WP(15/21)縦書き表示RDF


WP
作:櫻 紫陽



旅芸人 2


 ガ ッ シャ  ン ! ! ! !


オズマさんの部屋のドアを叩こうとした時だった。
何かが割れる音だ。

「 ! 」

リンが躊躇無く、オズマさんの部屋に入る。
鍵はかかってなかった。



「 ぁ、すいませ・・・・・・ 」

部屋ではオズマさんがすさまじい格好で転がっていた。


こけたらしい。



「 ちょっと気が動転しまして・・・・・・ 」

ソファでオズマさんは小さくなっていた。

「 いや。別にオズマさんが無事ならいいんですよ 」

この言葉を言った後、ヤバい。また泣くかな・・・・とか思ったけど全くそんなことは無かった。
ていうか、かなり落ち込んでいる。それどころじゃないらしい。

「 落し物しちゃいまして・・・・・・ 」

そこでリンに肘で小突かれて自分はやっと気付いた。

あのピアス。



「 すごい喜んでたね 」

右側で歩くリンもにっこり笑って頷いた。
ピアスを渡した後のオズマさんは狂喜して「 ありがとうございます 」の連発。
テンションがハンスさん並に上がっていた。血圧大丈夫だろうか。


 コ ン コ ン

ドアを叩く音がした。
そしてそのすぐ後に聴こえる、使用人の女性のものであろう声。

「 リン様、ラン様、夕食のご用意が出来ました 」








リンと二人で、みんなで食事をするホールに行く途中だった。
赤い絨毯の敷かれた廊下。
その途中にあの黒いローブの子供がいた。
隣りに居るのは、もう一人の旅芸人だろう。
同じく、黒いローブを頭からかぶっている。
子供はちらりと自分達を見るとすぐに目を逸らした。
リンが少し眉を顰めて立ち止まる。
それに、もう一人の旅芸人が気付いた。

「 ぁ、王子様のお連れの方ですか ? 」

振り向いた時、眼鏡だろうか。天井の明かりに反射して光った。
声からして女性。
朗らかに、子供とは対照的に愛想良く話し掛けてくれる。

「 今夜はよろしくお願いしますね。私どもも、王子様方に自分の芸を見てもらえて光栄です。

私は、踊り子の 【 水晶蝶 】と 申します 」

ローブの端を持って旅芸人の女性――水晶蝶さんは礼をする。
そして、隣りの子供を指した。



「 こっちが、団長の―――といっても二人だけですが―――【 紫幻想 】です 」




自分達は驚いて子供―――紫幻想を見た。

「 ぇっと、そっちが団長なんですか ? 」
「 はい。無愛想な上司で、正直困ってます 」

水晶蝶は苦笑した。

「 余計な事は言わないで 」

あいも変わらず、紫幻想は抑揚の無い声で言う。

「 はいはい。ぁ、お二人もホールまで一緒に行きましょうか 」



紫幻想は舞台が始まるまで一言も話さなかった。


さぁ出ました !
【 紫幻想 】 と 【 水晶蝶 】 !!!
誰かわかりますか ?
メッセージにて !!






ネット小説ランキング>異世界シリアス部門>【WP】に投票





ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう