都市伝説4
***一緒***
かなり太ってしまった女友達がダイエットに成功した言ってきたので、久々に出会うことになった。
一目ですごく痩せたと思いながら彼女をまじまじとみていると、足下に赤ん坊がしがみついていた。
そういうこと、だったらしい。
***お冷***
深夜勤務でウェイターをしていた大学生の男。ある日ヒマを持て余した彼は、あることを思いついた。
そのとき、タイミング良く三人客がやって来た。しかも大学の先輩だ。
男はニヤニヤしながら水を四つ用意し、持っていった。
「なんのまね? 水多いんだけど」
当然、先輩が言う。
「お客様の分用意していますが」
男の発言に客は気味が悪そうに目線を合わせる。そしてハッと気づいて、
「もしかしてイタズラ?」
「そうです。ヒマなんでやっちゃいました」
とたんに和やかな雰囲気になって、それから世間話を少し交わした後、メニューを取った。
「少し待っててください」
そう会釈して立ち去ろうとすると、止められた。
「水多いから持ってっちゃってよ」
笑いつつ男はまた会釈すると、水をひとつ手に取った。
「待てよ」
再び止められ、振り向く。
「もうひとつ忘れてるよ」
いつの間にか三人目は消えていた。
***ゲーム***
ある、心理テスト。
父親に母親、それに2人の子供という、平凡な4人家族がいました。
ある日、父親が亡くなってしまい、葬式が執り行われました。葬式の際、父親の友人が親身になって細やかな世話を焼いてくれました。 母親は優しくしてくれただけでなく、あらゆることで支援をしてくれたその友人を、好きになりました。
しばらくして、母親は長男を殺してしまいました。
何故母親は長男を殺してしまったのでしょう?
以上です。
この心理テストですが、ほとんどの人はこう答えるそうです。
「父親が死んでしまい精神が病んでしまった。」
「父親の友人と付き合いたいが子供が邪魔になる。」
そしてごく稀に、違う回答する人がいるそうです。
「子供を殺して葬式をすればまた彼に会えるから。」
この回答が出た人間は思想あるいは精神状態かなり危険だといわれています。
例えば「サカキバラ」「宮崎」「某バスジャックの少年」等……日本の犯罪史に名を連ねる面々。彼らは精神鑑定のテスト時、揃ってこの回答を出したといいます。
心理テストを行っているとき、多くの人は主観で考えず冷静に、客観的になります。
その状態で、会いに行くという一般的かつ直接的な発想を見失い、極めて非現実でハイリスクな方法をもって、淡い期待のためだけに殺人を犯す。回答にはそのような自己中心的な心理が想像されます。
彼らはもしかしたら、己が組み立てた夢想にのみ、生きているのかもしれません。
……と語りつつ、実は彼らと同じ結果が浮かんだ私としてはあまり事実を認めたくありませんが。
***出産***
ある新人助産婦の話。彼女は何度目かに、驚くべき出産を目にした。頭に角のような突起があり、赤黒いというより紫に近い肌をした赤ん坊が生まれてきたのだ。
赤ん坊は泣き声も出さずにじぃっと助産婦を凝視した。あまりの出来事に助産婦が立ちすくんでいると、つぃとベテラン助産婦が注射器を持ってきて赤ん坊に注射した。とたんに赤ん坊は痙攣し、がくりと体の力を落とした。
母親には遺体も見せずに処理された数日後、思い切って新人助産婦は尋ねた。
「どうしてあんなことを?」
ベテラン助産婦は憤る新人助産婦に悲しそうな目を投げると、
「ああいう子が生まれた場合はこうすることが決まりなの。そのほうが、誰も傷つかなくてすむのよ……」
早々と仕事場に戻ってしまったという。
***さよなら***
新婚祝いに客船で船旅をした夫婦の話だ。船旅は初めてだったこともあり、妻はひどく酔ってしまい、夫がせわしく看病していた。
ジュースを買いに夫が部屋を出たとき、妻はため息をついた。せっかくの新婚旅行が台無しだわ、と。しかし本当の悪夢はここからだった。
深い眠りについていると、何者かに体を揺すられた。しぶしぶ目覚めると、女性搭乗員であった。
「大変です」そして驚くべきことを語った。
「旦那さまが海に落ちてしまいました」
驚いて搭乗員に着いていくと、夜の闇に落ちてしまったために見つからず、捜索も難しいという。
ショックで呆然としながらも妻は、搭乗員たちが煎れた紅茶を受け取った。そして口に含み、首を傾げた。
正体のわからない、違和感のようなものある。なんだろうと思っていると、廊下に続く扉が、突然はげしくノックされた。
「開けてくれ、俺だ!」
それは紛れもなく愛する夫の声であった。困惑しながら妻が周囲にいる添乗員へと目を配ると、みな青ざめている。
「海からあなたを迎えにきたのでしょう。出てはいけません。海に引きずられてしまいます!」
「開けてくれ!」
「行けません!」
妻に向かって懸命に叫ぶ添乗員。妻は震えながら迷い、決心した。
「私はあの人に付いていきます」
そして扉を開けた。
次の瞬間妻は、目覚めた。眼前に夫の顔があった。
「よかった」そう言って抱きしめられる。その肩越しに、妻は恐ろしいものをみた。あたり一面の黒い海。彼女と夫は小さな救命ボートの上で海に揺られていた。
後日、大規模な沈没事故犠牲者の写真が新聞に掲載され、そこに搭乗員の顔を見つけた。
妻は思う。
もし彼を愛していなかったら。そしてなにより……紅茶が塩辛いことに気づかなかったら、自分は死んでいたかもしれない、と。
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