公園のベンチでイチャパラを読んでいるカカシ。
だが、いつものにやけた顔は見られず本にも集中できていないようで、何度も前方に視線を向ける。
そこには地面にあぐらをかいて座り、頬杖をついてじっとカカシを見つめるシカマルがいた。こう見られていては、集中などできないだろう。
だがそわそわと落ち着きがないのには、他にも理由があった。
「好きなんだけど」
カカシの前に突然現れたシカマルがこう言ったのは、かれこれ三十分程前。そして何も返事をしないカカシの前に、シカマルが座り込んでしまい、今に至る。
「なぁ、聞こえてないわけねーよな好きだって言ってんだけど」
カカシは内容などさっぱり入ってこなく、ただ規則的にページを捲っていただけの本を閉じた。
「あのねぇ……俺男だよ?」
「知ってる」
「大分年上なんだけど」
「わかってる」
「えーと……」
他に何かないかと必死に考えるが適当な言葉は出てこず、言葉に詰まったカカシは再び本を開いた。
「あ……」
だが、すぐにシカマルに取りあげられてしまい、横に置かれる。カカシは真っ直ぐなシカマルの目を見れずに、視線を泳がせた。
「なぁ、なんで動揺してんだ?」
「これは……」
「なんではっきり断らねーんだ?」
「それは……」
まだ成人もしていない子供に詰め寄られ、冷や汗すらかくカカシ。
「断らないってことは、脈ありって思っていいんだよな?」
カカシが黙って頷くと、シカマルは口端を吊り上げて笑い、カカシに背を向けた。
「じゃあ今日は帰るこれから覚悟しとけよ」
シカマルがひらひらと手を振りながら行ってしまうと、カカシは大きく息を吐き力が抜けたようにベンチに横になった。
「俺って大人のくせに臆病だね」
クスクスと小さく笑うカカシ。彼を思わせる青い空と白い雲を見上げて、嬉しそうに微笑んだ。
fin |