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ある魔心導師と愚者の話 作者:藤一左

《禍根の瞳》編

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第八話『茲菜の言い分と彼方の言い訳』

区切りどころ解らなかったので、ちょっと長いです。
 俺の停学処分も残すところあと僅かとなった。この土日が終われば停学も終わる。国語の教科書写し書きとか苦行かと思ったわ。

 妹に「雪取ってきて」って言われる物語とかどうでも良すぎるあまり『あめうじとてちて』の下りとか、間違えて『あみゅーずめんと千葉』って書いちまった。直すのめんどくさいからこのまま出すけどさ。いや、わざとじゃないよ?

 妹と言えば、春香の修行も停学処分中に設けられた謎のノルマは終わった。全てのエロ本はしっかりと回収させて頂きました。そして回収し終わった後はそのエロ本達を全て、一昨日の夜に燃やした。こんなものがあるから争いが生まれるんだ! 昨日の朝に後悔した。

 このままではまずい、エロ本が無くては俺の精神衛生上よろしくない。そう思い昨日の夜、妹である春香に「下着でいいから写真撮らせて」と頼んでみた。それ以来食卓で顔を合わせても口も利いてくれなくなった。後悔はしていない。

 そういう深刻な事情があり、俺は今、大変機嫌が悪い。なんなら窓の外に見える夕日に向かって「その巨大な引力をもって地球を呑み込み給え!」と叫んでしまいそうなぐらいだ。地球とか滅びればいい。マジックリンリンが終わった後に滅びればいいよ。

「彼方。お友達が来たわよ」

 寝転がったままスマホで行けるエロサイト探しに勤しんでいたら、襖の向こうから母さんの声がした。

「え、なんの嫌味?」

 お友達とか覚えがないんですが……。

「そりゃ、お母さんも信じられないわ。でもね、その子は確かに、『彼方君の友達です』って名乗ったのよ。お母さんびっくりして、般若心経(はんにゃしんぎょう)唱えちゃったわ」

「相手が妖怪か幽霊だったら俺の友達消えてるな」

 多分誰より驚いてるのは、その自称お友達さんなんだろうな。

 ところで友達ってなに? 俺知らないんだけど。ああ、それが名前なのか。お友達って名前、変わってるよな。は、そうか、大友達也(おおともたつや)君、略してお友達か! 俺ってば冴えてるなぁ。で、誰それ。

「とにかく、部屋に通すわね」

「は? 何言ってんの?」

 スマホを床に置いて、言及しようと体を起こす。しかし、すぐに襖は開かれた。

 そこに居たのは……。

「こ、こんにちわ……」

 恥ずかしそうに赤面する、チノパンになんか透けて下のロンティーが見える「それ着てる意味あるの?」的なフリースを羽織った少女。

 特徴的なパーマヘア。茶髪。

 愛野茲奈(あいのここな)だ。

「……なんだ、友達じゃねぇじゃん」

「はっ? ちょ、なんで残念そうな顔するのよ!」

「は? いや、喜ばないといけない状況なの?」

 喜ばしいわけがない。こいつと俺はもう関係無いはずだ。とり憑いていた思念体も排除したし、その元凶もなんらかの形で静まったはずだ。となれば俺も愛野も、もう無関係の赤の他人と言っても過言ではないだろう。

「じゃあ、ごゆっくりねー」

 母さんはにやにやしながら襖を閉めた。おい、出家した人間がその顔やめろ。

「…………」

 どこか不自然な沈黙が置かれる。なんですかこの状況。

 しかし、改めて見るとこいつって本当に美人なのな。心なしか顔色が良くなっている。思念体が無くなったからかもしれない。あと、現実における人間関係の縺れとかも、多少は解決されたのだろう。

「で、なに」

 促すと、愛野は途端に慌て出して、手グシで髪をいじったり、チノパンの丈を調整したり、乱れてもいないフリースの裾を整えたりした。

「……用が無かったら来ちゃいけないわけ……?」

「まぁ、駄目だけど」

 だって俺、一人が好きだし。

「お、男の子は皆そう言うって、友達が言ってたわ」

「言わないんじゃないかなぁ」

 アニメのテンプレだと普通は「それもそうだね、はは」と、若干ハードボイルドなやり取りになると思うし。で、大友達也ってお前の知り合いだったの?

「座るね」

 そう言って畳の上に座る愛野。え、こういう時って、座っていい? って聞くか、俺が座れよって言うまで待つもんじゃないの? 違うの? 友達とか未知の生物過ぎて解らないんですが……。

 愛野はどこかせわしなく、やはり乱れてもいない髪を何度もいじくってから言った。

「その、えっと、ああ、ほら、停学、もうすぐ開けるわね」

 用意していた話題をど忘れしたのか、それとも話題を持ち出すために勇気が必要だったのかは解らない。ともかくその言葉を紡ぐまでにいくらかの戸惑いがあったのは確かだ。

「もともと二週間ぽっちの停学。たいしたことじゃねぇだろ」

 起こしていた体を寝かせ直し、気だるげに答える。お、この角度ならパンツが見え……ないんだなぁこれが。愛野、スカートじゃねぇし。

「でも、この二週間っていうのも不当よね。私達は被害者なのよ?」

 愛野はそんな不満を零したが、残念ながら誰も気付いていないだけで俺も加害者である。文句を言う筋合いは無い。つーか停学楽しかったし。

「あんだけ暴れたんだから、むしろもっとあっても良かったくらいだろ」

 というかもっとあって欲しかった。明後日には学校か……。お勤めも、定時の人が一番多い時間帯にしなくちゃならなくなるんだよな。夜のお勤めも本来なら強い思念体とかが居て危険だが、今回は殆ど春香同行だったからラクしてばっかだったし。そういう都合も無くなる。ああ、億劫だ。

「ちょっと、せっかくお祝いに来たんだから、暗い顔しないでよ」

 不安げな顔で文句を言われてしまった。そう言われても億劫なのは事実なのだからどうしようもない。

「お祝いじゃなくて自慢しに来たんだろうが」

 億劫晴らしに、そんな嫌味を言ってやった。

「え?」

 きょとんとする愛野に、俺は不敵な笑みを作って見せる。

「あの事件以来、私、いじめられなくなりましたー。肩が重くなる事も今のところありませーん、久々に平和な日常でーすやったね。そんな感じか?」

 なるだけ嫌味っぽくなるように唇を尖らせて変な声で言ってやったのに、愛野は逆に目を輝かせ、身を乗り出してきた。

「解るの!?」

 嫌味を言われて嬉々としてるよこいつ、Mなの? ごめん変態さんはちょっと……。

「そうなのよ!」

 と頷く愛野。

 エムなの!? と一瞬だけ浮き足立ったが、違うね。愛野に俺の思考が読めてたわけじゃないし。

「肩も全然重くなくて、嫌がらせも無くなったどころか、嫌がらせのせいで疎遠になりかけてた友達も戻ってきてね! しかも、しかもよ。私に直接嫌がらせしてた女の子の一人が、杏里ちゃんっていう子なんだけど、覚えてる!? その子が謝ってくれたの! なんでも、『どうして自分があんな事をしちゃってたのか解らない。思い出したらすごく嫌な事してたと思う。ごめん』ってことらしいわ!」

 おお、語る語る。びっくりして思わず半分以上聞き流しちゃったよ?

「皆と仲直り出来たわけじゃないけど、それでも状況はすっごく変わったの。これから頑張って、離れてっちゃった友達を取り返していこうと思うわ!」

 握り拳を作って力説する愛野。

「ああそう。で?」

 どうでもいいから適当な相槌を打ったが、それが間違いだったらしい。俺の生返事を、続きを促すための相槌だとでも勘違いしたのだろう愛野は、マシンガントークを続行した。

「まだ美紀ちゃんとは仲直り出来てないし、神田川君の事があるからちょっと難しいかもしれないけど、やっぱり卒業までには、ううん、進級までには仲直りしたい。神田川君には悪いけど、これからちょっと避けさせて貰うわ。なんていうのかな、今まではそういうのってすっごく失礼な事だから駄目だって思ってたけど、取捨選択、というか、多少の一線を作るっていうのは大事よね。あんたってクラスでは全然話さないしこの間もすごく怖い暴れ方してたけど、意外と良いこと言うわよね」

 呆然と聞いてしまった。何故か聞かされてしまった。そして気付けばとんでもない状況に自分が置かれていると察した。

 こいつの勘違いが悪化している。

 俺の台詞はクズ理論から織り成されるものだ。そこから生まれる言葉なんて大抵がクズだ。正論を好む者を正論信者と言うのなら、俺の言葉を、つまり邪論を受け入れるなんて背信行為だし、なんなら狂信者と言っても過言ではないだろう。

「お前さ、勘違いしてるぞ」

 なおも何か口ずさもうとした愛野を、俺は止めた。

 愛野はきょとんと首を傾げ、「勘違い?」と問う。

 俺は身を起こした。

「いいか、この世界で言うところの良い言葉ってのは、多くの人間が納得する言葉の事だ。過去の偉人達が残した名言達はそうやって語り継がれてきた。俺の言葉はそうじゃねぇ。他人を納得させるための言葉じゃなくて、黙らせるための言葉だ。ただの屁理屈、もしくは甘言だ」

「でも、私は納得したわよ?」

「それは俺の言葉が正しかったんじゃなくて、良い言葉だったんじゃなくて、お前が俺の甘言に乗せられただけだよ」

 疲れてる人間ってのは、休んでいいんだと言われたらそれだけで気がラクになる傾向にある。本当は休んではいけない場面だったとしてもだ。愛野がそうだった。疲れて病んでいた愛野に甘い言葉を投げかけたため、愛野にとっては良い言葉に聞こえただけなのである。

「なんかよく解んないけど、『俺の言葉を信じるな』ってこと?」

 曲解されたような、そうでないような曖昧な返事。

 俺は頷いた。

「有体に言うとそういうこった。俺はお前を助けたんじゃねぇ。助けるつもりは無かった。俺が俺の都合で動いて、それに乗っかったお前がたまたま救われただけだ」

「結局助けてくれてるじゃない」

 あーもう、話の解らんやつだなぁ!

「だからっ……」

 なんだ、だから、ほら、あれだ……まずい、言葉が出てこない。

「っていうか、都合って?」

 焦る俺に追い討ちをかけるような質問が投げかけられた。

「都合は、都合だ」

 思念体を倒すためです、なんて言えるわけがない。だが、適当な嘘が出てこなかった。いつもより頭の回転が悪い。何故だ。エロ本か、エロ本の呪いか。燃やされたから恨んでるのか。今度また買ってやるから、今は鎮まってくれ。

 どうにかして、愛野に俺が善人では無いと知らしめないといけない。クズであり悪人である俺が善人扱いされるなんて破綻している。

 俺は頭を掻いて、言った。

「解ってねぇなら教えてやる。停学処分喰らうきっかけになったあの事件は俺の自作自演だ。黒板の落書きは、全部じゃねぇが最初のは俺が書いたんだよ」

 それでぶち切れたフリして暴れまわってた、と知れば、流石の愛野とて俺を気味悪がるだろう。そう思っていたのだが、愛野は至って平然と言った。

「知ってるわよ?」

 代わりに、俺が平静を保てなくなった。

「……………………あ?」

 思考が止まる。

 知ってたって? 犯人が俺だと知っておきながら、こいつはこんなとこまでのこのこ来たのか? 馬鹿じゃないのか?

「だから、知ってるって。犯人があんただったって。だからこんなとこまで来たんじゃない。お礼を言いに」

 お礼? あれか、呪術とかに使うあれか。それは読みが違うか。

 じゃあなんだ。お礼? なんだそれは。

「あの時あんたが暴れてるのを見て、ああ、私のために暴れてくれてるんだって思ったの。そうじゃなかったとしても、私はそう思えた。だって、私は暴れてるあんたを見て、今までに無いくらいすっきりしたんだもの」

 違う。俺は愛野のために暴れたんじゃない。愛野がすっきりしていたのは単に、あの時、同時進行で、愛野に纏わる思念体を倒していたからだ。それだけの事だ。

 だから俺は善人じゃない。

 それで俺が正義になるのだとしたら、殺人者とて正義になる。殺されたやつの事を恨んでいた者にとっての正義となる。そんなのは破綻している。

 じゃあ正義ってなんだ? 色んな想いとか思惑が絡まっているせいで何が正しいのかなんて不確かな物となってしまっているこの世界では、むしろ正義など無いと言えるだろう。なら答えはひとつしかない。正義とは異次元でありアニメの主人公だ。だから三次元に生きる俺は正義じゃない。三次元には真に正しいと言える存在なんてありゃしない。

 よし、これで行こう。

「世界はお前中心で回ってるわけじゃねぇ。もしもお前が世界の基準点なんだとしたら、確かに俺は正しい事をしたって言えるだろう。だが、少なくともあの時のお前は世界の基準点からずれていた。お前は多くの人間から敵視されていた。そんなお前のためになる行動だったってんなら、俺は世界から見た悪者だ。敵だ。だから俺は善人じゃねぇ。だから礼を言われる筋合いもねぇ。だからお前を助けた事にもならねぇ」

 まくし立てるように言ってやった。これで黙るだろう。そう思った。

 なのに。

「よく解んないけど、それって、世界を敵に回して私を救ってくれたって言いたいの?」

「は?」

 なにいってんの、こいつ……。それ、どこのダークヒーローですか? ちょっとかっこいいじゃねぇかちくしょう。

「別に私、世界の話なんてしてないし、善人悪人の話もしてないわよ。ただ私は救われた。それは結果でしかないかもしれないけど、あんたはあんたの都合があって私を救ってくれた。そこに変わりは無いし、その都合がなんだったにしたって、私はあんたに、大光司に感謝せざるを得ないの」

 詰んだ。

 そう悟った。

 言い負かされた。俺が? そんな馬鹿な。だって俺は事実クズなんだ。クズは人を助けない。自分の事しか考えない。

 俺は人を助けない。自分の事しか考えない。ほら、俺は間違いなくクズだ。いかれてると言っても過言ではない。

「それに、あの時のあの場面、ちょっとドラマみたいでテンション上がったし……」

 こいつもいい具合にいかれてんなぁ。もしかして俺と同じくらいいかれてんじゃね?

「ねぇ」

 どうにかして俺をクズだと解らせる方法は無いかと考えていたら、愛野の声が遠慮がちな声音に変わった。顔を上げると、表情も不安げに揺れている。

「もしかして大光司って、私の事、嫌いなの?」

「なに言ってんだ、お前」

「教えて、私の事、嫌い?」

 なんと答えるべきか迷って、畳の目を縫うようにして視線を泳がせる。

 答えは簡単だ。好きではないが嫌いになるほど知っちゃいない。それが答えだ。だが、それが事実であろうと今紡ぐべき言葉としては相応しくないだろう。

 今相応しい返答はこうだ。

 俺は、泳がせていた視線を真っ直ぐ、愛野に向けた。

「嫌いだ」

 ほら、他人に平気でこういう事が言える。クズを貫く俺、まじかっけぇ……。

「そっか」

 しかし愛野は、はにかむようにして笑う。

「それは残念。せっかく友達になりたいと思ったのに、嫌われてるなら仕方ないわね。大光司は一人が好きみたいだし、あんまりしつこくするともっと嫌われるわよね」

 強がりの笑みなのだとすぐに解った。

 愛野は今傷付いている。なら何故傷付いている? それは俺が傷付けたからだ。じゃあ何故傷付けた? それは俺がクズだからだ。だとしたら何故俺はクズなんだ?

 …………なぜ? 何がだ?

 俺はさっきから、いったい何を考えてるんだ?

 いかん、どうやら混乱しているらしい。愛野に悟られないよう浅く深呼吸して落ち着かせようとしたが、それは出来なかった。

「じゃあ、私のほうからは、あんまし関わらないようにするわね。でも学校生活でずっと一人っていうのは大変だから、困ったらそっちから声掛けてよね。私に出来ることなら手を貸すから」

 そう言って、愛野は立ち上がる。

「じゃあ、帰るわね。こないだの件、私は本当に助けられたから。ありがと」

 襖を開けて、襖を閉めて、そして愛野の姿が消えた。

 だが俺は、そんなことよりも、ただ、頭に浮かんだ疑問がどうしようもなく鬱陶しかった。

 なぜ? なにが? なんで気になる? なにが気になる?

 俺がクズである理由は俺がクズだからだ。それ以外の何者でもない。遺伝だ。親父ってば警察に捕まって今刑務所だし。ほら、血筋的にもクズだ。

 なのに。

 俺はいったい、なにを気にしているんだ?



 数分後。



 空はすっかり暗くなり、それでも部屋の明かりを付けずに居た。ただひたすら頭の整理をしていた。

 そこに、どたばたと、この家では聞いた事の無いほど慌しい足音が廊下から響いてきた。

 そして、壊れんばかりの勢いで襖が開かれる。

 現れたのは、険相を変えた愛野だった。

「やっぱ関わらないようにするの無理!」

「え、あの流れで?」

 空気読もうぜ、あれ完全に決別エンドだったじゃん。綺麗に終わったじゃん。なんで小奇麗なままエンディングにしてくれないの。

 愛野はずかずかと暗い部屋の中に入ってきて、そして俺の前で屈み、掌を重ねてきた。

 暗い部屋。反射する光などどこにも無いというのに、愛野の目はキラキラと輝いている。

 そして、そのキラキラオーラ、通称DQNオーラを撒き散らしながら愛野は声を張り上げた。

「思念体とかいう敵と戦って、人知れず世界を救ってるんでしょ!? すごい、すごいじゃない! ということはもしかして、駅前で会ったあの時とか今までって私に思念体ってやつがとり憑いてた状態だったの!? そういえばあんたあの時『生霊は憑いてない』って言ってたわよねそれってそういう事!? もしかするともしかして、私への嫌がらせも実は思念体絡みで起きてて、あんたが思念体を倒してくれたから私が救われたの!? どーりで納得! なによあんた結局正義の味方なんじゃないのなんで教えてくれなかったの! 私、世界単位の話なんてするつもり無かったけど、すごい、ほんとすごい!」

 …………………………………………イミガ。ワカラナイ。

 なんで? なんでこいつが思念体って言葉を知ってる? 俺のお勤めっつう事情を知ってる? 意味が解らない。いみがわからないっ。IMIGA! わからない!

 ふと、キラキラと後光を放っている愛野の後ろ、そして襖の向こうからこっちを覗く、母さんの顔が見えた。意味有り気な笑みを浮かべて、親指を立てている。

 そして悟る。

 母さ、あのババァ。ばらしやがりましたね……。
+注意+
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