『拓也、その体は?』
「俺にもよく分んねえんだ」
拓也はバツの悪そうな顔をしました。
11 封印
『拓也、わからないとは?その指輪の力ではないのですか?』
私の質問に拓也は困ったように眉を伏せました。
「そうなんだけど……そうじゃないのかなぁ?」
『はぁ?』
拓也は一体何を言っているのです?
首をかしげた瞬間、拓也の目つきが変わり私を睨みつけてきました。
「へぇ、お前ストラスか。ヴォラクと言い……指輪の継承者が2匹もの悪魔と契約してるなんてな」
『拓也……急にどうしたのです?』
「俺の名前はウリエル。栄光の七天使が一角を担う者。よく覚えておくがいい」
『ウリエル!?まさか拓也の体を……!』
「乗っ取ったなんて人聞き悪い言い方はやめてくれよな。主が助けてくれって俺に命じたから一時体を拝借しただけだ」
しかしストラスは警戒を緩めない。
ウリエルはストラスを小馬鹿にしたように笑った。
「ふん、お前に言っても通用はしないか。心配しなくてもお前たちに危害を加える気はねえよ、今はな。主を守ってもらわないといけないからな」
『ならもういいでしょう。早く拓也を開放しなさい』
「悪魔の分際で人間の心配か。意外だぜ。忠実な悪魔はセーレだけかと思ってたけどな」
『ストラス』
フォモスとディモスが傷だらけの体を引きずり、私の元まで降りてきました。
『フォモス、ディモス。随分手ひどくやられましたね』
『あぁ、奴がなかなかすばしっこくてな。それより拓也殿と主は……』
『ヴォラクならあそこに。どうやらあの炎に守られていたようです。ここは私に任せて貴方はヴォラクを連れてマルファスを見張っててください。心配は要らないと思いますが光太郎達が心配です』
『心得た』
フォモスとディモスはヴォラクを大事に抱え、体を翻して地上へ降りて行った。
「さて俺もそろそろ帰るとするかな。ミカエルにどやされちまう」
『あなたなら何か知っているのではありませんか?我らを召喚したもの達を』
「さあな。俺が知ってたらもう既に事は終わってる」
ウリエルは帰ろうと踵を切らしたが、ふと思い出したように私に再び振り返り、何か瓶を投げつけてきました。
「そうそう、これお前にやるよ」
『これは……聖水』
「なにかと入用だろ?だからやるよ。じゃあな」
ウリエルがそう言った瞬間、拓也を纏ってた炎は消えた。
「え?ぎゃあああああああああああ!!!まだ浮いてる!!!」
あぁ、この反応は拓也ですね。悲鳴を上げて泣き出している。
拓也は泣きながら真っ青な顔で私に縋ってきます。
「すすす、ストラス助けてくれ……」
『はいはい』
今にも泣きだしそうな拓也に半ばため息をついて私は拓也を咥えて地上へ降りました。
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「拓也!よかったー!無事だ!」
俺が地上に降りた途端、光太郎と中谷は安堵の表情を浮かべた。
「ヴォラクは?」
『ヴォラクなら無事です。フォモスの傍にいます。もう直目覚めるのではないでしょうか』
ストラスに言われたとおりにフォモスとディモスを見てみると、横になったフォモスとディモスに寄りかかるようにヴォラクは気を失っていた。
俺はフォモスとディモスに走り寄った。
『拓也殿、無事で何よりだ。主のことなら心配はいらん』
傷だらけになったフォモスとディモスを見て、俺は情けなさと悔しさで思わず涙が零れた。
そんな俺を気遣うようにフォモスとディモスは俺に頬を寄せてきた。
2頭のドラゴンに体を挟まれながら俺は力いっぱいにフォモスとディモスを抱きしめた。
「ごめんな。こんなに傷だらけになって……」
『拓也殿のせいではない。それに貴殿はちゃんと務めを果たしたのだ。謝るべきところは1つもござらん』
俺はフォモスとディモスを抱きしめながらヴォラクを見つめた。
ヴォラクは全身血だらけになりながらも薄く呼吸をしていた。
「ヴォラク……」
俺はフォモスとディモスを抱きしめていた手を下におろしヴォラクの方に向かった。
ヴォラクはいまだに気を失っており目は固く閉じられていた。
俺はそんなヴォラクの頭を優しく撫でた。サラサラの金色の髪が気持ちいい。
「ごめんな、俺のせいで……」
全部全部俺のせいだった。怖くて逃げ回っていた俺を守るために付いた傷。
血は止まったがパックリと切られてしまった腹。
腹の傷は俺にとどめを刺そうとしたマルファスに体当たりした時に付いたものだ。
「まだこんな小さいのに……」
こんな子供に傷を負わせてしまった。戦わせてしまった。
罪悪感はどんどん膨らんでいく。
俺を守るために契約したのだから、それによって怪我するのは当たり前なのに胸が苦しい。自分のせいでこうなったと言う事実が悲しくて仕方がない。
『拓也、何泣いてんの。情けないなぁもお……』
「ヴォラク!」
俺は目を覚ましたヴォラクを見てまた涙が出た。
『弱虫。いつまで泣いてんのさ。俺疲れてんだから、ちょっとは静かにしてよ』
「ごめん」
『それに俺はこう見えても拓也より年上なんだから、馬鹿にすんな』
「そうだったな。お前は悪魔だもんな……」
いつの間にかヴォラクは俺の中では可愛い弟になっていた。
悪魔なんか関係なく懐いてくれる少し生意気な弟に。
俺がもう一度頭を撫でるとヴォラクは満更でもないのか少し笑って、そのまま目を閉じた。
「ヴォラク?」
『拓也殿、心配はいらぬ。寝ることによって悪魔は治癒力が大幅に上がるのだ。主は今この傷を治そうとしているだけだ』
ディモスの言葉に俺は安心して頷いた。
感傷に浸っていたところをストラスに呼ばれて俺はストラスに向き直った。
『拓也、こちらに来てください』
『マルファスを元の世界に返します。貴方には見届ける義務がある』
俺が地面を見ると、ヴォラクの剣が突き刺さったマルファスが魔法陣の中に入っていた。
『早くこの悪魔を地獄に還しましょう。この悪魔を野放しにするわけにはいきませんからね』
俺は頷いて、マルファスを見つめた。
「ところでストラス。これからどうするんだ?」
『そうですね……』
ストラスは森岡をジッと見つめた。
「な、なんだよ」
『森岡、貴方は家からマルファスに貰ったと言っていたサーペンティンの指輪を持ってきなさい』
「指輪を?」
『契約石を返さなければ悪魔は石の力を使い、現世に表れることがあります。ですから悪魔との契約を完全に断ち切るには石を返すしかないのです』
「わ、わかった」
「森岡、俺も一緒に行ってやるから。な?」
森岡は未だにこの状況が理解できないのか足を震わせた。
光太郎は森岡に肩を貸し2人は歩きだした。
「あ、そう言えばストラス!ヴォラクの結界が張られてる。どうやって外に出ればいい?」
『ふむ……そう言われてみればそうですね。しかしヴォラクを起こすのは……』
『おそらくルビーのネックレスを持っていれば通り抜けられるはず』
フォモスが俺を見ながらそう言った。
俺はネックレスを取り出した。
「これって光太郎に渡しても使えるかな?」
『契約者は拓也ですからねぇ。どうかはわかりませんが、やってみてはいかがです?』
「さんきゅ。んじゃあ行ってくるわ」
俺は頷いて光太郎にルビーのネックレスを手渡した。
光太郎はネックレスを持って森丘と結界に向かった。
「あ、通り抜けられた」
『これでひとまず指輪のことは何とかなりますね。このまま待ちましょう』
「マルファス、動きだしたりしないよな?」
『おそらく。マルファスの怪我はかなり深いですからね』
「そっか。ならいいんだけどよ」
中谷はまだ安心してないのか少し離れたところから様子をうかがっている。
俺はストラスと魔法陣に閉じ込められたマルファスを見下ろした。
「なぁ、ヴォラクの剣抜いていいか?」
しかしストラスは首を振った。
『何をするかわかりません。マルファスを地獄に戻してからでいいでしょう?』
「まぁそうなんだけど」
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「啓太!遅かったじゃない」
俺は森岡と一緒に森岡の自宅に向かった。
家に入った途端に森岡のお母さんが心配したように玄関に走り寄ってきた。
「遅くなるなら遅くなるって言いなさいよ。最近、上尾の1年が無差別に狙われてるじゃない?連絡くらい入れなさいよ」
「ごめん母さん、でもまた出るから」
「またって……あら?隣の子は友達かしら?」
森岡は俺をチラッと見て頷いた。
「うん。塾の友達」
「そうなの?じゃあお茶出すからゆっくりして行きなさい」
「忘れ物取りに帰っただけだから、すぐまた出るし」
「そうなの?でも……」
「取ってくる。此処で待ってて」
森岡はそう告げて階段を上がって自分の部屋に向かって行った。
俺は森岡のお母さんと気まずいままその場に取り残されてしまった。
俺が目をキョロキョロさせていると森岡のお母さんが遠慮気味に話しかけてきた。
「あの……」
「え!?な、なんですか!?」
「あの子、塾で上手くやってる?」
「え?」
森岡のお母さんは少し困ったように笑った。
「あの子、少し大人しいでしょ?学校でもいじめられてるみたいだし……何も相談してくれないし、あの子が安心してくつろげる場所があるのかなって」
お母さんは苦笑いしながら俺に振り向いた。
「あの子にはエマがいるから少しはそれで気を紛らわせてるみたいだけど」
「エマ……」
「カラスなのよ。珍しいでしょ?カラスを家で飼うなんて……前、道端で倒れててね、啓太が隠れて連れて帰って看病してたのよ。カラスって頭いいでしょ?啓太のこと敵じゃないって判断したみたいですごく懐いちゃって。仕方がないから家で飼ってるんだけど」
「そう、なんですか……」
「ごめんなさいね。こんなこと言って……これからも啓太と仲良くしてあげてね」
「……はい」
「ごめん取ってきた。行こう」
「あ、うん」
森岡は手に指輪を握り締めて俺の所に戻ってきた。
「あら啓太、その指輪は?」
「エマが前拾ってきたんだ。持ち主が見つかったから返しに行く」
「そうなの?じゃあ気をつけてね?今日はお父さんも早いから皆でご飯食べましょう」
「……うん」
俺は森岡のお母さんに挨拶して森岡と一緒に家を出た。
「……母さん、何か言ってた?」
「え?いや特に何も」
「そっか」
森岡はそのまま顔を伏せてしまった。
俺は森岡に遠まわしに質問してみることにした。
「森岡のお母さんって優しい人だよなー……美人だし羨ましいよ」
「そう、かな」
「うん。マジで。優しいだろ?」
「優しい、よ。すごく」
「そっか。なんか悩みとか熱心に聞いてくれそうだよなー」
そう言った途端、森岡は黙り込んでしまった。
この言葉は禁句だったのかな?少々気まずくなってしまった空気を打破したのは森岡の方だった。
「優しいから迷惑掛けたくないんだ。心配させたくないから」
「そっか。でも少しは自分の事、打ち明けてもいいと思うぞ?」
それ以上は何も言えなくなり、俺と森岡はそのまま無言で拓也の所に向かった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、光太郎。森岡おかえりー」
拓也とストラスはマルファスを囲んでいた。
光太郎は俺にルビーのネックレスを返してきた。俺はそれを大事に小物入れにしまった。
『森岡、指輪は見つかりましたか?』
「一応……これでいいの?」
ストラスは森岡から指輪を受け取りマジマジと見つめた。
『間違いありません、サーペンティンの指輪。マルファスとの契約石。これで儀式が行える。さぁ始めましょう。森岡、来なさい』
ストラスは魔法陣の中に指輪を投げ入れた。
「え?お、俺?」
『契約者は貴方でしょう。グズグズしない』
「う、うぅ……」
森岡はかなりビクビクしながら(まぁそりゃそうだろうなぁ)ストラスについて行った。
森岡はマルファスの前に立った。ストラスが森岡に魔法陣を描き始める。
「こいつがエマを……皆を……」
森岡は憎しみの宿った眼でマルファスを睨みつけた。
『イイ、ソノ目ダ!ソノ憎シミノ目コソ私ガ求メテイタモノ!!』
「こいつまだ喋れんのかよ!」
『拓也、しゃべれた所で魔法陣の中です。何もできはしません。森岡も気にしないように』
「……うん」
『では』
ストラスは森岡に近づき、ビンの水を1杯すくって森岡にかけた。
「わ!なにすんだよ……」
『聖水です。貴方はかなりの間マルファスの側にいました。悪魔の呪いを完全に断ち切るためですよ』
そう言い、ストラスは森岡に例の呪文(クソ長いやつ)を唱えた。
『いいですか?私の言葉を1言も間違えずに言うのです。ああ、我が霊マルファスよ、汝わが求めに答えたれば、われはここに人や獣を傷つける事無く 、立ち去る許可を与えよう。行け、しかし神聖なる魔術の儀式によって呼び出された時は、いつでも時を移さず現われるよう用意を調えておけ。われは汝が平穏に立ち去ることを願う。神の平和が汝とわれの間に永久にあらん事を、アーメン』
「……」
あちゃー森岡固まっちゃってるよ。
「ストラスー、そんな長いの普通は覚えきんねえから」
『なんと!覚えきらぬのは拓也だけではないのですか!?』
「(こんにゃろ!!)普通の人間はよっぽどの天才じゃない限りそんなん無理」
「ごめん……」
森岡はビクビクしながらストラスの頭を下げた。
そんな謝ることじゃないと思うけどな~
『では仕方がありませんね。拓也、私が今からもう一度言うので一言も間違わずにその土に書きなさい』
俺は木の枝を渡された。
「えぇ~俺がぁ?」
『……』
「やらせていただきます」
無言の圧力は切れられるよりもぶっちゃけ怖い。俺はしぶしぶストラスの言う通りに地面に呪文を書いた。
「ふいー、おい書き終わったぞー」
『拓也は遅いうえに字も下手ですねぇ』
「な!なんだと!?」
『まぁいいでしょう。さあ森岡、この呪文を読み上げなさい』
『ヨセ!今スグヤメロ!!』
マルファスは今から自分に起こることが分かっているようで声を荒げた。
「しつこいぜマルファス。やっちまえ森岡」
「え、うん。えっとあぁ、我が霊マルファスよ、汝わが求めに答えたれば、われはここに人や獣を傷つける事無く 、立ち去る許可を与えよう。えーっと……行け、しかし神聖なる魔術の儀式によって呼び出された時は、いつでも時を移さず現われるよう用意を調えておけ。われは汝が平穏に立ち去ることを願う。神の平和が汝とわれの間に永久にあらん事を、あ、アーメン」
『ヤ、ヤメロ!!コンナ所デ……!グ、ウゥ……アアアアアアアアアァァァアア!!!』
カッ!!!
「き、消えた……」
『マルファスは地獄に戻りました。とりあえず今回はこれで終わりですね』
そこにはヴォラクの剣だけが残されていた。
ストラスは安心したのか溜め息をついた。
『では我らも一度傷を癒すため、姿を消すとしよう。主を頼む』
フォモスとディモスはそう言い姿を消した。
中谷は未だに眠るヴォラクをおんぶした。
「さぁ一件落着だ!!今日は食うぞ―――!寝るぞ―――!!」
まずは澪に報告しなきゃな!心配してたし!!
俺たちはやっと恐怖から解放されたため各々テンションが上がっていた。
しかし森岡だけは浮かない顔をしていた。
「森岡?」
光太郎が心配したのか森岡に話しかけた。
「俺、これからどうすればいい?」
「どうすればって?」
「だってエマのことも!クラスメイトのことも塾のことも全部、俺のせい……」
「森岡……」
そうだ、まだこの問題が残っていた。それは森岡がこれからどうするかだ。
森岡は人を殺したわけじゃない。でも確かに原因を作ったのは森岡だ。
犯人が悪魔だったなんて警察に言っても信じてもらえるわけがない。
だけど嫌いな奴がいるのなんか当たり前で、俺だって嫌いな奴くらいいた。(澪のことを好き好き言ってたクラスメイト(笑))
たったそれだけなのに森岡が背負っていくにはあまりにも重い罪だ。
「俺、自首した方がいいのかな」
「森岡!」
光太郎が森岡を止めた。
「だってお前がやったわけじゃないじゃん!それにお前はアリバイだってちゃんとしてるし、警察だって信じてなんかくれないよ!」
「でも!このままだったら犯人なんか一生見つかんないし……」
『森岡、貴方は死んだ者達の生を受け継ぐ覚悟はあるのですか?』
「え?」
『貴方にそれを受け継ぐ覚悟がないのなら大人しく自主でもすればいい。しかし今回の件を受け入れる覚悟があったのなら、この件を肝に銘じておきなさい』
「でもそれじゃあ……」
『今回は弱っている心に悪魔が付け込んだ故に起きた出来事。貴方は無関係ではないが、人殺しをしたわけではない。そしてそれを本気で望んだわけでもない』
「……」
『なら生きなさい。暫くは貴方にとって辛いことかもしれませんが、ちゃんと学校にも塾にも…これからは逃げずに立ち向かいなさい。心を強く持ちなさい』
「生き、たい」
森岡は涙を零し、膝をついた。
「普通の生活に戻り、たい。戻りたい~……」
『戻ればいい。誰も貴方を攻めはしません』
ストラスは優しく森岡に話しかけた。
これが正解かなんて、わかんないけど……これでいいと俺は思った。
「森岡ってケータイ持ってる?」
「え、うん」
俺はポッケからケータイを取り出した。
「アド交換しようぜ?キツイ時はいつでも連絡してくれていいから」
「本当、に?」
「おう」
森岡は真っ赤になった目で俺を見上げた。
「池上―俺のも送っといてよ」
「拓也、俺のも」
「おう。中谷と光太郎の分も送っとくからな」
「あ、りがとう」
森岡はやっと少しだけ笑顔を見せてくれた。
『拓也ってばお人好し……』
「ヴォラク起きてたのか?」
『結界解かなきゃいけないからね。結界といたら光太郎のマンションに着くまで、俺また人間になんなきゃいけないなぁ。傷の治りも滅茶苦茶遅くなるし嫌だなぁもう』
ヴォラクは結界に手を伸ばし、結界を解いた。
そしてそのまま人間の姿になり、中谷の背中にグッタリともたれかかった。
やっと悪魔を3つ、まぁ2つは味方だけど封印することができた。
でもこんな悪魔があと69匹もいるとなると、俺は血の止まった頬をさすりながらげんなりと項垂れた。
ヴォラクの言っていたマルファスよりも凶悪な悪魔、そんなのが出てきたら俺一体どうなっちゃうんだろ。
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