嘘つきはサイコバスへの始まり
私の人生の汚点と言えば、小学生の頃『目には目を、歯には歯を』
と言う考えを持ってしまったと言う事だ。
小学校の頃、私はいじめて来た連中、特に主犯格だったBに
同じような事をして仕返しした事がある。しかし人数が必要な集団無視は出来ない。
そんな友達はいない。私が一人なのは小学校からなのである。
で、Bに何をしたかと言うと、
私は画鋲を包んだ手紙を入れた封筒をBに直接渡した。
結果、私が給食にゴミを落とされても、机を油性ペンで落書きだらけにされても
靴を捨てられたのを言っても何もしなかった教師が動いた。
Bが先生に泣きついたのだ。
ちなみにBは先生受けがよく、親はPTAの会長とか何とか。
小学生の頃はまだ先生を頼ると言うつくづく馬鹿な事をしていたのだ。
そして私はBと二人で話し合いの席を設けられ、先生に怒られ、
泣いて謝らさせられた。
ついでと言う形で先生はBに私へのいじめを謝るよう言い、Bも謝ってきた。
そう、小学生の時は泣く事もあった。確かに画鋲はやりすぎたかもしれない。
中学生になってからしばらくして、
同じクラスになったCが突然話しかけてきた。
「AってBの事をいじめたの?」
Bは違うクラスだった。
「知らない」
Cはそれに構わず続けた。
「なんかねー、BがAにいじめられたって皆の前で言いまくってたから」
「そう。で、何であんたはわざわざ知らせに来たの?」
Cは不機嫌そうに言った。
「本当なら、あんたの事許さない」
「ふ〜ん」
一瞬、友達であるCがいるBを羨ましく思った。
「で、どうなの?」
「私は謝らさせられた。言い訳にすぎないかもしれないけど
原因を作ったのはあっち。向こうも謝った。
もう私の中では終わった事。はっきり言ってどうでもいい」
数日後、Cが再び言ってきた。
「聞いてみたわよ。『でもAは謝ったんじゃないの?それで決着ついたんじゃない?』
って。そしたらBは『一応ねー。でも私は許してないけど』だってさ」
私はすぐに直接Bを問い詰めた。普段人と関わらない私も、
明らかに私へ害を撒き散らす可能性が高い奴を放っては置けなかった。
私は小学生の頃から訳の分からない事で責められ、謝らさせられた。
その恐ろしさを身に染みて知っていたからだ。
Bは知らない、言ってないの一点張りだ。私が
「本当に終わったと思ってるのね?あんたが原因なのよ?
忘れたとは言わせない、二度とその話を持ち出さないで、他の人に言う話じゃない」
と何度も念押しして、Bは分かってると言った。
だが私は嘘だと見抜いていた。それならCが言ってくる訳がない。
何よりCを観察している限り、彼女は賢い人だったし、
冷静な判断を出来る人物のように見えたからだ。
しかしBを問い詰めながら、私はどうしようも無い空しさに襲われていた。
Bはまた私に害を与えるに違いない。
Bとその仲間が私をいじめたのは事実だが、Bの方が結局味方が多いのだ。
今幾ら言ってもそれは変わらないと悟ってしまったのだ。
第一、私に味方はいないのだ。下手したらこうして問い詰める事さえ
いじめたと脚色して言われかねない。(事実、後でそうなった)
「あんたは卑怯で嘘つきだからこの話も脚色して言うんでしょう、
もうあんたの嘘つきぶりには呆れたわ。
お得意の嘘ばらまいて、またろくでもない味方作るんでしょうね。
でも言っておくけど、あんたが私にした事は、あんたが幾ら嘘つこうと変わらないし、
あんたのろくでもない味方に何を言われても私は何とも思わないから」
Bの事は私の人間嫌いにかなりの勢いで拍車をかけるだけの結果になった。
私以外の人間は本気でどうでもいいと思った。
他人に何を言われてももちろん構わなくなっていた。
さすがにB達に操られた男が私を叩いたり教科書等をぶつけたりしてきたら
その男達に仕返しはしていた。力はあった。
そうしていたら言われる事はあってもされる事は無くなった。
私の味方は私だけ。私は私が大好き。私以外の人間は皆嫌い。
それでもふと思う事がある。
一体いつからこんな考えになったんだろう?
少なくとも小さい頃は違ったのに。
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