「くぁ〜…」
大きく口を開けあくびをし、目の端に涙を浮かべる銀時。
読み終えたジャンプを机に置き頭の後ろで両手を組むと、机に足を上げ呟く。
「はぁ…刺激もないし、つまんない毎日だねぇ…」
「旦那、邪魔しやすぜ」
扉から覗く沖田の顔を見るなり笑顔になる銀時。
「おっ、沖田クン。なになに、今日は何食わせてくれちゃうわけ?」
「そうですねィ…あんみつでもどうでさァ」
「いいねぇ。さ、善は急げだよ沖田クン!」
来たばかりの沖田を急かしパーラーへと向かう。
沖田はフラッと万事屋を訪れては、銀時の好きな甘味をご馳走していた。
「いやぁ、いつも悪いねぇ。俺、沖田クンの事すっかり気に入っちゃったよ」
目の前に置かれたあんみつを幸せそうに食べる銀時を、沖田はじっと見つめていた。
「ん? どーした沖田クン。食べないなら銀さんが食べちゃいますよー」
「今までのは全部賄賂でさァ」
「は?」
ニヤリと笑う沖田の言葉が理解出来ずに、あんみつを食べる手を止める銀時。
「俺も旦那の事気に入ってんでさァ。だから今までのは賄賂。受け取ってたんだから俺のモンになりなせェ」
「はぁ!?」
沖田は言い終わると席を立ち、わけがわからずに固まっている銀時の耳元に顔を近付けた。
「今夜、また伺いまさァ…」
そい囁きあんみつの代金を置いて店を出る沖田。
銀時はしばらく固まっていたが、思い出したように沖田の分のあんみつも食べ始めた。
「ま、全くなんだっつーんだよ。賄賂だなんて知ってたら今までの食わなかっ…いや、食ってたか?」
刺激たっぷりの毎日が銀時を待っている。
甘い甘い賄賂を持って。
fin |