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おいしさのワケ
作:ミズキシホ


ミズキ父は、
自分がいいと思ったものは、
ひとがなんと言おうと耳を貸さず、
貫き通すひとです。

希少なものに価値がある、
と思っちゃうタイプでもあります。

以前、
彼は、
コーヒー焼酎にハマりました。

焼酎にコーヒー豆を漬けるあれです。

自家製でもできますが、
彼が熱心にハマったのが、
洞爺湖のどこだかのお店に売ってるというコーヒー焼酎。

出張で行ったといっては買ってきて、
大事に大事に呑んでいました。

さて、
ある日、
わたしが洞爺湖へ行くことになりました。


早速、

『ついでに、コーヒー焼酎を買ってこい』との、

お達しであります。


『ちゃんと、『ナントカ』という店でなきゃダメだぞ!』
との厳命であります。

ハイハイ。
仰せの通りに購入して参りました。

そこで、
わたしは、
フト、
疑問に思ったのです。

==日本全国津々浦々、
  本当にあのお店じゃなきゃ買えないのだろうか==

当時、
すでにネットを使える環境にありましたので、
チョチョっと検索。


【全国のセイコーマートでお求めになれます】


これは父に伝えるべきか否か。

父抜きの家族合議の末、
「伝えない」
ことに。

父の中では、
「洞爺湖のあのお店で『しか』買えない」
という【限定感】が、
あの焼酎のおいしさを引き立てていたのです。

結局、
しばらーーーーーーーくたってから、

「あの焼酎さ、セイコーマートで買えるみたいよ。」

と教えてあげました。


それ以来、
彼があの焼酎を呑んでいるのを見たことがありません。

まぁ、
単純に、
熱しやすく冷めやすいだけなんですけどね。














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