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異世界にて探偵業を営んでおります

作者: ネタ氏

 スマホを操作するふりして無音カメラアプリでパシャリ。

 一昔前ならライターに偽装したカメラやタイピンに仕込まれた小型カメラなどの探偵グッズが必要だったのに、随分進歩したよな。

 気を抜いたところに依頼人である旦那がこのBARにやってきた。

 端の席でちびちびカクテルを飲んでいる俺にも気付かず、監視対象の女性―奥さん―まで一直線。


「お前こんなところでなにしてるんだ、スマホのGPSをたどってきてみれば男と遊んでるじゃないか」


 旦那の言葉に妻も売り言葉に買い言葉


「あなたにも随分女性からのメールや着信が来ているようですけど」


 奥さんも自分のことは棚にあげて一歩も引かない


 旦那は上着に隠してあった包丁を取り出し、腰だめに突っ込む。


 あぶなーい


 俺は咄嗟に飛び出してしまった。




「おぉ、死んでしまうとは何事だ、異世界に転移させてやるから生をまっとうしやがれ」


 初めて聞く声を耳にして、目を覚ますと『さぼってんじゃないわよ、とっとといってらっしゃい』という声とともに尻に衝撃を受け、建物の外に追い出された。

 

「旦那様ぁ、最近天気がいいからって、あんまり怠けてると首になりますよ」


 小学生くらいなのに、ピシッとしたスーツに身を包んだ少年に窘められてしまったが、どういうことなんだ?

 確か、奥さんの素行調査中に旦那に刺されたと思ったんだが……


 これは夢なのか……?


「旦那様、しっかりしてください。今日のお仕事はここですよ」


 連れられるまま行った先は豪勢なお屋敷。少年曰く、貴族のお屋敷で長男のお坊ちゃまが自室で殺されたため、犯人を捜して欲しいとの依頼がきたそうだ。

 これは夢なのだろうか、夢だとしても関係ない、初めての本格的な探偵の仕事だ。小説やドラマ、映画で見た技術を存分に使って犯人を見つけ出してやる。


 ……密室だな、出入り口の扉の鍵はかかっている。もちろん窓も閉まっている。

 う~ん、まずは指紋を調べよう。

 細かく挽いた小麦を用意してくれ、ドアノブや窓に粉をかけ指紋を調べていく。

 屋敷の使用人、参考人にも朱色のインクで指紋をとらせてもらう。

 

「犯人は、おまえだ!」


 自信満々に執事を指差す。

 と、その時扉が開き少年が部屋に入ってきた。


「へっぽこ探偵社さん、その答えは早計ですよ。この地に留まりし魂よ、心残りな言葉を述べよ!」


 少年の言葉と共に部屋に半透明な若者が突然現れ、部屋の端にいる男性を指差し言葉を紡ぎだす。


「家をのっとるために弟に殺された」


 半透明な若者の言葉に部屋の外から兵隊が押し寄せ、指先の男を押さえつける。

 俺の指は行く宛てをなくしてしまい、鼻をほじくる。


 現代知識で探偵無双するつもりだったけど、魔法万能じゃん


 この世界での主な俺の仕事はペット探しと現世での仕事と変わりなかったが、月に一度の魔法学校への入学試験の勉強は欠かしていない。

 現代日本で貯めた知識もあわせて、この世界で最高峰の探偵になってやる!


続編というか、もうひとつ書いてみました

http://ncode.syosetu.com/n7197cz/


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