日2度目の絶句をいただいた。


「レ、レインごめんなさいもう一度言って。

な、なんと言ったの?」


「はい!今日僕が行ってきた奴隷商館から買ってきた奴隷です!

ほらスクナもあいさつあいさつ!」


そう言ってスクナの方にふる。


「あ、あ、ああああの、あの、わわ、わたしのなまえ、ええっと・・・す、スクナと言います!!

よろしくお願いします!!!」


すごい緊張しながらそう言った。

(スクナ、とりあえず噛みすぎだな)


肩甲骨をポンポンと叩いてやる。


「と、言う訳で奴隷を買いました」


「いえ、レイン。

前後が繋がってないわ。

何故奴隷を買ったのですか?」


「自分で育てた側近が欲しかったのです!」


「そうなの・・・


貴族としては大変立派な考え方よ。

でもまだ少し早すぎるわ

まだあなたが産まれて3年ちょっとしか経ってないのよ。

そんな急ぐことはないと思うわよ」


(急ぐさ、急がずにはいられないのだよ、お母様)


俺の計画を実行に移すには、早い方がいいのだ。


「そうでしたか・・・

ですが、せっかく買ったのですから、このまま僕が育ててもよろしいでしょうか?」


「ええ、貴方の自由にしたらいいわ」


「お母様、ありがとうございます!

それで1つお願いがあるのですがよろしいでしょうか?」


「何かしら?」


「あと、このスクナは火魔法の魔法才能を持っています」


そう言った瞬間お母様の顔が固まった。


「あの魔法を育てたいのでお母様が禁止にしている魔法書の閲覧許可が欲しいのですが」


お母様は相変わらず固まったままだ。


これが俺が魔法使いを買った理由だ。

彼女に見せることを口実にすれば、その過程で俺もその本を見ることができる。

即ち一石二鳥を狙った作戦である。


それからお母様が口を開いた。


「あ・・・、そ、そうね、魔法才能があるのなら魔法書は見せなければならないわね」


と、自分を納得させるように言った。


「いいわ、分かりました。今日から魔法書をみることを許可いたします」


「ありがとうございます!お母様!!」


(おお!やったぜ!!こんなあっさりと許可されるとは微塵も思わなかったぜ!

てっきり、では、スクナにだけ見せましょう、とか言うかと思ってた。

とんだ棚ぼただ)


正直上手くいこうがいかまいがどちらでも構わなかった。

だがもらえるなら貰っておく。


こうして俺は魔法書の閲覧許可をもらった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ