今回の話にはドイツ語が出てきます。
しかし投稿時に上手く変換されなかったのか、ところどころ可笑しな文があります。
気にせずに呼んでください。
俺たちは光太郎のマンションで光太郎達と合流し、ドイツに向かった。
相変わらずドイツは事件の事で持ちきりで、昨日の場所はドイツの警察官に囲まれていた。
俺たちはそこを通り過ぎて広場に出た。
18 悪魔からの報復…
「できれば今日中に犯人見つけたいんだよ」
「今日中にそれは難しいかもしれないなぁ。なんで?」
「いや、明日母さんが家族で出かけるっつーからさ、俺も行かなきゃいけなくって」
俺は家から持ってきたアイスを食べながらセーレは頷いた。
「そうだね。家族は大切にした方がいい」
「ですよねー」
良かった。セーレが話のわかる奴で。
ヴォラクとストラスはアイスに感動しているのか、2人(1匹…?)で黙々と食べていた。
まったく話聞いてねー……
澪は軽く苦笑いしながらアイスを口にした。
外は相変わらず暑い。でも日本のようにジメジメしたような暑さではなくて、とてもスッキリしたような暑さだった。(だからと言って気持ちいいと言うわけじゃないが)
周りを見渡すと、この辺りで事件が起きたのだ。今日は特に女の人が少ない気がする。手がかりもないし範囲も広すぎる。
ぶっちゃけこのままじゃ今日中には見つかんない気がする。でも見つけなきゃいけないんだけどさ……
俺がどうするべきか悩んでいる時に、セーレが気まずそうに話しかけてみた。
「なぁ拓也……物は相談なんだけど」
「なんだ?」
「実は昨日の場所調べたんだけど、事件がこの通りで3回起こってるらしい」
「3回も?」
セーレは間違いないと頷いた。
「だから無茶なことはわかってるんだけど、澪を囮にできないか?」
「なっ!」
澪も自分に話しが振られたことに目を丸くする。
俺は慌ててセーレの作戦を否定した。
「そんなのできるわけねーだろ!?」
「でもやっぱてっとり早く見つけるのってそれが一番かもね。ストラス」
『ほー』
「ストラスも「うん」だって」
ヴォラク!またテキトーなことを!っていうかストラス何も言ってねーだろ!?
「駄目だ駄目だ!澪を巻き込むなんて!」
「ていうかソレ危険じゃん!」
光太郎も危険なことだから当たり前のように反対した。
「危険なのはわかってる。だから俺達もちゃんと後をつける。危険な目には遭わせない。それは約束する」
「そんなの……!見失ったらどうすんだ!?一貫の終わりだろ!」
絶対に嫌だ!澪にはちょっとの危険も味わってほしくない
澪には今のままで……今のままでいてほしいんだ!
「大丈夫。あたしやれる……」
「澪……」
澪は大丈夫と頷いた。
なんでそんな嘘つくんだよ。手が震えてるの丸見えじゃん……
でも澪は大丈夫ともう一度唱えるように呟いた。光太郎も当たり前のように、澪に止めるように促した。
「駄目だって!危険なんだよ松本さん!昨日の人たちのようになったらどうすんだよ!」
「あたし、拓也の役に立ちたいの!だから大丈夫」
なんで、なんでそんなこと言うんだよ……
「役に立ちたいって……だからって無理することないって!俺だって役に立ってないし」
「でもあたし……」
そうやって1人で決め込んで、俺がどんな気持ちかも知らないで……
「俺の気持ちは無視かよ……」
「え?」
そして俺は澪にまで怒鳴ってしまった。
「そうやって1人で自己完結して満足かよ!?俺が澪や光太郎達を危険なことに巻き込みたくなくて、だから頑張ってるのに!なんでそんな無神経なこと言うんだよ!!」
「あたしはただ拓也を……」
「俺はそんなこと頼んでない!!」
その言葉で澪は泣きそうな顔で俺を睨みつけた。
「じゃあ拓也は自分のことなんだと思ってんの!?いつも1人で無理して、周りの手も振り払って、ヒーローにでもなったつもりなの!?拓也こそ無神経だよ!!隠し事されながら守られてるこっちの気持ちを考えた事あるの!!?」
頭が回らない。なぜか声も出ない。
澪がこんなに怒ったこと自体も初めてで、その言葉も心に突き刺さったように痛くて、どうしよう。何も言えない。
澪はそのまま立ち上がって歩きだした。
「澪ー?どこ行くのー?」
ヴォラクはまるで第3者のように(実際第3者だが)のんびりと声を出した。
「すこし頭冷やしてくる。すぐ戻るから」
「ついてこっかー?」
「大丈夫だよ。昼間から危険なことなんて起きないよ」
澪はできるだけ不機嫌な声を押さえ、そのまま店に歩いて行った。
澪の姿が見えなくなるのを確認すると、セーレが困ったように眉を下げた。
「ごめん俺のせいだ。俺から彼女に謝っておくよ」
「セーレのせいじゃないよ。俺が、周りを頼らなかったから……」
「拓也……」
光太郎が心配そうに話しかける。
そういえば俺、光太郎に悩みを相談したこともなかった。
これ以上、知られたくなくって巻き込みたくなくって……そうして勝手に1人で抱え込んで、のけ者にして俺は人を傷つけてきたんだな。
帰ってきたらちゃんと謝ろう。今度は全部話そう。
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「拓也のバーカ」
あたしはあの場にいたくなくて少し離れたカフェまで来ていた。
中にはカップルや友達同士で来ている人、みんな楽しそうだった。
でもあたしの気分は沈んだまま。そんな時、肩を叩かれてあたしは一瞬ビクッとしてしまった。
「Mädchen.Mädchen.(お嬢さん)」
「Oh…ist es.(悪いな)Es überraschte(驚かせて)」
ど、どうしよう拓也たちじゃない。なんて言ってるかもわかんないし……
あたしは恐る恐る後ろを振り返ると、そこには2人組みの男の人がいた。
あれ?この人たちって……
「Nach allen.(やっぱり)Sie trafen mich und gestern, nicht denken Sie?(昨日の子だよな)」
どうしよう。なに言ってるかがわかんない。でも確か昨日、拓也にぶつかった人達だよね?
昨日と違い、すごいフレンドリーな感じだ。っていうか手を放して。
さり気なく手を放してもらおうと体をずらしたけど、なかなか放してくれない。
「ケビン、彼女嫌がってるだろ?放してやれよ」
もう片方の人は日本語を話したのであたしは驚いてしまった。
でも話は通じそう。
「えっと……日本語話せるんですか?」
「そう、俺はシトリー。こいつは」
「Wir nennen sind die Kabine.(ケビンだ)Möglich sein ( よろしくな ) 」
「ケビン、よろしくねってさ」
「あの、よろしくお願いします。えっとあたし行かなきゃ」
「誰かと来てんの?」
「昨日の人と……」
「ふーん。じゃあ5分だけ付き合ってよ。別にいいでしょ?」
「え……でも」
「いいじゃん。ね?」
これって俗に言うナンパ!?
あたしはなんか怖くなって拓也の元に帰ろうと首を横に振った。
でもシトリーさんはにこにこと笑みを浮かべたまま。
「なんか君、本気でかわいいかも。欲しくなっちゃった……」
「え?」
あたしは彼がそう言った瞬間、意識が遠くなった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
澪が帰ってこない。もう10分も経ってんのに。俺は澪に一度電話をしてみた。
出ない。
俺は途端に不安になって、澪が向かった方向に走り出した。
「あっ!待ってよ拓也!」
ヴォラクはストラスを腕から放し、慌てて俺を追いかけた。
セーレ達は大したことないと思ってるのか、その場で待機していた。
「なんでヴォラク付いてきたんだよ?」
「なんでって……拓也ドイツ語話せないんじゃん」
「ヴォラク」
お前気のきく奴だな!俺たちは取りあえず澪を探しに走った。
「Was werden uns anbetrifft es nicht gesehen.(俺は見てないな)Was werden unsanbetrifft es nicht gesehen.(その子、ここには来てないよ)」
ヴォラクは今聞いたことをそのまま俺に話した。
「拓也、澪ここに来てないって。どこまで行ったんだろ」
「澪……」
なんで澪、どこに行ったんだよ……道もわかんないはずなのに。
俺は未だに電話に出ない澪に途端に恐怖を感じた。
まさか何かに巻き込まれた?もしかしたら事件に……
「拓也。日本人の子がこの先をまっすぐ行ったんだって!行こう!」
「おう!」
俺とヴォラクは走ってその方向に向かった。
でも澪の姿は見つからない。もしかしてすれ違っただけ?本当はもう戻ってる?
そんなはずない。
俺は自問自答しながら頭を振った。
「Was das anbetrifft fürchteten uns wir.(あれは怖かったね)Sie, wie die Eiche und andere wurden?(彼女どうなったのかな)」
「彼女?Es wird nicht durchgeführt.(すみません)Sie betrachteten nicht die Person der Frau des Japaners hier?(ここで日本人の女の人をみませんでしたか?)」
「Mädchen des Japaners(日本人の女の子)Es ist das Kind des Kommens?(さっきの子じゃないかしら?彼女は男性2人とまっすぐ歩いていったわ。)Gleichwohl sie Sie abgelehnt hat, erkundigten sich Sie nach dem, das Sie plötzlich sagen.(彼女、嫌がってたはずなのに急に言うことを聞いて)Was das anbetrifft fürchteten uns wir.(あれは少し怖かったわ)」
「Danke.(ありがとう)。拓也!澪わかったかも!」
「本当か!?」
「うん!この先をまっすぐ男2人と歩いて行ったって!」
「なんで?」
「多分悪魔……かも」
「なっ……!」
澪は巻き込まれたのか!?俺は慌ててその通りをまっすぐ走った。
澪!?どこにいるんだ!!?
5分程度ヴォラクと全力疾走して、息切れをし、俺はその場で足を止めた。
ヴォラクはさすが悪魔と言うべきか、息1つ乱してなかった。
「拓也!何やってんの!?早くしないと……」
ヴォラクは途中で顔を固まらせた。
「ヴォラク?」
「拓也、あれ」
ヴォラクが指さしたのは家と家の隙間の路地裏。大人1人がやっと進める程度の隙間だ。
澪の鞄……そこには間違いなく澪の鞄が落ちていた。
「この先に澪が……?」
「拓也!ストラスたちはどうすんのぉ〜もー」
俺は頭が真っ白になり、何も考えずにその中に入って行った。ヴォラクも俺が心配なのか後を追って路地裏に入った。
路地裏は意外と長く続いており、街の喧騒も聞こえない所まで続いている。
俺は無我夢中で澪を探して路地裏を走り回った。
そして家の影から澪の後姿が見えた。
よかった!無事だ!俺はそう思い、大声で呼びかけた。
「澪!え?」
そこには知らない男とキスをしている澪の姿。なんで澪が……
俺の後ろのヴォラクも訳が分からないと言う目で俺たちを見ていた。
「……邪魔が入ったな。これからがいいとこだったんだけどなー」
男性は澪から顔を放し、ニヤリと笑みを浮かべた。
澪は男性の腕の中で大人しくしている。
「もう少し遅く来てくれたらいいとこいけたのに」
「てめぇ!!」
俺は頭に血がのぼり、男性に掴みかかろうとした。
すると男性は俺の頭上はるか上を軽々とジャンプした。
なんだこのジャンプ力……人間の跳躍力じゃないだろ。澪は気を失い、その場に倒れた。
「澪!?」
「どんくさい継承者だな。悪魔探すならもっと仲間に注意しなきゃ」
俺は澪を抱き抱え、名前を呼んだ。よかった気を失ってるだけだ。
男性は屋根の上からはははと小馬鹿にしたように笑う。
本当に何なんだ?こいつは。
「お前に2つプレゼントやるよ。ほら」
男性が指をパチンッ!と叩くと、俺たちの頭上に人間が降ってきた。
ドサッ!!
「うわ!」
俺は澪を庇い、慌ててその場を離れた。
そこには血まみれになった男性の姿、間違いない。昨日俺にぶつかった奴だ。
「なぁ!?」
「そいつ我儘だし、いい加減飽きちまったよ。その子は俺のお気に入りにしたかったのに」
男性はそう言って笑い、手にブレスレットははめた。
「あれは!」
「やっと気づいたのか?俺はとっくに気づいてたのに……悲しいよヴォラク」
「シトリー!お前がこれをやったのか!?お前はこんなことする悪魔じゃないはずだろ!」
「やりたくてやったんじゃねぇよ。そいつの望むままに動いただけだ」
「望むままって……」
シトリーと呼ばれた男はお茶らけたように笑って見せた。
「俺はあいつの望みのようにしてやった。そうしたらこの事件だ。いい加減うんざり。女の子を殺すのは俺の趣味じゃないんだけどな〜。俺はジェントルマンだから」
「馬鹿なこと言ってんじゃねーよ!澪を襲ったのもお前の仕業か!?」
「襲ったなんて人聞きの悪い……ちゃんと許可を取ったよ。まぁ力は使わせてもらったけど」
「お前!」
「それより逃げなくていいのか?ばれたらお前ら疑われるぜ?俺としてはそっちのほうが喜ばしいけど」
「拓也!1回ここから離れないと!」
「でもこいつはどうすんだよ!凄い怪我だぞ!」
「心配しなくても殺してないって。まぁ警察に捕まりはするけど、犯人はそいつだし?もう1つのプレゼント楽しみにしときな。でも人間っていいよなぁ本当に……契約者のそいつにさえ劣情抱いちゃうよ」
シトリーはそう呟いて姿を消した。
俺たちは澪を連れてその場から急いで離れた。
幸いここは人通りが全くなく、あいつが見つかるのは時間がかかりそうだ。俺たちは急いでセーレ達の元に戻った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「拓也、随分遅かったね。彼女どうかしたのか?」
光太郎も心配そうに澪の顔を覗き込む。
「悪魔にやられた」
「なんだって?」
セーレは眉をしかめた。
「シトリーだよ。セーレ。トパーズのブレスレット持ってたから」
「シトリー……あいつか」
セーレはため息をついた。
「あいつが女性に手をあげるのか?」
「契約者の望むままに行動しただけってさ。でも嫌になったのか、契約者ボコボコにしてたけど」
「とりあえず澪が心配だ。1回戻った方がいいな」
俺たちは急いで、日本に戻ることにした。
俺は澪を抱えながら後悔の念に追われていた。
こんなことになるなら最初から素直に話しときゃよかった。後悔してばっかだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
俺たちはその後、日本に戻り、マンションで澪を休ませた。
数時間後に澪は目覚めた。外傷などはなく、どうやら精神もなにもなかったようだ。
「澪!」
「拓也、あたし……」
澪は俺を見るや否やポロポロと泣きだした。
「澪、俺が悪かった。ごめんな」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
澪は泣きながら謝り続けた。
俺は首を横に振って澪の頭をできるだけ優しく撫でた。
そして夜になり、澪を家に送り、俺は自分の家に帰った。
しかしシトリーのプレゼント。それが何を意味するか、俺は完全に忘れていた。
登場人物
シトリー…ソロモン72柱12番目の悪魔。
地獄の60軍団を指揮する偉大な王である。
翼の生えた豹の姿をとり、人間の姿をとるときは美青年、または黒髪の妖艶な美女の姿をとる。
恋愛面において、意中の相手を好きに動かせる力をもつ。
契約石はトパーズのブレスレット。
ケビン…シトリーと契約していた男。異常な性癖を持つ。
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