砂の三兄弟であるテマリ、カンクロウ、我愛羅はとっても仲良し。
早朝の三兄弟の部屋、ベッドを並べてカンクロウと我愛羅が気持ち良さそうに寝ている。もう一つのベッドはテマリの物で、すでに起きた後だ。
テマリは一人先に起きて皆の朝食の用意をしている。
「よし! 二人を起こすか!」
朝食を作り終え、テーブルに全て並べたテマリはなぜか扇子を手に寝室へと向かった。
ドアを開けて肺いっぱい空気を吸い込む。
「起きろぉー!」
大きな怒鳴り声と共に扇子を振り突風を起こす。強風にあおられ、二人はベッドから転がり落ちた。
「痛たたた……もうちょっと優しく起こしてくれっていつも言ってるじゃん」
「ちょっと声をかければいいものを……」
カンクロウは頭をぶつけたようで、手で擦りながら起き上がる。我愛羅は深い眠りを取れないため寝起きが悪く、低いトーンでボソリと呟くとテマリの横をすり抜け、寝室を出て行った。
「全く……優しく起こしても目を覚まさないのは誰だよ これが一番てっとり早いんだ ほら、カンクロウも早くおいでよ」
テマリがテーブルについた時、我愛羅は既に食事を始めていた。
「我愛羅、いただきますは言ったのか?」
「……いただきます」
テマリに言われおとなしく手を合わせる我愛羅。それを見たテマリが優しく微笑み食事を始めると、カンクロウが最後にテーブルについた。
「あれ……なんか変じゃん」
本日の食事は白いご飯、豆腐の味噌汁、焼き鮭。
だが、カンクロウの前にだけ空の皿が置かれていた。
「我愛羅ー! また俺のおかず盗っただろ!」
カンクロウはいつも側に置いている烏を操り、我愛羅に飛びかからせた。
もちろん砂の壁に阻まれ、我愛羅にはあたらない。
「俺が盗ったという証拠がどこにある……」
「その皿に乗ってる皮が証拠じゃん! 返せっ、俺の鮭!」
「止めろっ、ご飯に砂が入るだろ!」
我愛羅の皿に烏の手が伸びるが、砂がそれを弾く。テマリの叫びは二人とも聞こうとしない。
「触るな 俺の鮭だ」
「我愛羅は俺の食ったんだから、その鮭は俺のじゃん!」
「これは紛れもなく俺の鮭 お前の鮭は消滅した……おとなしく猫まんまでも食うんだな」
「くそー! 少しは兄貴の言うこと聞けよ!」
何度烏の手が伸びても砂が鮭を守る。せっかくテマリが作った食事に、パラパラと砂がおちる。
すっと静かに席を立ったテマリが扇子を持ち大きく振り被る。二人がそれに気付き、喧嘩を止めても時既に遅し。
「止めろって言ってるだろっ!」
テマリが扇子を振り、巻き起こった風に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられるカンクロウと我愛羅。我愛羅は砂のお陰でダメージはないが、カンクロウは気を失っている。
だが、風に吹き飛ばされたのは二人だけではなく、テーブルの上は綺麗に何もなくなっていた。
「あ……い、いってきまーす!」
それに気付いたテマリは、そそくさと家を出ていく。
「俺も いってきます」
それに続く我愛羅。
カンクロウが目を覚ますと、そこには見事に散らばった朝食。
カンクロウはそれを涙目で片付けるのだった。
砂の三兄弟であるテマリ、カンクロウ、我愛羅はとっても仲良し……多分。
fin…… |