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修正前
19.星になった猫―Cat that became star―
俺が丁度神社に着くと、雅が準備を整えて神社から出てきた所だった。

「よぉ、おぉ……巫女装束! お前のその姿、初めて見たわ」
良く見ると雅は、本当に巫女の様な衣装に身を包んでいた。
毎回、一緒に行動する時は学校の制服だったので、こいつが巫女っていう実感がどうも沸かなかったんだよな……

「人に見せる様なものでもないしね……で、何しに来たの? 心変わりして、協力しに来たのかしら?」
事情を知らない雅は、全く警戒せずにこちらへと歩いてきた。

「いや……その逆だったり、なんてな?」
その瞬間、雅は足を止めた。

「……それ、どういう意味かしら?」
雅は、俺のただならぬ気配を感じ取ったのか、険しい表情でこちらを見つめている。

「意味も何もねぇよ……単純、お前が仕事すんの邪魔しに来た、それだけ」
そんな俺の言葉に、雅は表情を変えず、こちらに睨みをきかせたまま近づいてきた。

「あんた、何をするつもり……?」
雅から、既に殺気を感じる……相当、怒っている様だ。

「さぁね……? 知りたかったら、捻じ伏せて聞き出せば? まぁ、約束した以上、そう簡単にやられる気はないけど」
強がっているが、既に漏らしそうなくらい怖かったりする……。

「そう……あの子が、何かしたのね?」
あら、一発でバレちまった。

「何をする気か知らないけど、ろくな事じゃないわね……、残念だけど先に進ませてもらうわ」
そう言って俺の横を通り過ぎようと歩き出したので、俺は手に持つバットでそれを妨害した。

「まぁ、そう言わずにちょっと付き合って行けよ?」
本来なら、こんな事死んでもやりたくないのだが、俺がここで止めずに祭の所に行かれたら、こいつと祭の間に溝が生まれかねない……

お互いに睨み合い、俺が距離を置こうと離れた隙……

「残念……私、男性からの誘いには乗らない主義なの」
その一瞬で近づいてきた雅は、素早い動きで俺を腕を掴み、背負い投げを決めた。

「うぇっ」
俺は、背中から床に打ち付けられ、口から黄色い胃液を吐いた。

「もういいでしょ? いくらあなたとは言え、これ以上邪魔するのなら手加減しないわよ?」
これで、手加減してるつもりなのかよ……
俺は、神社を後にしようとしている雅の足を無理矢理掴んで止めさせる。

「……病院送りになりたいようね?」
雅から、放たれる殺気が先程より増した気がする……。

「へへ、悪りぃな……誰かさんのおかげで、無茶すんのには慣れちまってね」
俺は、皮肉を込めてそう言い、必死に痛みに耐え、笑ってみせる。

「……そう、なら一度痛い目に遭わせるしかなさそうね?」
雅は、手にしていた棒でぶっ叩く気なのか、構えを取っている。
俺は、その隙を見逃さず、咄嗟に懐に入れておいたレーザーポインタを雅の目に当てた。

「…………っ!? うっ!?」
俺のその意外な一撃に動揺したのか、雅は俺から距離を取った。
俺は、その間に立ち上がり、周りの安全を確認した後、準備しておいたロケット花火を三本取り出し、火を点けた。

「本来は、人に向けるもんじゃねぇけど……雅が相手なら、別だよな」
俺のその声と共に、ロケット花火は雅に向けて撃ち放たれた。

雅は、その音で感覚的に自分の所に何かが飛んできたのを察したのか、横へ避け、それを回避した。

「何てもの使ってるのよ、あんた! 火事になったら、どうする気?」
そういや、そんな事考えてもなかったわ。

「まぁ、神社内なら平気平気」
俺は、会話を交わしている最中にもバットを構え、隙を伺い構えを取る。

「ただの素人と思って油断したわ……一緒に行動していたせいか、やりづらい動きするし」
まぁ、お前を怒らせて無駄に時間を潰させるのが俺の役目だし……

「出来れば、手加減してもらいたい所だが……雰囲気的に、それは期待できそうにねぇよな」
既に、雅は今までの行動で相当頭にきているのか、気配だけで人が殺せそうな程のオーラを放っている……気がする。

「人間相手には、使っちゃ駄目なんだけどね……」
雅は、俺と同じ様に懐から何かを取り出すと、呪文を唱え始めた。

俺は、咄嗟にそれが札を使用する合図だと悟り、一気に距離を詰めてバットを振り上げた。
だが、その振り上げた一撃は、雅に届く事はなく、奴の目の前で何か見えない壁の様なものに阻まれた。
そして、次の瞬間、俺が振り上げた衝撃が、そのままこちらに返ってきた。

「……ぐぇぁっ」
俺は、その衝撃で言葉にもならない様な声を上げ、吹き飛ばされた。

「札にも色々種類があるのよ……あんたには、これで充分」
どうやら、雅が使用している札は、相手の攻撃を封じ、その効果を跳ね返すものの様だ。

「ってぇ……、下手したら骨折ってるっての」
俺は、なんとか気力だけで立ち上がり、雅を睨み付けた。

「私が、この札を使っている以上、あんたはもう何も策はないでしょう? さっさと諦めなさい」
どうやら、雅は俺が諦めるのを待っている様だ……。

「生憎だが、俺は根っからの天邪鬼でね……やめろと言われてやめた試しはねぇんだ」
俺は、再びバットを構え、雅に向かって走り出した。

「馬鹿な奴ね……それなら、好きなだけ向かってくると良いわ……」
俺のその言葉を聞き、雅も再び札を構え、呪文を唱えた。

「大体、普通の凡人にそんな汚ねぇもん使ってんじゃねぇよ!」
俺は、その怒りと共にバットを雅に向けて再度振り上げた。

しかし、結果は先程と同じで衝撃が跳ね返り、見事に吹き飛ばされた。

「普通の凡人ねぇ……普通なら、既に立ってはいられないはずだけど?」
俺だって立ち上がりたくねぇよ……だけど、引き受けた以上半端な事はしたくねぇ……

俺は、その後、何度も雅に向かってバットを振り上げた。
だが、結果は全て同じ……最悪な事に、最後の一撃でバットは衝撃に耐え切れず壊れてしまった。

「…………」
既に、意識を失いかけているが、俺は無言で立ち上がった。

「もう一度言うわ……これ以上やっても無駄よ? 諦めて、私と通し――」
俺は、雅がそれを言い終える前に今度は拳を構え奴に向けて殴りかかった。
喋っている間なら、呪文を唱えられないと考えた俺だったが……

そんな俺の行動も読んでいたらしく、すぐに呪文を唱え、弾き飛ばされた。
だが、その一瞬、俺はある事に気付いた……奴の跳ね返す業は、一度衝撃を加えると消え去っている事に……

既に、体も限界だ……今見た現象が確かなら、これに賭けるしかねぇ……
俺は、再び拳を構えて、雅に殴りかかる……。

「……だから、何度やっても無駄だって言ってるでしょう?」
雅は、そんな俺を見て再び呪文を唱えた。
よし、気付かれていない……っ!

俺は、右手に力を込め、殴りかかる瞬間……

「……え?」
左手で、雅が作り上げた壁を弱い力で小突き、そして……

俺の右手が、確かに雅の脇腹を捉えた……気がした。
だが、そんな動きを瞬時に理解した雅は、最初と同じ様に右手を掴み、背負い投げを決めた。

「…………」
俺は、既に立ち上がる事もできなくなり、その場で大の字になり、倒れた。

「い、今のは少しだけ、焦ったわ……あんた、いつの間にあれを見抜いたのよ?」
まさか俺が、あんな行動に出るとは思っていなかったのか、雅も息を荒くさせ、こちらを見ている。

「…………」
俺は、何も答えず、その場で目を瞑った。

「あぁ……疲れちゃったわ、もうあんな奴の退治なんてどうでも良い気分」
雅は溜息を漏らし、俺の隣に座った。

「今回は、私の負けでいいわ……これ以上続けたら、あんた本当に死ぬし」
正直、今も意識を保つのすら厳しい状況だったりする……

「……なら、頼みがある……俺を雪の所の病院へ連れて行ってくれ」
そんな俺の申し出に、雅は呆れ顔で首を振っている。

「……あのね? なんで私が、邪魔された挙句、あんた達の作戦に付き合わなきゃいけな――」

「……頼む」
俺が、素直に頭を下げると雅は頭を掻き、嫌々運んでもらう事になった。

「……あんたら、この一件終わったら覚悟しなさい? きっついお仕置きが、待ってるから」
い、今は忘れよう……今は、そんな怖い事は忘れよう……

俺は、雅の肩を借りて雪の入院している病院へと向かった。
向かっている最中、雅に今回俺らがやろうとしている事を説明する。

「はぁ!? あの子、そんな無茶な事言い出したの!?」
作戦の考案者が、祭だと教えると雅は驚いた表情で口を開けたまま固まってしまっている。

「あぁ、よっぽど自分の体は乗っ取られないという自信があるんじゃねぇのか?」
そうじゃなかったら、ただの馬鹿だ……。

「いや、あの子は私が未熟なせいか、そこまで強い力を持っている訳ではないのだけれど……」
馬鹿だった……。

「え、じゃ、じゃあ乗っ取られている可能性もあるわけか?」
俺のその問いに雅は、意外にも首を横に振り否定してみせた。

「いえ、乗っ取られていれば、契約の主である私にその変化が感じ取れないはずないし……成功はしているみたいね」
ほっ……なら、良かった。

「色々話している内に、目の前ね……それじゃあ、病室に行くわよ?」
俺は、それに頷き、二人して薄暗い病院内へと侵入した。

お互いに、病室は覚えているので、間違える事なく部屋の前まで来る事ができた。
近づいてみると、中から雪と祭が何やら話しているのが聞こえてきた。
……って、祭の奴、いつの間に喋れる様になったのっ!?


「多分、憑依している猫の妖怪のせいね……憑依を解いたら、元に戻ると思うけど」
なるほど、まぁでもこの場合、好都合かな?

俺と雅は、中の様子が気になり、二人して中を覗き込んだ。

「あなた……もしかして、クーちゃん?」
雪は、目の前にいる祭にそう尋ねた。

「……うん」
しばらく沈黙が続いた後、祭……いやクーっていう猫は頷いた。

「やっぱり、クーちゃんなんだ! 何となく気配でそんな気がしたよ」
雪は、長年再会を望んでいた相手と出会えて嬉しいのか、子供の様にはしゃいでいる。

「私、クーちゃんが来るのずっと待ってたんだ、ほら、見て? 私、元気になったんだよ」
雪は、自分が健康であるのを証明する様にベッドの上で跳ねて見せた。

「……そうだね」
クーは、それを見て悲しそうな表情を見せる。

「クーちゃん、どうしたの? さっきから、元気ないよ?」
そんな元気のないクーを心配して、雪は手を差し伸べた。

「ごめんなさい……」
クーは、そう呟き、なぜか泣き出してしまった。

「ど、どうしたのクーちゃん!? なんで、謝るの?」
そのクーの反応が、理解できないのか雪は困った表情を浮かべた。

「僕は馬鹿だ……自分の事だけ考えて……ご主人様に捨てられたと思い込んで……人を恨み続けた」
…………。

「でも、それは間違いで……ご主人様は、ちゃんと僕を考えていてくれて……なのに、僕は別れるのが辛くて……ここを抜け出した」
そのクーの独り言を雪は、黙って聞き続けた……。

「僕は、ご主人様と別れて酷い事一杯した……親しかった仲間や知らない人間たちを沢山傷つけた……」
奴の中でも、自分の行いに迷いはあったんだろう……だけど、恨み続け妖怪になり、自分が抑えきれなくなってしまったと……

「僕は、臆病で最低で……最悪の――」
クーがそれを言い終える前に、雪は泣いてるクーを抱きしめ、頭を撫でた。

「クーは、悪くない……悪くないよ、誰でも一人は寂しいよね……誰かに自分の事を気付いて欲しいって思うのは、当たり前だよ」
人は、他人に認識され始めて人として成立する。
それが成立しない存在は、死んでいるのと同じだ。

「私もずっとそうだったから……お父さんもお母さんも全く面会に来てくれなくなって、何度死にたいって思った事か」
生きているかも死んでいるかも分からぬまま……そんな曖昧な存在のまま生き続ける。
それは、想像する事すら叶わぬ程の絶望感……無力感……。

「クーには、話していなかったけど……あなたを拾った日、私は身を投げる為に窓に近づいたの……そしたら、あなたがそこで寝ていた」
だから、人は必死に自分の居場所を叫び続ける……誰かに覚えていて欲しいから……
誰かに自分の存在を認めて欲しいから……


「あの時、あなたに出会っていなけば、私はここに存在していなかった……生きる事すら、諦めて絶望していた」
それでも、その声は誰かに届く事はなく……返ってくるのは、自分の叫んだ声だけ……
いつまで叫び続ければいいのだろう……? いつまで自分の居場所を失わずにいればいいのだろう?

「あなたは私の命の恩人なの……だから、私の恩人を貶める様な事は言わないで……ね?」
本当は、気付いていたんだ……僕の周りには、同じ様に叫んでいる人がいて……
僕やその人達は、自分の存在を認めてもらうのに必死で……周りの人の声が聞こえていなかった。

でも、今は届く……だから、言おう……。

「うぅ……うあぁ……うわぁぁぁぁぁ」
僕の側にいてください……と。

クーは、その雪の言葉に泣き崩れ、雪の胸を借り、泣き続けた。
それは、長い間主人と共にある事を望み続けた……ちっぽけな猫の叫び……

「ご主人様……僕」
クーは、必死に涙を拭うと真剣な眼差しで雪を見つめた。

「……えぇ、分かっている……あなたがここに来た時から、そんな気がしてた」
雪は、クーがこれから何をやろうとしているのか理解してるらしく、悲しそうに微笑んだ。

「僕は、ご主人様の側にいる事はできないけれど……ずっと見守っているから……どんな時でも、ずっと……」
クーは、流れ星に願い事をする様に目を閉じ、そう願う……。

「だから、ご主人様も僕の事覚えていてほしい……それだけが僕の望み」
そして、ぎこちない笑顔で雪に笑いかけた。

「忘れないわ……絶対に、忘れるはずない……あなたは、私の大切な友達……今も……そして、これからも……それが変わる事はないわ」
二人は、手を繋ぎ合い笑いあった。

そして、互いに瞳を閉じる……。

「さようなら、ご主人様」

「……さようなら、クー」
雪が再び目を開けた時、既にそこにはクーの姿はなかった。

「また何時の日か……一緒に……」
少女は、隠していた涙を拭うと窓の外を覗き込み、満天の星空を見上げた。
見上げた夜空に、幸せそうに笑うクーを見た気がした……。

無事、この一件が解決し、俺達三人は静かに病院を後にした。

「はぁ……ようやく、終わった……俺は、もうくたくたで動けねぇぞ? 雅、背負ってくれ」
俺がそう呟くと、貸していてくれていた肩が離れ、俺は床に転げ落ちた。

「おふっ」
俺は、勢い良く地面に叩きつけられ、悲惨な声をあげた。

「んー? 何か、言ったかしら?」
そして、倒れた俺の背を雅が恐ろしい表情で踏みつけている。

「わ、悪かった……冗談です、だから、許してください」
俺は、すぐにその場で土下座し、許しを請う。

「ったく、あんたはすぐ調子に乗るんだから……大体ね――」
雅のそんな説教が始まると思った瞬間、予期せぬ事が怒った。

「本当本当、豊もっと遠慮というものをするべきだよ!」
俺と雅は、その声に一瞬思考が停止した……。
振り向くと、そこには機嫌が良さそうに笑っている祭の姿が……

「み、雅さんよ……? これは、一体どういう事だ?」
俺は、雅の背中を掴んで連れて行き、祭から距離を取り、問い詰めた。
そんな俺ら二人を見て、祭は不思議そうに首を傾げている。

「わ、私に聞かれたって分かる訳ないでしょう!? こんな事、初めてなんだから!?」
雅がお手上げ状態だと、もうどうしようもないんだけど……

俺と雅が、頭を抱えて悩んでいると祭が笑顔で近づいてきた。

「二人とも、祭が話せるの……そんなに意外?」
俺と雅は、それに力強く頷いた。

「祭が話せる様になったのは、あの猫のおかげ……消える時に、祭に力を少し分け与えてくれたの」
なるほどと俺達二人は、納得した様に手を叩いた。

「これからは、二人と話ができるね……へへ、嬉しいな」
祭は、話せる様になったのが、そんなに嬉しいのか、幸せそうな表情をしている。

「まぁ……なんだ、それじゃあ、事件の解決祝いに皆でどっか喰いに行くか?」
俺は、そんな光景を見て機嫌を良くし、二人のそう提案した。

「おぉ、豊、話が分かるなっ!」
祭も俺のその意見に、賛成なのか、嬉しそうに笑っている。

「いいわよ、勿論……あなたの奢り、よね?」
待て待て、なんでそうなる……っ!?

「俺は、どっかの馬鹿猫がどら焼き食いまくったせいで金欠なんだけどっ!? それでも、俺に奢れと?」
俺のその問いに、雅は当然と頷いている。

「レディを食事に誘うなら、当然の事でしょう……? ねぇ、祭?」
お前らは、間違ってもレディじゃねぇ……

「そうだそうだ」
金欠の元凶、黙れ……

「…………」
既に二人の中で、決定事項と化しているらしく俺の話を全く聞こうとしない……

「しゃあねぇ……奢ってやるよ」
俺は、今回は大目に見てやろうと二人の意見に乗ってやる事にした。

そして、数分後……俺が案内した店へと三人で向かった。

「……で、連れて来たのが、ここ?」
雅は、呆れ顔で俺を見つめている。

「おぉ、ラーメン屋! 祭、ラーメン好きだぞ!」
そう、俺が連れて来たのは、前に一度日向を連れて来たラーメン屋だ。

「ここは良いぞー? ラーメンとチャーハンのセットで500円で食えるんだぜっ!? しかも、24時間営業! 金欠学生の強い味方ってやつだよな?」
俺が、この店の素晴らしさについて語り始めると、聞いていた雅が俯いて肩を震わせている。

「なんだ、雅? そんなに腹減ってたのか?」

「あんたは、少し乙女心ってのを理解しなさい……っ!」
なぜか、そう怒鳴られ、意味も分からず殴られてしまった。

「雅、ラーメン嫌いなのかー?」
見ろ、祭は満足してるみたいじゃないか……

「き、嫌いじゃないけど……ただ、あの展開でここってのは」
お前は、どこに連れて行って欲しかったんだよ……

「はぁ……まぁいいわ、早く中へ入りましょう」
結局、文句を言いながらも雅は付いて来て、三人で一緒に仲良く夜食を堪能した。

「あ、そうだ、忘れてた」
食べている最中、祭が思い出した様に手を叩き、呟いた。
俺達は、そんな祭を見て何事かと首を傾げる。

「豊、雅、これからもよろしくな」
そんな祭の言葉に、俺達は互いに見つめ笑いあうと同意する様に頷いた。

俺は、厄介な奴がまた一匹増えたと煩わしく思ったが……悪い気はしない……そう思った。


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