舞台 第一幕
水晶蝶はくるくると回りながら舞台に上がる。
黒いローブを脱ぎ去ると、蝶が舞う白い着物が現れた。
切りそろえられた髪は一見すると漆黒に見えたが、光の加減で緑や蒼、紅にもみえる。
瞳も同じく輝いた。
――――幻空帖
――――それは一匹の蝶の物語
白い足袋に包まれた脚は音も無く。
裾が羽のように広がり、閉じる。
――――凛と
――――幻かのように
空 を 割 く
高く 高く。
蝶は夢を見る。
蝶が願う。
夢を現に。
せつに せつに。
この手に掴む儚い夢。
幻のように消え去る前に。
それなら揺ぎ無いモノに。
夢は消えるモノ。
それは幻。
現は揺ぎ無いモノ。
それが現実。
だから願おう。
現は夢に。
夢は現に。
夢が現を飲み込んで
新たな現となりますように
――――それが 【 願い 】
――――蝶の願い
――――蝶の総て
蝶は羽を広げる。
真珠色に輝くソレは。
蝶が高く飛ぶために。
花が蝶を必要なように。
蝶は夢が必要で。
しかし現も必要で。
ソレが無ければ蝶は飛べずに
――――地に落ちる
飛ぼう
高く
高く
高く
蝶は飛ぶ。
風に逆らい
揺らしながら
夢見ながら
瞳を輝かせ
――――羽を広げて
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