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Another7/7:百物語―Hundred Stories―
あの騒動から一週間後、私はいつもの様に新聞部の部室へとやって来た。

「あ、霧さん、おはようございます」
部室には、既に木葉さんが来ており……机の前で何やら考え事をしていた。

「おはよう、木葉さん……何か悩み事ですか?」
私は、頭を抱えて考え込む木葉さんを見て……そう声をかけた。

「んー……それがですねぇ」
詳しい話を聞いてみるとそれは、あの夜に出会った幽霊の話だった。

「あの後、霧さんが最後のライト消しに行った時に……もう一度現れて体育館の入り口を塞いで大変だったんですよ?」
なるほど、体育館の方は体育館の方で色々大変だった様だ……。

「私が思うに絶対あれは悪霊です! トイレの時は、面白い幽霊だななんて思ったけど……あの体育館の出来事で確信しました!」
そんな風に木葉さんは悪霊だと断言しているが、私は違うと思った。

だって、あの閉鎖された教室に現れた少女……あの子は、化物に襲われている私達を助け出してくれたのだから……

私は悪霊だと騒ぐ木葉さんの横で、あの時助けてくれた少女に心の中で感謝の言葉を送り続けた。

――――――――――――――――

「ぶわっしょん! うぅ……風邪か?」
突然、寒気に襲われた俺は両肩を擦りながら……自室にあるパソコンの電源を入れた。

「ふっ……しかし、例え風邪でも……このマイパソコンがある限りぃ!」
仕事も無事終り……数日の間、休暇が貰えるという事で俺は、凄くテンションが上がっていた。

だが、そこへ水を注すかの様に……誰かが部屋の扉を叩いた。

「はい、どちらさん?」
俺は、笑顔のまま部屋の扉を開け……訪問者を出迎える。

しかし、訪問の主は……雅だった。
しかも、笑っている……笑っているのだが、何故かこめかみに血管が浮き出ていらっしゃる……。

とりあえず、これ以上見つめ合っていると俺の胃に穴が空くので……こちらから、声をかけてみる事にした。

「ど、どうしたんだい? マイスイートハニー?」
とりあえず、そんなくだらない冗談を言ってみたが……

「…………」
全然通用してねぇぇぇぇ! むしろ、更に悪化してるぅぅぅ……

「……これ、何だか分かる?」
突然、そう呟き……雅が取り出したのは何かの請求書だった。

良く確認してみると『窓ガラスの修理費用』や『消火器再設備費用』などとあの夜に暴れまわった全ての代償がそこに記されていた。

おぉぅ……しかも、その代金の桁がおかしな事になってるぞ……?

「で、何か言う事は?」
既に彼女の背後からは、禍々しいオーラが放たれている……。

「俺は、むじ――」
その瞬間、俺は修羅を見た……並の祓魔師では、到底敵わない様な修羅を……

翌日、当然と言えば当然なのだが……俺の楽しみにしていた休暇は、無かった事にされてしまったのだった。
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