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異世界で始める人生改革 ~貴族編〜  作者: 桐地栄人
〜第二章〜 少年期
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第95話 魔神オルガノン

すいません。今回は短いです。

魔神オルガノン。


恐らく俺と同じ魔導王のスキルを所有していたと思われる最強の魔法使い。


彼を怪物、と呼んだがれっきとした人間だ。いや、本当は人ではないのかもしれない。少なくとも彼の妻は人であったと明記されている。


グロリアスの様に災害や災厄を防ぎ、国を創った訳でもなく、歴史に残る様な大きな戦で武功を挙げた訳でもない。

彼は偉業を成し遂げはしなかった。だが、その代わりに復讐を成し遂げた。


当時世界第3位の大国の王子に妻を殺された。

それに激怒した彼はたった一人でその大国を滅ぼしてみせた。

使われた魔法は当時、誰にも使うことが出来ないとされた魔法。

現在は禁呪に指定されている魔法である。

その中で世間に出回っている魔法は聖魔法レベル10、水魔法レベル10に達している場合のみ唱える事が可能になる最高の癒しの魔法。


オールヒーリングエリアのみである。


国を一人で滅ぼしただけならばグロリアスという前例がある。


オルガノンとグロリアスとの違いは殺した人間の数だ。


グロリアスが殺した数=彼の前に立ち塞がった数である。しかもグロリアスは確かに王城を落としはしたがその国の王様は殺さなかった。正確には殺せなかった、だろう。

単騎で突っ込んだグロリアスには全力で地の利を生かして逃げる王族を捕らえる術がなかった。

更に彼は基本的に魔法での広範囲攻撃はしなかった。

使えないわけではないし才能もあった。今となっては理由はわからないが、無関係な人々を巻き込みたくなかったのだろうと言われている。


だが、オルガノンが殺したのは、立ち塞がった数と罪無き人々である。

彼が城を落とす時、城の中心に炎の竜巻を造り、城内にいた生き物全てを容赦なく焼いた。そこに老若男女は問わなかった。

ただ怒りに任せて有り余る魔力を解き放った。

落とし穴などの罠、森で待ち伏せての奇襲、人数差を利用したひたすら攻め続ける時間差攻撃、その全てを蹴散らして見せた。


それは王城を焼き、逃げる王族を追って立ち塞がる兵や城を容赦なく焼き続け、数十万の死者を出したところでやっと彼は止まった。

止まった理由もやっとの事で殺されたのではない。

悪鬼無双と化した彼はやっとの事でその国の王族を滅ぼしたのだった。


これだけの事を起こして彼の存在が疑われる理由。


死体が未だに見つかっていない。


やっとの事で王族を皆殺しにした彼は天高く吠えた後フラリと何処かへ消えてしまった。

以後、彼が何処で何をしたといった噂がたつ事はなかった。


結局、彼が何者で何処から来たのかはついぞ分からなかった為、この話はあくまで伝説上の話となっている。


俺が攻撃魔法を使えたら恐らくはこういった事も可能だったのだろう。

少なくとも今の状況をアッサリと打破出来たのだろうと思うとちょっと神様に文句を言いたくなる。


結局俺はお父様からの命令には答えず曖昧なまま終わった。

俺の重要性くらい俺自身分かっているつもりだ。だが従えない物は従えない。


そんな曖昧さが招く絶望を知らずに俺達ポルネシア軍は帰路に着く。


それから3日が経ったその日俺達は本当の意味で実感する事になった。

この世界の個の強さを。




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